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5話 模擬戦

     転生した異世界で自由気ままに生きていく

      ~チートじゃない?才能です!~


         2章 王都動乱

         5話 模擬戦


 帝がフェン達の武器と防具を選出する為、再び訓練場に赴いた。帝が買った武器を広げてフェン達に告げる。


「先ずはこの中から好きな物を選んでくれ。使いたい物が無いなら言ってくれ、追加で用意するから。ペイルも試したいのがあったら試すと良い」


「良いの?私は大鎌が有るけど?」


「慣れてるのを使うに越した事は無いが、合っているかは別問題だからな。試せる時に試しとくと良い」


 帝がそう言うとフェンは大剣を迷わず選び、片手に1本ずつ持つ、ヨルンは少し考えた後に短剣を2本選んだ、ペイルは適当に武器を選んでは軽く振り、感触を確かめているが中々気に入った物が無い様で悩んでいた。


「ペイル決まったか?」

「ご主人。やっぱり大鎌じゃ駄目かな?」

「気になる物が無いなら構わない」

「じゃあ、大鎌で」

 そう言いペイルは自身の大鎌を手にする。フェン、ヨルン、ペイルが武器を手にしたのを確認した帝は訓練の内容を口にする。


「確認の方法だがルールを守って戦ってもらう。先ず1人ずつ順番に俺と2回ずつ戦ってもらう。10分・・・いや5分で良いか。

 1回目は俺から攻撃はしない。お前達が好きに攻撃していい。ただ魔法の使用は禁止だが恩恵は使っても構わない。俺は魔法も恩恵も一切使用しない。

 2回目は俺も攻撃をするが1回目同様、俺は魔法も恩恵も使用しない。

 最後は3人同時に相手をする。他は1、2回目同様だ。このルールで戦うが質問あるか?」


 帝の説明を聞いたフェン達は順に質問をする。

「主人よ。勝敗は有るのか?」

「確認の為の模擬戦だから特には無いが・・・。有った方が良いなら決めるか?」

「その方が儂等は分かりやすくて助かる」

 フェンの質問は勝敗の有無だった。


「ん〜。恩恵は何を使っても良いのぉ?」

「あぁ。構わない。フェンとヨルンは問題ないが、ペイルだけはいくつか使用禁止の恩恵があるな」

「何で私だけ?」

「お前達の武器との相性を確認する為の模擬戦だからな。自身が戦わないと意味が無い。ここまで言えば何が使用禁止かは分かるな?」

「う〜。分かった」

「後は勝敗だが、そうだな・・・。3人は時間内に俺に攻撃を当てる事が勝利条件でどうだ?」

「そんな事で良いの?」

「あぁ。分かりやすくて簡単だろ?」

「それは良いが主人よ。・・・本当にその木で儂等を相手にするのか?折れてしまうぞ?」

「心配か?そうだな。じゃあ、コレが折れてもお前達の勝ちで良いぞ?まぁ、有り得ないがな」

「「「・・・」」」

 帝の言葉にフェン達は黙ってしまった。そしてフェン達は怒りを抑えながら口を開いた。


「・・・主人が儂等よりも強いのは分かっているが、いくら何でもそれは儂等を舐めすぎではないか?」

「自分もそう思うかなぁ。いくら自分とフェンが武器を使うのが初めてとは言ってもぉ、それは馬鹿にしてるんじゃないかなぁ?」

「確かにご主人は私達3人を相手に圧勝したけど・・・あの時のご主人は魔法も恩恵も使ってたんだよ?その両方を使わない?挙句に使用武器は木製?・・・馬鹿にしすぎじゃないかな?」

「そう思うなら早く掛かって来い。誰が最初の相手だ?」

 帝がフェン達を挑発する。


「儂が一番手だ!」

 そう言いフェンは一歩前に出ると、大剣を構えた。


「行くぞ!」

「いつでも来い」

「はぁぁぁぁ!」

 フェンは〈砲哮〉を発動して帝に牽制を行うと、即座に〈超加速〉を発動させて、帝に急接近をしながら大剣を振り上げた。

 帝が〈砲哮〉を木剣で防ぐと目の前には既にフェンが右手を振り上げ、斬りかかる体勢に入っていた。


 ドン!


 フェンが振り下ろした一撃は訓練場を揺らす程の衝撃だった。そしてその一撃を帝は半身になる事で容易に躱した。


「躱された!?」

 フェンは驚愕する。今のタイミングであれば帝が木剣で受ける、そう思って叩き折るつもりで大剣を振り下ろしたのだ。だが結果は容易く躱された。


「何を驚いてる?あの程度の攻撃が当たると思ったのか?」


 フェンは飛び退き、距離を取ると再び〈超加速〉を発動し接近する。今度は大剣を縦横無尽に振り回しながら。


「はぁぁぁぁ!」

 

 ・・・5分が経過した。結果としてはフェンが振り回す大剣は全てが帝には擦りもしなかった。それ以前に帝は初めから木剣を構えてすらいなかった。〈砲哮〉を防ぐのに一度使ったきり、その後は使う素振りを見せなかった。


 フェンは大の字になり息を整えている。

「はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ」


「さて次はどっちだ?」


「自分がやるよぉ」

 ヨルンは前に出ると身を低くし、短剣を裏手で構えた。


「へぇ」

「行くよぉ!」


 ヨルンは蛇である下半身をバネの様にして、一直線に突撃する。その速度は〈超加速〉を発動したフェン程ではないがかなり速い。但しそれが通用するのは普通(・・)の人間が相手の時だ。


「良い速度だが、直線的すぎる」

 帝はヨルンの突撃を一歩左にズレて回避するが・・・。


「避けるのは読んでたよぉ!」

 ヨルンはそう言うと、下半身を地面に付けてくねらせる事で、上半身だけを無理やりに方向転換させた。そして帝へ追撃する。


 カンッ!


「!?」

 ヨルンは驚いた。いやヨルンだけでは無い。帝とヨルンの模擬戦を観ていた者、全員がだ。フェンとペイルにはヨルンの動きが見えていたが、他の者には見えていなかった為にヨルンが突撃した後、帝が避ける為に移動した事しか分からなかった。

 故に何故ヨルンが帝の持つ木剣と鍔迫り合いになっているのか分からなかった。

 いや。分からなかったのは帝と鍔迫り合いをしている当の本人であるヨルンもだった。


(防がれた!何で!?読まれていた!?)

 ヨルンは右手の短剣で帝と鍔迫り合いをしている。無理な方向転換が有ったが突撃の速度を乗せた一撃だ。なのに帝は右手だけで防いだ。


「惜しいな」

 帝はそう言うと右手を振り、ヨルンを払い除けた。

 帝に払い除けられたヨルンは離れた位置で再び短剣を構えると、疑問を口にした。


「今の動きを読んでいたのぉ?」

「読んでいた訳じゃない。見て反応しただけだ」

「な!?」


 帝の返答に驚愕するヨルン。


「何を驚いてるんだ?フェンもヨルンも俺との力の差を忘れたのか?地力に差があるんだ見てからでも反応は出来るだろ」

「そんな筈は・・・」

「それより良いのか?時間が無くなるぞ?」

「!?」


 ヨルンは慌てて攻撃を繰り出すが焦っている為、攻撃が単調になってしまう。結果、最初の一撃以外は全て帝に躱された。


「あ、当たる気がしないよぉ・・・」

「さて後はペイルだな」


 帝は疲れ果てたヨルンを放置してペイルを見る。ペイルは既に戦闘準備をして待っていた。


「やる気満々だな」

「・・・2人との戦いを観て、真面目にやらないと当てられないと分かったからね。

 ・・・いや。違うかな。真面目にやっても当たる気がしない。ならご主人に私の力が何処まで通用するのか試したい!」


 そう言うとペイルは帝へと駆け出した。


 ペイルは帝に接近すると大鎌を横薙ぎに振る。帝が後ろ退がり避けるとペイルはその場で回転し、遠心力を加えた片手での下段攻撃を繰り出す。帝は再び後ろに退がり避けるがペイルが空いた片手での打撃を帝の顔目掛け放つ。


「おぉ!」


 帝は驚くが冷静に見極め、ペイルの打撃を首を傾ける事で回避する。


「今のは危なかったな!」

「まだまだぁ!」


 打撃を避けられたペイルは、続け様に帝の胴体目掛けて蹴りを放つが帝は空いている方の手で受け止める。

 蹴りを止められたペイルはすかさず鎌の柄で下段からの打撃を繰り出すが、帝は足の裏で受けると攻撃を利用し後方へ飛び退き、距離を取る。

 ペイルは帝を追い、距離を詰めると大鎌による、唐竹・袈裟切り・逆袈裟・右薙ぎ・左薙ぎ・左切り上げ・右切り上げ・逆風と柄による打撃も織り交ぜた連撃を繰り出す。


 カッ、カカッ、カッ、カカカカッ!


 帝は着地間際の体勢を崩した状態からペイルの連撃を全て受けきった。


「冗談でしょ!?」

 ペイルが驚愕しながらも攻撃を続けるが、帝は全て受けきり時間だけが経過してしまった。


「時間だな」

「もう!飛び退いた時は勝ったと思ったのに!」

 帝の言葉でペイルは攻撃を止めると不満を言いながらフェン達の下に戻って行く。


「それじゃ次は俺も攻撃をするからな?」

「「「・・・」」」


 帝の発言にフェン達は黙ったままだ。

「どうした?」

「いや。実際に戦って分かったが、勝てる気がしないのだが・・・」

「模擬戦だから勝敗に意味は無いが・・・。やる気が無いのは困るな。物で釣るのは好きじゃ無いが仕方ないか・・・。なら3人の内、誰でも良いから俺に勝てたなら、俺に出来る限りで何でも願いを聞くぞ?」

「「「!!!」」」


 帝の発言にフェン達は驚愕する。


「本当に何でもか!?」

「俺に出来る事が限定だがな。だからと言って「死ね」とかは無しな」

「なら!この店で欲しい武器を全部とかは有りか?」

「・・・模擬戦の意味が無くなるが、金が許す限りは良いだろう」

「じゃあじゃあ!欲しい服全部とかは?」

「・・・全部は難しいかも知れないが、金が許す限りなら構わないぞ」

「じゃあ。・・・私と結婚してとかは?」

「「「「「「!!!」」」」」」


 ペイルの質問に帝、フェン、ヨルン。更には模擬戦を観ているユーナ達まで驚愕してしまう。


「駄目?」

 ペイルが可愛らしく帝に聞いてくる。


「・・・駄目かと聞かれれば可能だが。何で敢えて結婚何だ?」

「え?だってご主人と結婚だよ?私達よりも強いし、カッコイイし、優しいし、女なら結婚したいって思うでしょ?」

 そう言いペイルは一瞬だけユーナ達を見る。


「だが結婚か・・・。好ましくは思っているが、恋心かと言われるとな・・・」

「じゃあ。いきなり結婚が難しいなら婚約ならどう?好きと思ってくれてから結婚すれば良いから!」

「まぁ。それなら良い・・・のか?」

「良し!決定!」

 ペイルの押しで何だかんだ認めてしまった帝。


「じゃあ。速く模擬戦の続き始めよう!?」

 ペイルが嬉々として模擬戦の続きを急かす。


「じゃあ。一周したから、フェンからだな」

 帝が言うとフェンが前に出る。大剣を構えたフェンの表情からは気迫が感じられる。


「やる気は出た様だな?」

「望みが叶う可能性があるのだ。やる気にもなる!」

 そう言うとフェンは走り出した。先程とは打って変わって大剣を縦横無尽に振るだけではなく、剣撃の合間に蹴りを放ち、帝の体勢を崩そうとする。


「はぁぁぁぁ!」

「素人なりに工夫をしている様だな。だが・・・」

 帝はフェンの上段からの攻撃を受け流し、フェンの首元で木剣を寸止めする。


「動きにムラが多いな」

「くっ!まだまだぁ!」

 帝は攻撃をするが全てを寸止めしていた。当たっていない為、フェンに肉体的ダメージは無いが、精神にはかなりの疲労、ダメージを負っていた。


「時間だな。さっきよりはマシになったな」

「・・・か、躱せる気がしない」

 帝が攻撃を始めてからフェンは防戦一方で、攻撃をする余裕が全く無かった。


「次はヨルンだな」

「頑張るよぉ〜!」

 ヨルンはいきなり先程同様に突進を行う。帝が敢えて同じ躱し方をすると、ヨルンは先程とは違い尾の部分を鞭の様にしならせ、攻撃してきた。

 帝が防御する為、木剣を構えるがヨルンは木剣に当たった瞬間、尾を帝の腕に巻き付け、片腕を拘束した。


「な!?」

「捕まえたよぉ〜」

 帝は振り払おうとして腕を振るがヨルンの力は強く振り解けない。


「終わらせるよぉ〜!」

 ヨルンは帝の片腕を拘束した状態から、双剣による連撃を繰り出す。帝は空いた右手でヨルンの手を捌き、攻撃の軌道を変える事で連撃を回避して行く。


「嘘でしょぉ〜!?」

 ヨルンは帝の行動に驚愕しながらも攻撃を続けるが、一撃も擦りすらしない。そして帝が左手を動かした時、ヨルンは振り払われない様にと一瞬、其方に気を取られた。

 その瞬間。帝はヨルンの左手首を掴み、ヨルンを引き寄せると、背後に回りヨルンの首に左手を回し、ヨルンの首を自身の尾で絞め、右手でヨルンの右手を掴み、肩の関節を決める


「!?」

 ヨルンは咄嗟に帝の左手に巻き付けた尾を離し、首を絞められない様にする。だが帝の狙いは左手を解放させる事だった為、ヨルンの右手を直ぐに放し、ヨルンから距離を取る。


「今のはヤバかった!まさか動きを制限して来るとはな!」

 言いながら帝は左手首を回した。そして踏み出した。


「!?」

 帝はヨルンに接近すると連続で剣撃を放つ。ヨルンは両手の双剣で受けるが、段々と速度が上がる帝の剣撃に付いて行けなくなる。帝はフェンの時と同様に当たる攻撃を全て寸止めした。結果ヨルンも防戦一方になり、時間切れとなった。


「あり得ないよぉ〜!」

「拘束された時は少し焦ったがな。さて次はペイルか」

 帝がペイルを確認すると先程よりも気迫が増していた。


「・・・やる気満々だな」

「それはそうだよ!ご主人に勝てば婚約出来るんだから!」

「あ、ああ。じゃあ始めるぞ?」

「その前に一つ良い?」

「何だ?」

「確認なんだけど。恩恵は有りで魔法は禁止だけど、体技と魔力技(アーツ)は使っても良いの?」

「体技と魔力技か?まぁ、良いだろ」

「良し!」

(体技は体術みたいな物だったか?魔力技は・・・何だったか?まぁ、大丈夫だろ)

「それじゃ始めるぞ?」


 帝が言うとペイルは帝の周りを回る様に駆け出した。

 帝が様子を伺っているとペイルは大鎌を持っていない左手に拳程の魔力を集め始めた。そして手の平を帝に向け、魔力弾を放った。


「な!?」

 帝は咄嗟に躱そうととするが、ペイルが周りを駆けながら魔力弾を連続で放っている為、意味が無いと考え、木剣で叩き落とす。


「くっ!重い!」

 ペイルの放った魔力弾はかなりの魔力が込められているのか、拳程のサイズにもかかわらず重さが尋常では無かった。


「・・・流石だね、ご主人。叩き落としたのには驚いたけど、木剣がいつまで耐えられるかな!?」

 帝は次々と魔力弾を叩き落とすが木剣がいつまで耐えられるか分からないので焦っていた。

(さっき使わなかった事を考えるとこれは魔法では無く、魔力技か。それにしても何て重さだ!このままだと木剣が折れるか・・・なら!)

 帝は魔力弾を叩き落とすのを止めると、魔力弾の側面を撫でる様にし、捌き。そして魔力弾を駆けているペイル目掛けて軌道を逸らした。


「嘘!?」

 ペイルは咄嗟に魔力弾を魔力弾で相殺する。その一瞬で帝はペイルに接近するが、ペイルは帝の接近に驚いていなかった。


「ご主人なら潜り抜けると思ったよ!」

 ペイルがそう言い、左手を上げた。するとペイルの足下の影が揺らぎ、帝目掛けて飛び出した。






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