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18話 物件の秘密

     転生した異世界で自由気ままに生きていく

      ~チートじゃない?才能です!~


          2章 王都動乱

         18話 物件の秘密


 帝達が商業ギルドの待合所で待っているとアリアが戻って来た。


「リストの物がご用意出来ました」

「ありがとうございます。そう言えば金額は幾らですか?」

 帝はアリアにリストの用意を頼んだのは良いが、金額を聞くのを忘れていたので確認をしたが・・・。


「お代は結構です。新居・・・では無いですが、住居のご購入とお引越しのお祝いと言う事で商業ギルドからプレゼントさせて下さい」

「俺達は構いませんが・・・良いんですか?」

 帝が良いのかと聞くとアリアは帝達に近づき小声で話す。


「正直に申し上げますと、商業ギルド(こちら)としては曰く付きの物件が売れ無いので困っていたのです。

 値段を下げても知っている方が多いので買い手も付きません。ようやく買い手が付いても住居を壊して、新しく建てようとする方ばかりなので事故が起きますし、住居を使う目的で購入される方もおりましたが、街から離れているのが不便で直ぐに手放してしまう始末でして。

 なのでミカド様が万が一あの物件を手放しても負担が少なく済むように配慮させて頂きたいのです」

「成程、そう言う事なら分かりました。有難く頂きます!」

「それでは向かいましょうか。外に運搬の馬車を追加でご用意してありますので」

 そう言いアリアは商業ギルドの外に向かう。


「そう言えば気になった事が1つ有るのですが?」

「何でしょうか?」

 物件に再び向かう帝達は先程、向かった時と同じメンバーで馬車に乗っている。住居を実際に見て回った帝は気になった事が有ったのでアリアに確認する。


「あの住居の間取りって、部屋の広さを考えると所々が住居のサイズに収まらないですよね?どうなってるんですか?」

 そうなのだ。間取りには家のサイズしか書かれておらず、部屋の1つ1つの広さまでは書かれていなかった。実際に見て確認したから分かった事だが、部屋の広さと住居のサイズが噛み合わないのだ。


「確かに言われてみると変ですね?」

「気にしてませんでした!」

 シオンもユーナも住居の不思議に気付かなかった様だ。


「あの住居のおかしな間取りは、建てた方が宮廷魔術師様だったからです」

「!?」

「「?」」

 アリアが変な間取りの原因は、建てたのが宮廷魔術師だったからだと言う。それを聞いたユーナは驚いたが、帝とシオンは分からないので首を傾げた。


「もしかしてあの住居を建てたのは先代の(・・・)宮廷魔術師様ですか?」

「そうです」

 ユーナはアリアに確認すると納得出来た様だ。


「その宮廷魔術師が住居を建てるとああなるのか?」

「ミカドさん!?知らないんですか!?」

「先代の宮廷魔術師様は凄腕の魔法使いだったのです」

 アリアが先代の宮廷魔術師について教えてくれる。


「あの方は歴代最強と言われていました。あらゆる魔法を使いこなし、数多の戦場で活躍したと聞きます。その中でも特に〈時間魔法〉〈空間魔法〉〈結界魔法〉〈補助魔法〉〈回復魔法〉が得意であの方が出た戦では、味方に死者は必ず出ないと言われていました」

「それは凄いですね!」

「そして引退後あの土地を買い自身で住居を建て、〈空間魔法〉と〈結界魔法〉を〈付与魔法〉で所々に付与したと聞き及んでいます」

「それで間取りが家のサイズに合わない訳ですか」

「はい」

 アリアの説明を聞いた帝は納得した。凄腕の魔法使いが建てた家ならおかしな所があっても不思議ではないと思ったからだ。


「ただ私共にも分からない事がありまして・・・」

「何ですか?」

「あの方は亡くなられる前に遺書を残していたのです。遺書の内容が「私が死んだらこの土地にある物全て(・・)を商業ギルドに委ね、販売をして欲しい」と書いてあったのです」

「宮廷魔術師の全てですか・・・それは凄いですね」

「私共もそう思い王宮から遺書を渡されて直ぐに、騎士団と共に住居に向かったのですが、もぬけの殻でした」

「・・・どう言う事ですか?」

「住居の中には何一つ無く、先程案内した際の状態。ミカド様方に見せた状態だったのです」

「・・・つまり家具も何も無い状態だったと?」

「はい」

「盗まれた後とかでは無く?」

「私共も騎士団もそれは考えましたが、家の中には荒らさせた形跡が全く無かったのです。それに加えてあの家には結界が張ってある様で、家の鍵を開けてでしか入る事が出来なかったのです」

「確かに変ですね。誰も入れない状態にも関わらず、もぬけの殻。

 だけど遺書には全て(・・)を委ねると書いてある」

「はい。なので私共も騎士団も付与した魔法の事を言っているんだと解釈したのです」

「確かにそれなら「全て」と言う、書き方にも納得出来ますね」

「はい。付与した魔法は〈鑑定〉しないと分かりませんから。それで付与された魔法を考慮した金額で販売して居たのですが・・・」

「住居を壊そうとすると事故が起きる」

「そうです。最初は住居に呪いが掛けてあり、壊そうとすると呪いが発動して事故が起きると思っていましたが、住居の至る所を何度〈鑑定〉しても呪いが発見出来なかったのです」

「〈鑑定〉しても発見出来ないなら無関係何ですかね?」

「そう思いたいですが、断定が出来ないので何とも言えませんね」

「壊そうとしなければ害が無いなら別に気にしませんが」

「そう言ってもらえると助かります」

 アリアから物件について色々と聞いていると馬車が停まる。


「着いたみたいですね。ご購入頂いた商品はどちらに運びますか?」

「取り敢えずは倉庫に運んで貰えれば、後はこちらで部屋まで運びますよ」

「それではその様に致します」

 アリアはそう言うと馬車を降り、連れて来た従業員に倉庫に運ぶ様に指示を出す。


「ミカド。私達はどうするんだ?」

「先ずは各々が使う部屋を決める。じゃないと何も運び込めないからな。決まったら分かりやすい様に、ドアノブに名札でも掛けといてくれ」

 そう言い帝は人数分の板を用意し、名前を書き込んでいく。シオン以外のエルフはどうするか考えていると。


「私達は2階の大きな部屋を使いたいと思います」

 エルフ達の言う通り、2階には使用人が使っていたと思われる部屋が複数あった。


「良いのか?」

「問題ありません!私達は元々シオン様の従者です。皆が家事を出来ますので使用人として働ければと思っております!」

「分かった。ただ当然だが働いてくれるんだから、賃金は受け取ってもらうからな?」

「「「「それは!?」」」」

「拒否権は無い!働くんだから賃金が出るのは当然だ!」

「・・・分かりました」

 エルフ達との話が終わると帝は板に使用人と書き5枚(・・)程渡す。


「「「!?」」」

「まさかとは思うがその人数で1部屋を使うつもりじゃ無いよな?

 部屋は空いているんだから最低でも3部屋は使う様にしろ」

 帝は先制してエルフ達に複数の部屋を使えと言った。盗賊から救ったエルフはシオン含め大人6人、子供6人の計12人だ。シオンは個室を使う為、除外すると計11人になる。

 帝の言葉に対する反応でエルフ達は1部屋しか使う気がなかったと分かる。


「いくら子供が6人だと言っても11人で1部屋は使うには無理があるだろ?2部屋を大人、1部屋を子供で使う様にしろ」

「分かりました。ですがそれだと2部屋余りますが?」

「荷物置きに使っても良いし、休憩部屋としても良い。あ、1部屋は必ず休憩部屋にしろよ!じゃないと休憩しなさそうだからな!」

 この短期間で帝はエルフ達の性格を分かっている様だった。案の定、帝の言葉にエルフ達は苦笑いしている。


「それじゃあ部屋割り決めといてくれ」

 そう言うと帝は歩き出す。


「ミカドは何処行くの?」

「魔道具の魔石を交換して来る。遅くなってからだと暗くて危ないからな」

「魔石の交換の仕方は分かるの?」

「アリアに聞いてある。分からなかったら聞きに戻るさ」

 そう言うと帝は魔石を持ち、倉庫を出て行く。


 帝は先ず風呂場に向かった。なせなら魔石の交換が出来ず、後回しにした時に一番困るからだ。


(ここは真っ先に交換しないとな。交換が失敗して風呂に入れないとか嫌だからな)


 そう帝は風呂に入りたいが為に真っ先に風呂場に来たのだ。

「確か風呂場の魔道具は蛇口だと言ってたな」

 帝は蛇口を見つけた。蛇口は2つあった。片方には熱いと書かれ、片方には冷たいと書かれていて、魔法陣が刻印されている。


「確かつまみを取ると魔石が入れられる窪みがあると言ってたな」

 帝がアリアに言われた通りにつまみを引っ張ると窪みがあった。


「ここに入れれば良いのか?」

 帝は魔石を入れてつまみを戻すと使えるかの確認の為、両方のつまみを捻った。蛇口からは水とお湯が出て来た。


「交換は成功だな!これで風呂に入れる!」

 無事に魔石の交換が出来た帝は水とお湯を止めると風呂場を後にする。

 余談だがこの世界の魔石には属性がある。火の魔石、水の魔石、風の魔石、土の魔石、光の魔石、闇の魔石の6つがある。他に属性の無い無属性の魔石がある。無属性の魔石とは魔獣から取り出される物の事だ。

 では属性が付いた魔石は何処で入手出来るのか?答えは謎だ。理由としては、同じ場所から属性のある魔石が発見されたからだ。それも1種類ではなく数種類だ。

 故にこの世界の一般常識として属性の付いた魔石は発見が困難であり高価な物なのだ。その為、帝が交換している魔石は全てが無属性の物だ。


 風呂場を後にした帝は調理場に来ていた。


「食材が有るのに調理出来ないのは問題だよな」

 独り言を言いながらコンロの魔石を交換して行く。魔石を交換しながら帝は考え事をしていた。ずっと()られているのだ。


(何なんだこの視線は?風呂場に向かう間から感じているが、何かをする訳でも無くただこちらを視ているだけで・・・。やはり気配は感じない。と言うよりは曖昧な感じか?)


 帝が魔石の交換をしている間ずっと視線を感じているが、気配を探っても居るのは分かるが居場所がはっきりとしないのだ。時折、帝は部屋の中を見渡すがやはり姿は見えず誰も居ない。


(ん〜。気配はするんだがな・・・。)

オウル:マスター。先程から感じている視線は精霊と思われます。


 帝が視線について考えていると帝が所持している特殊恩恵の〈全てを知る者〉であるオウルが教えてくれた。


(精霊?)

オウル:はい。


(精霊は視る事が出来ないのか?)

オウル:精霊を視るには〈精霊視〉と言う恩恵が必要です。


(どうやって獲得するのか分かるか?)

オウル:〈精霊視〉の獲得条件は精霊を認識(・・)する事です。


(・・・視えないから認識が出来ないんだが?)

オウル:認識するだけなら魔力技(アーツ)魔力の網(ソナー)で可能です。


(それはどうやるんだ?)

オウル:自身の魔力を薄く伸ばし、周囲に放つ事で出来ます。因みに魔力の網は周囲の魔力を感知する事が出来る魔力技になります。


(魔力を薄く伸ばす・・・。こんな感じか?えっと、そんで放つだったか?)


 帝が放った魔力の網は極限まで薄くなっており、並大抵の者では気付けない領域だった。しかも初めて魔力の網を使った帝はオウルの言う通りに放った(・・・)ので範囲を気にしていなかったのだ。

 通常の魔力の網は魔力を放つと言うよりも、伸ばす(・・・)に近い技なのだ。それに放った魔力に触れた者を無差別に認識してしまう為に脳に負荷が掛かる。その為、範囲を考えて魔力を伸ばすのだが・・・。

 結果として帝は調理場に居る精霊を認識する事が出来た。


(あ、居た)


 魔力の網の効果で精霊の居場所が分かった帝はそちらを見るが、視認は出来ない。


(確か〈精霊視〉だったか?獲得は出来たのか?)

オウル:無事獲得出来ました。


(そうか。なら早速使うか)

 帝は〈精霊視〉を発動した。

 帝が〈精霊視〉を発動すると目の前には30cm程の人間の子供の見た目をした生き物が10体(・・・)いた。何故見た目と言う言い方なのかと言うと人間ではないのが分かるからだ。

 背中には半透明の蝶の様な羽があり、耳がエルフの様に長く、それぞれが羽を動かさずに(・・・)宙に浮いている。

 帝は〈精霊視〉を獲得し、発動した事で精霊を視認する事に成功した。


「・・・」

「「「「「・・・」」」」」

 帝は初めて見た精霊に言葉が出なかった。イメージ通りの可愛らしい姿だったからだ。逆に精霊達は帝が自分達を視る事が出来ている事に驚き固まってしまった。

 精霊を視認した帝は無言で〈倉庫♾️〉を発動すると中から、甘い花(スイーツフラワー)を取り出し、調理台の上に置いた。


「口に合うか分からんが食べるか?」

 そう言い帝は精霊達に甘い花を差し出した。

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