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16話 商業ギルド

     転生した異世界で自由気ままに生きていく

      ~チートじゃない?才能です!~


          2章 王都動乱

         16話 商業ギルド


「ほいよ!」

 ティルンは帝に頼まれた〈清潔〉が付与されたタオルを10枚カウンターの上に置いた。その隣にガンツは持って来た〈鑑定〉が刻印された板を5枚並べた。


「これが頼まれた品だよ。タオルの方は1枚が大銅貨1枚、10枚だから銀貨1枚。板の方が1枚で銀貨1枚、5枚だから銀貨5枚。合計で銀貨6枚だね」

 金額を言われた帝は金貨(・・)1枚を出した。


「「「!!!」」」

 銀貨6枚の値段に対して帝は金貨を出した為、ティルン、ティンク、ガンツは驚いて固まってしまった。


「ちょ、ちょっと待っとくれ!今、お釣りを用意するから!」

 ティルンが慌てながらもお釣りを用意しようとするが、帝がそれを止めた。


「いや。釣りは要らない」

「「「なっ!?」」」

 帝の言葉を聞いたティルン達3人はまたも固まってしまう。気を取り直したティルンが帝に声を荒げる。


「あんた。何言ってんだい!お金を粗末にすんじゃないよ!」

 ティルンが急に声を荒げた為、帝とフェン達3人以外の者は身を竦めてしまう。


「粗末にするつもりは無い」

「だったら何だってこんな大金・・・」

 ティルンが帝に問うので帝は淡々と答えた。


「伝えていなかったがローンが俺専用の武器を作ると言って工房に3日(・・)程籠ると言った。さっき聞いた話だと工房内の時間は10分の1になるんだろ?つまりは1ヶ月程籠ると言う事だ。

 ローンは「自分が勝手に決めた事だから金は要らない」と言ったが俺の気がすまない。かと言ってローンに直接渡しても受け取らないだろ」

「そうだけども・・・」

「それにローンは最低限だが食事は摂るとティンクから聞いた。ならその手間が掛かるはずだ。だからその釣りはその手間賃だと思ってくれ」

 そう言うと帝はタオルと板を〈倉庫♾️〉にしまった。


「・・・分かったよ。そう言う事なら受け取っとくよ!」

 そう言いティルンはカウンターに置かれた金貨を受け取った。


「全く変わった男だね!鍛治師の勝手に家族が迷惑するからって普通は気にしないよ」

「そういう性分でな」

「はぁ。良いかいあんた達?」

 ティルンはユーナ達女性陣に言う。


「こういう豪胆で何気なく他者を気に掛ける男は絶対に大成するよ!こんな良い男は居ないから首に縄を付けてでも絶対逃すんじゃ無いよ!いいね!?」

「「「「はい!」」」」

 ティルンに気圧されたのかユーナ達は返事した。いつの間にか戻って来ていた、アイナとティナまで素直に返事している。


(そう言う事は本人が居ないとこで言ってくれないか?)


 そのやり取りを目の前でやられる帝は居心地が悪くなった。


「それで話は変わるけどこの後はどうするんだい?武器の受け取りは3日後何だろ?」

「取り敢えずは商業ギルドに行くつもりだ」

「商業ギルド?何でまたそんな所に?」

「土地を買うのが1つ。それと刻印魔法や付与魔法に使う魔法陣が記載された本と鍛治についての本を買うのが理由だな」

「ミカド?行く理由が増えてるけど?」

「体験したら興味が湧いてな」

「土地って家を買うのかい?」

「いや。買うのは家じゃなくて土地だな」

「建てるのかい!?」

「そのつもりだ。内装が気に入るのを探すのが手間だからな。それに気に入らないからと、その都度改装するのが面倒くさい」

「はぁー。本当に豪胆だね」

「あ、後ローンが好きな物って有るか?」

「酒だね」

「酒だな」

「お酒ですね」

 帝の質問にティルン、ガンツ、ティンクの返事が即答でハモリながら帰って来た。


「そ、そうか。どんな酒なら喜ぶ?」

「旦那は酒ならどんな物でも飲むけど、やっぱり一番は度数が高い物だね」

「火酒とかか?」

「あー。確かにアレは度数が高いけどねぇ。値段がねぇ」

「そんなに高かったか?冒険者ギルドで飲んだが安かった気がするぞ?」

冒険者ギルド(あそこのは)安もんだけどそれでも気軽に飲める程安い値段じゃ無いよ!ってか飲んだ!?体は大丈夫なのかい!?」

「特に何とも無いな?」

「はぁー。あの酒はドワーフだって酔うのに・・・。あんたの体ん中どうなってんだい?」

「どうと言われても・・・。まぁ、それは置いといて。良い火酒は高いのか?」

「そうだね、高いよ。冒険者ギルドのは安もんだから一杯銀貨2、3枚だけど、本当に良い品は一瓶で金貨1枚するよ」

「そうなのか」

「商業ギルドに行くなら聞いてみな?高いのはもっとするから」

「なら商業ギルドで色々聞いてから決めるか」

「それで良いんじゃないかい」

「そうする。それじゃあそろそろ行くよ」

「そうかい。じゃあまた3日後に来ておくれ!」

「あぁ」

 そう言うと帝達はローンの店を後にした。


 店を出た帝達は来た道を戻り商業ギルドを目指す。

「商業ギルドは確か黄色い屋根の建物だったか?」

「そうだよ。良く覚えてたね〜」

「まぁ、目立つ色だしな」

 帝の言う通り商業ギルドは目立つ。建物の大きさもそうだが、他の建物は屋根が茶色や黒色を使っているにも関わらず、商業ギルドの屋根は黄色とかなり目立つ。まぁ、冒険者ギルドは赤色、探索ギルドは青色と3つの建物がかなり目立つ色をしているが・・・。

 商業ギルドは冒険者ギルドの側にあるので来た道を戻れば直ぐに分かる。


「アレだな」

 商業ギルドに着いた帝達は扉を開け、中に入る。


 商業ギルドの中は冒険者ギルドとは大差が無いが所々違っていた。

 先ず目に付くのは入って正面にある大きなカウンターだ。大きなカウンターは2つ並んでおり、窓口が3つずつ備えられている。向かって右側のカウンターには買取口と書いてあり、左側には販売所と書いてある。それぞれのカウンターの後ろには扉があり奥へと繋がっている。

 入って左側には待合所と書かれた札が出ているがどう見ても酒場だ。逆の右側にはカウンターが1つあり、窓口が2つある。そちらには何も書かれていない。


「あっちに行けば良いのか?」

 帝は何も書かれていないカウンターを指差し、ユーナ達に尋ねる。


「そうだと思いますけど・・・」

「そうじゃない?」

「商業ギルドには来た事ないからな」

 ユーナ達3人は商業ギルドに来た事ないらしく分からない様だ。

帝達がどうするか迷っていると歩み寄って来る者がいた。


「どうかなさいましたか?」

 帝が声のした方を向くと女性が立っていた。女性は黄色のスーツの様な服を着ており、左胸の所に商業ギルドのマークのバッジをしている。


(わたくし)は商業ギルドの職員のアリアと言います。いきなり申し訳ございません。お客様が何か困っているご様子でしたので、お声掛けさせて頂きました」

「わざわざすいません。買い物に来たのですが・・・」

「そうでしたか。お客様、どういった物をお買い求めでしょうか?」

「鍛治についての本と付与魔法、刻印魔法に使う魔法陣が記載された本、後は土地(・・)を探しているのですが・・・」

「分かりました。ご用意致しますのでこちらで少々お待ち下さい」

 そう言いアリアと名乗った商業ギルドの職員は待合所の空いている一角に帝達を案内した。


「こちらのメニューに載っている物でしたら無料になります。お待ち頂いている間に是非どうぞ」

「有難うございます」

 そう言うとアリアはメニューを帝達に渡し、その場を離れていった。


「どうする?何か頼むか?」

 帝が渡されたメニューを見ながら皆んなに尋ねる。メニューには紅茶、コーヒー、ミルク、果実水、エール等の飲み物が載っており、他にも軽食類が載っていた。


「私は紅茶で」

「私も紅茶でお願いします」

「エールが有るじゃないか!?」

「エールしかないでしょ!」

「じゃあ自分もエールでぇ〜」

「儂はミルクで良い」

「私もミルクで」

「「「「「ミルクお願いします」」」」」

 皆んなが頼む物を決めると丁度良いタイミングで、アリアとは別の職員が注文を聴きに来た。


「決まりましたか?」

「紅茶を2つとコーヒーを1つ、後は人数分(・・・)のミルクをお願いします」

「分かりました」

 そう言うと注文を聴いた職員は離れて行った。


「ミカド〜エール頼み忘れてるよー」

「そうだぞ!」

「そうだよぉ〜」

「絶対に酔わないと言うなら頼んでやる」

 そう言うとエールを飲みたがった3人は黙った。


 帝達が頼んだ飲み物を飲んでいるとアリアが戻って来た。

「お待たせしました、お客様。準備が出来ましたのでこちらにどうぞ」

 そう言いアリアは帝達を2階へと案内する。案内された部屋には長机と人数分の椅子が用意されていた。長机には数冊の本が重ねられて置かれており、綺麗に並んでいる。


「どうぞ」

 アリアはソファーへ帝達を促した。帝は勧められてソファーに座る。フェン、ヨルン、ペイルの3人は既に空いている椅子に座っていた。シオン以外のエルフ達も同様に椅子に座っており、帝の左右は空いたままだった。ユーナが意を決したかの様に帝の左側に座り、見ていたアイナとティナがシオンを帝の右側に座らせた。


「え、え!?」

「シオンはそこに座っててね〜」

「私たちはここで良い」

 アイナとティナはそう言うと帝の後ろに並んで立った。


「椅子をこっちに持って来て座れば良いだろ」

「良いから、早く用事を済まそう」

「2人が良いなら構わないが・・・。それじゃあお願いします」

 帝はアイナとティナが言うので、アリアに先を促した。


「それでは先ずこちらがお客様がお求めになられた、付与魔法と刻印魔法に使用する魔法陣が記載された本です。ご確認下さい」

 そう言いアリアは帝の前に1冊の本を出した。帝は本を開き、中身を確認する。中にはガンツの所で見た魔法陣が記載されていた。


「これです」

「それでは次は鍛治関連の本になります。こちらになります」

 次にアリアが差し出したのは重ねられていた本だ。重ねられていた本は10冊程だ。


「鍛治についてとのお伺いでしたので、初級の本を5冊、中級の本を3冊、上級の本を2冊と中でも分かりやすい物を、勝手ながら選ばせて頂きました。ご要望が有れば、まだご用意出来ますのでご確認下さい」

「わざわざありがとうございます」

 帝は差し出された本を確認していく。初級編と書かれた本には良い鉱石の選び方・鉱石の取り扱い方、魔獣素材の保管方法・取り扱い方・加工方法、武具に合わせた魔獣素材、鉱石の融解温度、鍛治に必要な道具・適した環境、と書かれている。

 中級編には武具に合わせた鉱石の配合率、特殊な鉱石・入手方法・融解温度、特殊な鍛治道具と書かれている。

 上級編には多機能型武具の注意、聖剣・魔剣の作り方・素材と書かれている。


「ご質問や問題はありませんでしたか?」

「問題ありません」

「良かったです。それではこちらが最後になります」

 そう言いアリアは自身の隣に置いていた、紙の束を帝に渡し、地図を机に置き広げた。


「こちらが現在売りに出されている土地の地図です。赤印の付いている物が土地のみで青印の付いている物が住居付きです。お渡しした紙に記載されているのは、青印の物で住居の間取りになります」

 帝ぎ広げられた地図を見ると赤丸と青丸が付いている。赤丸の横にはそれぞれ違う数字が書いてある。他にも黒く塗り潰された箇所がいくつかある。


「この塗り潰された箇所は?」

「そちらは問題がある場所になります」

「具体的には?」

 帝の質問にアリアは1つ1つ指差し、教えてくれる。


「こちらは娼館通りとなっており、規則で周りに他の店舗や住居が建てられません。こちらは商店通りなので商店兼住居しか建てられません。この辺一帯は領主様の許可無く売買する事が出来ません。

 ・・・以上になります」

 アリアが色々と説明しくれたが一箇所だけ触れない箇所があった。そこは街外れの土地でかなり広い、帝は気になったので説明を求めた。


「あの、こちらの説明をお願いします」

「そちらですか・・・。そちらは売買には問題無いのですが、街外れに有るので何かと不便で、それにこちらの土地は曰く付きでして・・・」

「曰く付き?」

「はい。住居付きの開けた土地なので購入者が後を絶たなかったのですが、建物を壊そうとすると決まって事故が起きるんです。

 初めは負傷者だけだったのですが、数年前に5人の死者が出てしまう事故があり、それ以来曰く付きとなり売れ残っている状態です」

「住居はどれぐらいの大きさですか?」

「住居は商業ギルドの建物よりも大きいです。それに加えて空いている土地自体もかなり広いです」

「どれくらいの広さですか?」

「商業ギルドを建てても余裕が有ります」

「そんなに・・・」

 帝は聞いた内容なら住居付きでも有りだと思っているが、どうするか悩んでいる。


「・・・購入するおつもりですか?」

「取り敢えず間取りを見せて貰いたいです」

「分かりました。ご用意します」

 そう言うとアリアは席を離れ、部屋を後にする。


「ミカドさんはこちらの物件を買うつもりですか?」

「間取り次第では有りだと思っている」

「ですが曰く付きですよ?」

「聞いた内容なら住居を壊さなければ問題無いんだろ?だから間取り次第なんだ」

「そうですが・・・」

「後は問題があるとすれば値段だな」

「この数字ですよね?」

 ユーナが指差し確認する。曰く付きの物件の横には12と書かれている。


「あぁ、この数字が金貨なのか大金貨なのか分からない。物件の金額である以上、銀貨や大銀貨と言う事は無いだろうからな」

「確かにそうだな」

「けど曰く付きなら銀貨や大銀貨でもあり得るんじゃない?」

「言われてもみれば、ティナさんの言う通りかも知れませんね」

「いや、曰く付きだとしてもその値段はないだろ?この物件でそれは安すぎる」

「そうかなー?」

「それこそミカドが言う通り住居を壊さなければ良いのなら、売りに出てないだろう」

「うーん。そうかなー?」

「まぁ、アリアさんが戻って来たら聞けば良いだろ」

 帝達は曰く付きの物件について話し合うが、結局のところ間取りと値段次第の為、今は分からない。したがってアリアが戻って来るのを待つのだ。




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