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6話 爆弾発言

     転生した異世界で自由気ままに生きていく

      ~チートじゃない?才能です!~


         2章 王都動乱

         6話 爆弾発言


「ご主人なら潜り抜けると思ったよ!」

 ペイルがそう言い、左手を上げた。するとペイルの足下の影が揺らぎ、帝目掛けて1本の剣が飛び出した。


「なっ!」

 帝は木剣で受けながら、体を右に捻る事で回避する。しかし着地した先にはペイルが放った大鎌が接近していた。


「くっ!」

 帝は咄嗟に鎌の刃の側面を右手で叩き、軌道を逸らした。軌道を逸らされた大鎌は帝の顔スレスレを通り抜けた。帝は直ぐ様飛び退き態勢を整える。


「今のは・・・」

「今のは魔力技(アーツ)魔刃(ブレイド)って技だよ」

「魔刃か・・・」

「魔刃は使用者の属性によって特性が変わるんだよ。私の〈冥界王〉は闇属性の系統だから闇と影の特性があるんだよ!」

 そう言いペイルは影から剣を作り出す。その数は4本。


「まぁ。〈闇魔法〉や〈影魔法〉を所持してればもっと作れるんだけど。所持して無いからこれが私の限界かな」

「・・・十分だと思うがな」

 そう言い帝は半身で立つと、右手で木剣を持ち構えた。ペイルは帝が構えた姿を見て笑う。


「ようやく構えてくれたね?此処からが本気って事かな?」

「・・・」

 ペイルの言葉を無視する帝。実際は無視している訳では無く、ペイルの動作と4本の剣に集中している為に聴こえていないのだが・・・。


「行くよ!」

 ペイルが魔力弾を放ちながら帝目掛けて駆け出す。帝は魔力弾を躱すも構えを崩さないでペイルを待ち構える。

 ペイルは接近すると大鎌を右から横薙ぎに振る。帝は後退し躱すが着地する直前、左右から2本の剣が飛んで来た。

 帝は右側の剣を木剣で叩き落とし、左側の剣は側面を叩く事で軌道を上に逸らす。帝はそのまま前進し、木剣による突きをペイルに放つが、ペイルは残った2本の剣で防御し、大鎌を左から横薙ぎに振る。帝が大鎌を木剣で受けると、大鎌の後ろから2本の剣が飛んで来ていた。最初に飛んで来た剣だ。帝は1本の剣を右足で蹴り上げ、もう1本を蹴り上げた勢いで宙に回避するが・・・。


「ご主人甘いよ!」

 ペイルは宙に回避した帝の先に防御に使った剣を飛ばしていた。帝は空中で2本の剣を目視すると、体を捻り左右の足で1本ずつ蹴る事で弾いた。その動きは正に曲芸であった。


「嘘!?くっ!これなら!」

 ペイルは宙に舞った帝が着地する前に追撃を掛ける。大鎌を上段から放ち、4本の剣を斜め上下の4方向から同時(・・・)に放った。帝は空中で逆さまの状態だ。つまり宙吊りの状態だ。その為ペイルは、「確実に勝った」と油断した。

 

 帝はその状況で有っても冷静だった。帝は木剣で右下から迫っている剣の側面を下から叩く事で、右上から迫っていた剣にぶつけ2本の剣の攻撃を逸らす。同時に左から迫っていた剣を下から人差し指と中指で薬指と小指で挟み、ペイルへ投げ付けた。


「!?」

 ペイルは大鎌を帝から右に振り下ろす事で投げ付けられた剣を弾く。その隙に帝は左手で着地し、反動をつけペイルの後方へと飛ぶ。しかもペイルの頭上を通る際には木剣で攻撃を加える。


「くっ!」

 ペイルはしゃがむ事で帝の攻撃を躱す。帝が放った攻撃は着地する際に、攻撃されない様にペイルの態勢を崩す為に放ったものなので躱されても気にしていなかった。

 しかし、攻撃されたペイルは着地した帝を捉えても直ぐには動く事が出来なかった。


(嘘でしょ!?あの攻撃を凌いだ挙げ句に反撃までするなんて!オマケに追撃まで!

 ・・・まさかここまで差が有るなんて。それでも!)


 ペイルは4本の剣を操りながら、大鎌を振るい、帝へと連撃を繰り出す。だが帝はその全てを捌き、逸らし、受ける事で凌ぐ。

 ・・・結果。残りの時間は帝が防戦一方では有ったが一撃も受ける事なく終わった。


「あり得な〜い!勝ったと思ったのに!」

「・・・いや。最後の方は危なかった」

 帝は汗もかかずに涼しい顔で言うが、内心はかなり動揺していた。


(マジでヤバかった!魔力技を許可しただけでこんなに変わるのか!?異世界半端ないな!?)


 帝の思いを他所にペイルは納得がいかない様子でまだ文句を言っていた。


「あり得ないでしょ!?あのタイミングで防いだ挙句に普通反撃までする!?オマケに追撃だよ?絶対オカシイよ!」

 ペイルの愚痴をフェンとヨルンが聞かされていた。


「まぁ。主人が可笑しいのは儂等に勝つ段階であり得ないのだがな?」

「そうだよぉペイル〜。主人が可笑しいのは今更だよぉ」

 フェンとヨルンはペイルの愚痴に対して、「何を今更」と言い返す。


「そうだけどさ〜。納得出来ないよ〜」

 それでもペイルは不満の様だ。


「そんな事よりも次は3人同時に相手をするが、その前に30分程休憩するぞ」

 帝が最後の模擬戦の前に休憩を口にする。


「休憩?別に今直ぐ始めても構わんが?」

「そうだよぉ。今直ぐ始めようよぉ」

「私も始めても構わないけど?」

 フェン達はそれぞれが直ぐに始めようと言う。


「休憩とは言ったが、作戦会議の為の時間だ。3人同時に戦うのは初めてだろう?連携が出来るのか?」

「「「た、確かに」」」

 帝に言われ、3人は渋い顔をした。


「だろう?その為の時間を兼ねて休憩だ」

「「「分かった(よぉ)」」」

「存分に作戦を練ると良い」

 そう言い帝は作戦が聞こえない様に3人から距離を取る為、ユーナ達の下に歩いて行く。


 帝はローンに新しい木剣を2本(・・)頼み、暫しの休憩を取る事にした。帝が休憩をしているとユーナ達が話し掛けて来る。


「ミカドさん!凄いですね!」

「ユーナの言う通りだ!」

「いや〜。ミカドの強さはデタラメだね?」

「ウルフタイガーロードを倒したと聞きましたが、納得の強さです!」

 ユーナ、アイナ、ティナ、シオンの順で帝を絶賛する。4人が帝を絶賛している間に他のエルフ達はフェン達に汗を拭く為のタオルや水を持って行く。帝も水を受け取り喉を潤した。


「ありがとう。4人もありがとう」

 帝は喉を潤すと水と称賛に対して礼を言う。


「・・・だが俺もまだまだだな。正直言えばペイルの魔力技(アーツ)には驚いた。まさか魔力技1つで防戦一方になるとは思わなかった」

 帝は正直な感想を告げる。帝の感想を聞いた4人は不安(・・)そうな顔をする。それに気付いた帝は尋ねる。


「どうした?不安そうな顔をして?」

 帝に言われた4人は心配事を口にする。


「ミカドさん。勝てそうですか?」

「ミカドが負けるとは思えんが・・・流石になぁ」

「魔力技を使ったペイルちゃん1人に防戦一方何だよ?3人同時に相手して勝てるの?」

「ミカドさんなら大丈夫だと思うのですが・・・心配で」

 4人共、帝が勝てるかが心配な様だ。


「フェンにも言ったが武器の相性を確認する為の模擬戦であって、勝敗は関係無いんだが?」

「それは分かってはいるのですが・・・」

「そうではなくてな・・・。えーと。その・・・だな」

「あのですね。何て言えばいいのか・・・」

 ユーナ、アイナ、シオンは言いづらそうにする。


「ん?何だ?」

 帝は3人の反応を見ても分からず首を傾げている。するとティナが声を上げた。


「あーもう!焦ったいな!つまり私達(・・)は帝が負けて、ペイルちゃんと婚約するのが嫌なの!だから勝って欲しいの!」

 ティナが3人の言いたい事を代弁した。


「ちょ!ティ、ティナ!?」

「何て事を言うんだお前は!?」

「ティ、ティナさん!?そんなハッキリと!」

 ティナが3人の気持ちを代弁すると、3人は顔を赤くし、ティナに詰め寄る。詰め寄られたティナは真顔で言い返す。


「・・・3人共、ハッキリさせようか?ミカドの事好きなんだよね?」

「そ、それは・・・そうですが」

「な、何も此処で言う事は・・・」

「無いと思うのですが・・・」

 帝への気持ちをティナに暴露された3人は、顔を赤くしたまま俯き、恥ずかしそうに言う。


「恥ずかしいのは分かるよ?けど言わないと気持ちは伝わらないよ?それにまだ数日しか経ってないけど、ミカドの人柄は分かるよね?」

 ティナの言う事に3人は俯いたまま頷く。


「ならこの先もミカドに好意を抱く人は必ず出て来るよ?それでも3人はミカドに気持ちを伝えずに居るつもり?」

「「「そ、それは・・・」」」

「3人はミカドから言って欲しいんでしょ?分かるよ?私だって正直な事を言えば、ミカドから言って欲しいよ?だけど・・・。ミカドは鈍感だから・・・。」

「「「た、確かに!」」」

 4人のやりとりを帝は黙って聞いている。


「・・・」

(何だろう?好意を寄せられているのは分かったが、それ以上に貶されている気がする)

 帝が黙っている間にも4人の会話は進んでいる。


「つまり!ミカド相手にはこっちが攻めて行かないと駄目なんだよ!だから!今!これを機に攻めるの!」

「「「な、成る程!」」」

「納得するのか!?」

 帝が4人のやり取りにツッコミを入れるが、4人に無視されてしまう。


「って事でミカド!」

「・・・何だ?」

「ミカドが勝ったら私達4人と結婚して!」

 そう言うティナの顔は真っ赤になっていた。


 帝はティナの目を見た。ティナは顔を赤くし、恥ずかしがりながらも目を逸らす事なく、真剣な表情で帝を見ている。

 次に帝はユーナ、アイナ、シオンの顔を見ると3人もティナと同じく顔を赤くしながらも真剣な表情で帝を見ている。


「「「「・・・」」」」

 4人は黙って帝の返事を待っている。

「・・・はぁ。4人の気持ちは分かった」

 帝が溜息を吐き、言葉を発すると4人はビクリッ!と身体を一瞬震わせる。


「4人の好意は嬉しい、だがペイルにも言ったが恋心かと言われると分からない。だから結婚は待ってくれ」

「・・・つまりペイルちゃんと一緒で婚約にしてくれって事?」

「あぁ。俺の我儘ですまないが頼む」

 そう言い帝は4人に頭を下げる。

「別に私は良いけど・・・」

 そう言いティナは他の3人を見る。

「わ、私もそれで構いません!」

「私もだ!」

「わ、私も!」

 3人も構わないと言った事で帝は頭を上げた。


 帝が頭を上げるといつの間にかローンが戻って来ており、木剣2本を手にして、ニヤニヤしながら立っていた。

「モテる男は大変だな」

 そう言いローンは木剣を帝に手渡すが、顔はニヤニヤしており、帝もユーナ達4人も今のやり取りを聞かれていた事に気付いた。


「あー。何処から聞いてた?」

「ん?そこの嬢ちゃんが「焦ったいな!」って言った辺りからだな。いやー若いって良いのぉ?人前でも周りを気にせず、愛の告白だなんて」

 そう言いローンはニヤニヤしたままユーナ達4人を見る。

 ユーナ達は聞かれていた事に恥ずかしくなり、顔を手で覆い隠すが耳まで真っ赤になっているのが見て分かる。


「まぁ。此処には儂とお前さん達しか()らんから、周りを気にしなくてもしょうがないがな」

「4人を弄るのはその辺にしてやってくれ。それよりも。

 ・・・ペイル!ちょっと来てくれ!」

 帝はペイルを呼んだ。呼ばれたペイルは帝の下に来る。後ろからフェンとヨルンも付いてきた。


「どうしたの?ご主人」

「最後の模擬戦だがルールを少し変更するぞ?」

「変更?私は構わないけど?」

「儂も別に構わんぞ」

「自分も構わないよぉ」

「じゃあ説明するぞ?変更するのは4つ。まず1つ目は時間を5分から30分に変更する。

 2つ目は俺からも攻撃をする。但し俺はさっきまでと同様に恩恵も魔法も使わないが、体技や魔力技(アーツ)は使うぞ。

 3つ目は勝利条件だ。3人の勝利条件は3人の内誰かが時間内に俺に一撃を入れる。もしくは3人の内誰かが時間内に俺から攻撃を受けない事。後は俺の使う武器、木剣を4本破壊する事。

 4つ目は俺に勝った時の報酬。・・・3人が勝ったらペイルと婚約する話だったが、俺が勝ったらに変更する」

 帝の説明を黙って聞いていたフェン達とユーナ達だったがティナが声を上げた。


「ちょっとミカド!?それじゃあ・・・」

 ティナが言い終わる前に帝が手を翳し止める。

「話は最後まで聞いてくれ。俺が勝ったらペイルとユーナ達4人と婚約をする。俺が負けた時は結婚する。・・・変更内容はこんな所だ。質問等は有るか?」

「じゃあ先ず1つ。報酬の変更はどういう事?」

「やっぱりそれからだよな」

 帝が変更点についての質問を尋ねると、予想通りにペイルが報酬の事を聞いてきた。


「それについては、ついさっきユーナ達4人からも告白されてな。それで「ペイル達に勝ったら俺と結婚」と言われてな」

「へー」

 帝の説明にペイルは素っ気無く返事をして、ユーナ達の方を見た。

 ユーナ達4人はペイルに何か言われると思い一瞬身体をビクつかせた。帝もペイルが何か言ったら止めるつもりだったが、結果は違った。


「別に良いんじゃない?」

「「「「「え?」」」」」

「え?って驚く事?別にご主人は私の物じゃ無いんだから、ご主人とそっちの4人が決めた事なら構わないよ?

 それにご主人は私のご主人なんだから、私に拒否権なんか無いでしょ?」

 帝もユーナ達4人も呆気に取られている中、ペイルは続ける。


「まぁ、別に奴隷って訳じゃ無いから拒否権は、有るだろうけど、そっちの4人・・・。ユーナちゃん達がご主人に好意を寄せているのは見てて分かってたし?こうでもしないとご主人に気持ちを伝えないと思ったから」

 とペイルは何気無く言う。


「それに発破かけといて何だけど、乗って来なかったらそれはそれで私がご主人を独占しただけだし?」

「あぁ。つまりペイルはユーナ達に言わせる為にわざとこのタイミングで言った訳だ」

「そうだよ」

 ペイルが帝に告白したタイミングの話をしていたらフェンが声を掛けて来た。


「主人よ。報酬について、儂からも良いか?」

「何だ?」

「その報酬だと儂とヨルンは何の得も無いのだが?」

「確かにそうか。なら・・・」

 帝がフェンに言われ、何か別の報酬を考え出そうとするとフェンが先に出して来た。


「なので報酬には儂とヨルンも加えてくれ!」

 フェンが報酬には自身とヨルンも加えてくれと申し出た。

「・・・俺は構わないが」

 帝は少し驚きながらも構わないと言うと、ユーナ達を見た。ユーナ達4人は顔を見合わせ頷き、代表としてユーナが返事をする。


「私達も問題ありません」

「それは良かった!」

「良かったぁ!」

 ユーナの返事にフェンとヨルンは安堵した。



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