17話 曰く付き物件
転生した異世界で自由気ままに生きていく
~チートじゃない?才能です!~
2章 王都動乱
17話 曰く付き物件
帝達が談笑しているとアリアが戻って来た。
「こちらが間取りになります」
渡された紙を見て、帝は驚いた。
「本当にデカいですね!」
紙に記載されている内容は目を疑うものだった。
先ず、住居は3階建で縦100m、横200mと書かれている。横幅だけでギルドよりもデカいのだ。アリアの言う通り商業ギルドよりもデカい様だ。それに加え土地の広さだ。
アリアは「商業ギルドを建てても余裕がある」と言っていたが、具体的には商業ギルドが2つは建てられる広さだ。それは豪邸と呼べる物だろう。
「・・・かなり広いな。間取り的にも悪くは無いが・・・」
「どうなさいますか?購入致しますか?」
「因みにですがこの物件の値段は・・・」
「そちらを話していませんでしたね。こちらの物件は曰く付きと言う事で大銀貨12枚になります」
「「「「!?」」」」
「ほら〜。言った通りじゃ〜ん!」
「?」
帝達は曰く付き物件の値段を聞いて驚いた。ティナだけは反応が違ったが・・・。
「すいません。ティナは無視して下さい」
「酷い!?」
「え、えっと。それでご購入しますか?」
「はい。是非とも!」
「それではこちらの用紙に記入をお願いします」
アリアは売買契約書と書かれた紙とペンを帝に差し出した。帝は言われた通りに記入欄に記載するとアリアは確認する。
「お間違い無いです。それではこちらをどうぞ」
そう言いアリアは1つの鍵を差し出した。
「こちらが住居の鍵となります。ご案内致しますが、今から向かわれますか?」
「そうですね。必要な物などの確認をしたいので、差支えなければお願いします」
「分かりました。それでは向かいましょう」
アリアは席を立つと扉を開け、別の職員に物件に案内する旨を伝え、馬車の用意をさせる。
帝達が商業ギルドを出ると目の前には3台の馬車が用意されていた。先頭の馬車は6人乗りの通常サイズだが、残りの2台は通常の馬車の2倍ほどの大きさだ。2台の馬車の大きさに驚いた帝だが、それよりも帝が驚いたのは繋がれている馬だ。普通の馬の3倍近い大きさなのだ。帝が馬に気を取られていると・・・。
「どうぞお乗り下さい」
アリアは馬車の扉を開け、帝達に乗車を促す。1台目の馬車には帝、ユーナ、シオンの3人が乗り、帝を真ん中に横並びに座り、向かい側にアリアが座った。
2台目にはアイナ、ティナ、エルフ達が乗り、3台目にフェン、ヨルン、ペイルが乗り込んだ。
御者は商業ギルドの職員がしており、全員が乗り込んだのを確認すると馬に指示を出し、動き出した。
「ご購入された物件は30分程で到着します」
「質問いいですか?」
「はい。どうぞ」
「物件に関してでは無いのですが、あの馬は・・・」
「ワイルドホースですが・・・。ご存知ありませんか?」
「初めて見ました」
「ワイルドホースはあの体躯ですが温厚な魔獣で、馬よりも速いので商人には重宝される魔獣ですね」
「へぇ、優秀な魔獣なんですね」
「間違い無く優秀と言えるでしょうね。ただあの体躯なので食べる量が多いのが問題ですね」
「それはお金が掛かりますね」
「はい。なので商人でワイルドホースを所持している者は成功していると言う証になりますね」
「成程」
「他に欠点と言えばワイルドホースは食事が気に入らないと全く言う事を聞かなくなります」
「それは中々に大変ですね」
「そうですね。ただやはり通常の馬よりも体力は有り、力も有る、脚も速いとメリットが大きいので所持したがる商人は多いです」
「でも簡単に入手出来るのですか?」
「捕獲が簡単で害の無い魔獣なら商業ギルドで販売しておりますよ」
「え!?」
「商業ギルドは適正価格でお売りしますよ」
「・・・はと言う事は他にも販売している所が?」
「・・・好ましくは無いですが、央都で行われているオークションでは捕獲が難しい魔獣も販売していますね。オークションでは天井知らずで根が上がります。何せ強さや能力の他に貴重性などが加わるので・・・」
そう言いアリアはチラッと帝の両肩で寛いでるカーバンクルのカリスとナインテールフォックスのオーロを見た。2匹は商業ギルドに入ってからずっと帝の肩の上を行ったり来たりして寛いでいた。
「お客様は大分魔獣に好かれていらしゃっいますね」
「帝で良いですよ。好かれてるかは自分じゃ分かりませんが、カリスとオーロは俺にとっては既に家族ですから、大事にしますよ」
「魔獣をお求めになる方が、ミカド様の様な方ばかりでしたら良いのですが大事に扱う事もしない輩が多いですね。百歩譲って愛玩動物として可愛がるなら良いのですが・・・」
「・・・俺としてはペットと下に見てる事すら気に入りません。正直に言うなら飼うと言う言い方自体が不快ですね。家族として招くが正しいと思ってます」
「知らぬ事とは言え、不快な思いをさせてしまい申し訳ございません」
「い、いえ!こちらこそすいません!?不快とは言いましたが販売で生活をしている方々に、自身の考えを押し付けるつもりはありません」
「そう言ってもらえると助かります」
帝がアリアと喋っていると馬車が停まった。どうやら購入した物件に着いた様だ。
「到着したみたいですね」
アリアはそう言うと馬車から降り、帝達が降りるのを待つ。
馬車から降りた帝達は目の前の土地を見て驚いた。資料で土地の広さを知ってはいたが、実際に見るのとでは全く違う。
「はぁー。これは想像以上の広さだな」
帝達が今居るのは物件を取り囲んでいる塀の門扉の前だ。
「こちらの塀と門扉は前の住民が作った物です。工場を建てるつもりだったのですが、例の住居が取り壊し出来ないので諦めた様です」
そう言うとアリアは門扉の鍵を開けた。
「門扉の鍵は住居とは別になっておりますので、失くさない様に気を付けて下さい」
そう言いアリアは帝に門扉の鍵を渡すと歩き出した。
「あちらに見えるのが例の住居になります」
「・・・商業ギルドくらいの大きさと聞いてはいたが、住居の大きさにしてはデカすぎだろ」
「大きいねー!」
「いや、領主の家と同じくらいじゃないか?」
「そうですね領主様と同じくらいでしょうか?」
「素晴らしいですね!」
ティナは大きさに驚いているが、大して驚いている様には見えない。アイナとユーナは領主の家と同じくらいだと言うが、帝は見た事が無いので分からない。シオンは単純に賞賛しているが・・・。
「内装もご案内させて頂きます」
そう言いアリアは玄関の鍵を開けて中へと入る。
「こちらはホールになります。正面の扉の先が食堂になります。左の扉がお風呂場に繋がっております。右の扉は倉庫に繋がっており、食堂と外へと繋がっています。食堂の奥が調理場となります」
案内された調理場は広い。ホテルの調理場と言われても納得する広さだ。
アリアは扉を開けながら説明して行く。倉庫と風呂場に続く廊下には空き部屋が幾つか有り、当然だが中には何も無い。
「倉庫は商業ギルドの物よりも広いので、環境さえ整えれば色々と保管が出来ます。お風呂場は脱衣所が有り、浴室に繋がっています。
次に2階ですが・・・」
案内された2階は書斎だったであろう部屋や来客を待たせる部屋、来客を対応する部屋、来客が泊まる部屋などがあった。どの部屋も広い。特に書斎の様な部屋は中身の無い本棚の数と広さ的に、図書館の様な感じだ。
「3階は住人が使う部屋といった感じですね」
「そうだな。他の部屋に比べても広かったしな」
「良いねー。どの部屋使おうかなー!」
「取り敢えず、一番広い部屋はミカドが使うとして私達はどうするか?」
「今すぐ決めなくても良いのでは?」
「そうだな。内装の確認は出来たし、必要な物を買いに行かないとな」
「商業ギルドでご用意出来る物はご用意致します」
「それじゃあ一旦戻りましょうか」
3階を案内された帝達は内装に必要な物を買う為に街に戻る様だ。
住居、屋敷を出た帝達は歩き出し、塀の外に停めた馬車へと向かう。その後ろ姿を屋敷の中から観る者に気付かず・・・。
いや、気付いていないのは帝とフェン達3人以外だが・・・。
(屋敷の中を案内されてた時の視線は何だ?敵意と言うよりもこちらを観察する感じだったが・・・。今も観てるな。気配が人間じゃ無いが、何処に居たんだ?)
帝は案内されている間ずっと視線を感じていた。だが気配を探っても居場所が掴めないのだ。
(幽霊の類か?今までに起きた事故の原因か?だとしたら屋敷を見守っていると言う事なのか?後で確認だな)
帝が馬車の中で考え込んでいる間に商業ギルドへと戻って来た。
「それでは必要そうな物をリストに上げて、ご用意致します」
「お願いします」
先程と同じ部屋に案内された帝達。案内したアリアは住居に必要そうな物をリストでまとめてくれる為、帝達から離れて行く。
「さてとアリアさんが戻って来るまで、土地の活用方法を相談しておくか」
「私は訓練場が欲しいぞ!」
「儂も訓練場が欲しい!」
「私も訓練場が良いなー」
帝が土地の利用法について皆に相談したら、真っ先に出た意見が訓練場であった。
「アイナ、フェン、ペイルは訓練場か。確かに訓練場は良いな。他には有るか?」
「菜園などはどうでしょうか?」
「私も菜園が良いです!」
「ユーナとシオンは菜園か。それも良いな。いっその事、果樹園も作るか?」
「良いですね!」
「「「「賛成です!」」」」
菜園と果樹園も賛成の様だ。
「他に有るか?ティナとヨルンはどうだ?」
「私は別に何でも良いかな?」
「自分は〜日向ぼっこが出来れば〜何でも良いよぉ〜」
ティナとヨルンは特に無い様だ。
「俺としては鍛冶場が欲しいな。付与と刻印は鍛冶場の中にでも作業場を作れば良いとして・・・。他には有るか?」
「ならカリスちゃんとオーロちゃんの遊び場を作ったらどうでしょう?」
「「キュイ!」」
「それも良いな!」
「後は・・・」
「何か有ります?」
「取り敢えずはこんなところか?」
帝達が土地の相談をしているとアリアが戻って来た。アリアは作成したリストを帝に手渡す。
「こちらが最低限必要と思われる品をまとめた物です」
リストには人数分の寝具・生活用品・家具・食器、家の至る所にある魔道具に使う魔石、食材などが書かれていた。
「この食材は?」
「新居の用意や片付けなどで食材を買いに行く暇が無いかと思い、取り敢えずは3日程の量を検討しました」
「確かに買いに行く暇は無いかも知れないですね」
「問題が無ければ直ぐにご用意致しますが?」
「お願いします」
「分かりました」
アリアはリストに記載した物を用意する為、再び退席する。
「俺達も待合所に行ってるか」
そう言い帝達も部屋を出て、待合所に向かった。




