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4話 帝、武器と防具を買う


     転生した異世界で自由気ままに生きていく

      ~チートじゃない?才能です!~


         2章 王都動乱

       4話 帝、武器と防具を買う


 妖精の贈物で服を調達した帝達は、武器と防具を買うために鉄魂(てっこん)へと向かって行た。道すがらティナが帝に質問をする。

「そう言えばミカドは物理と魔法、どっちが主体の剣を買うつもりなの?」

「物理と魔法?」

「あれ?知らないの?剣って言うよりは全部の武器に言える事なんだけど。武器には2種類あって、物理主体の武器と魔法主体の武器があるんだ」

「そうなのか?どう違うんだ?」

「物理主体は武器の切れ味や耐久力を重視し、魔法主体の武器は武器の魔法に対する耐久力を重視している」

「どう言う事だ?」

「つまり物理主体は物理に特化、魔法主体は魔法に特化と言う事だ」

「・・・すまん。言われても良く分からん」

「まぁ、店で詳しく聞けば良いさ」

 武器には物理主体と魔法主体の2種類あるらしく、アイナが説明してくれたが帝には理解が出来なかった様だ。


 妖精の贈物から30分程歩いた所に鉄魂はあった。外観は妖精の贈物に比べると大分入りやすい。そして看板にはゲームなどで見る、盾に剣と言ったマークの様な物は無かった。

 看板にはただ「鉄魂」と書いてあるだけだった。帝は看板を見て、少し気を落とす。

(ゲームとかで見る、あのマークが見れると思ったのに)


 帝が気を落としている事に気付かないユーナ達は、さっさと店の中に入ってしまう。置いて行かれた帝は、皆の後を追って店へと入って行く。


 店内に入った帝は驚いた。帝はこう言った店は武器や防具などが発する、鉄や革、特有の臭いが充満していると思い込んでいた。しかし店内はそう言った臭いはせず、清潔感が漂っていた。更には妖精の贈物のように武器、防具が各種類ごとに細かく分けられている。その上、壁には職業によってオススメの武器、防具が書かれた用紙が貼られていた。

「・・・凄いな。流石、ギルドのオススメなだけはある」

 店内を見渡しながら、言う帝は奥のカウンターに店員がいる事に気が付いた。


「いらっしゃいませ。ごゆっくりとご覧下さい」

 カウンターの店員はドワーフの女性だった。まぁ、ドワーフがやっている店なのだから、ドワーフの店員がいても不思議では無いのだが・・・。見た目が大分、幼かった。

「・・・大分若い店員だな?店長の娘さんかな?」

 店員を見た帝は思った事が口に出てしまっていた。

 帝の声が聞こえた店員は笑顔で答えた。

「もうやだねーお客さんたら。こんなオバさんに娘さんだなんて冗談言って!煽てたって安くはしないよ?」

「え?」

 帝は女性店員の言葉に驚き固まった。

「何だい?あんた、ドワーフは初めて見るのかい?人族から見たらドワーフの女は小柄で童顔だからね、初見で年齢が分からなくてもしょうがないね。こう見えてもあたしは、39歳の人妻だよ?子供だって2人いるよ」

「・・・マジか。ドワーフの女って凄いな」

「種族的に若く見られるのは、そこに居る小人族(ハーフリング)とエルフのお嬢ちゃんも同じだろ?」

 そう言い女性店員はティナとシオンを指差した。

「あたし達ドワーフ、ハーフリングは小柄だから若く見られて、エルフとダークエルフは他の種族より若い時期が長いんだよ。お陰様で成人している女の8割は既婚者だよ。これも種族の特権かね?」

 女性店員は満足げに笑う。

「「私達は本当に若い(よ!)(です!)」」

 女性店員の言葉に反論するティナとシオン。


「まぁ、歳の話は置いといて。あんた達、買い物に来たんだろ?好きに見なよ」

 女性店員が好きに見ろと言うので、帝達が店内を見渡そうとすると店の奥から声が聞こえて来た。

「ティルン。客が来てるのか?」

 声の主は男性のドワーフだった。ティルンと呼ばれた女性店員の旦那であろう。

「見ない顔だな?新人の冒険者か?」

「あぁ、そうだ」

「ほう。儂を見て敬語を使わないって事は、アーツの紹介だな」

「分かるのか?」

「アーツの奴に言われたんだろ?「冒険者は敬語を使うな。下に見られるぞ」って、アレはアイツの昔からの口癖でな?

 儂は元冒険者でアイツとは何度か組んだ事があるが、その度に言われたよ」

「へぇ」

「まぁ、昔話は後にして。お前さん達、武器と防具どっちを買いに来たんだ?」

「取り敢えずはこの4人の防具、こっちの3人は武器もだな」

 そう言い帝はフェン、ヨルン、ペイル、シオンを指差し、ペイル以外の3人は武器もと伝えた。


「あれ?ミカドは何も買わないの?」

 帝の返答にティナが質問した。

「俺は武器を一通り買うから、先に4人のを選んでくれ。その間に俺は見て回るから」

「そうなの?まぁ、良いけど」

 そう言いティナ達は女性店員、ティルンと共に武器と防具を見に行った。残ったのは帝とティルンの旦那だけだ。

「あんたは行かないのか?」

「儂は良いんだ。女の防具は女にしか分からねえから、女が相手の時はティルンに任せてんのさ。お前さんは・・・そう言えばまだ名前聞いて無かったな。儂はローンて言うんだ」

「俺はミカドだ」

「ミカドか。それでミカドは何で武器を一通り買うんだ?」

「単純な理由だ。俺には得意な武器が無くてな、だから一通り買って使い回して、合う武器を探す」

「成る程なぁ、自分に合う武器を探すか。新人の冒険者らしいっちゃらしいな。でも使えないって訳じゃ無いんだろ?」

「まぁな」

「なら使える武器を買えば良いんじゃねぇか?一通り買うなんて金の無駄だろ?」

 ローンは尤もなことを言うが、販売する側としては如何なんだろうか・・・。


「俺は得意な武器が無いんだ。得意な戦い方なら、圧倒的に素手だがな」

「素手、格闘か・・・。そうなると防具としても使えるから、ガントレットとグリーブ辺りがオススメか?」

「それも考えたが、ガントレットだと「殴りますよ」と言ってる様なもんだろ?だったら籠手をして武器を使えば相手が、勝手に油断してくれるだろ?」

「確かにな、知能の低い魔獣が相手ならガントレットでも問題は無いが、知能が高い魔獣相手には厳しくなるか」

「それもあるが・・・襲って来るのが、魔獣だけとは限らないからな」

「そこまで考えてるのか・・・。それで武器を一通りか」

「あぁ。それで聞きたいんだが、仲間に物理主体と魔法主体と言われたんだが、聞いてもいまいち意味が分からなくてな」

「あぁ、それか。物理主体は切れ味や耐久性を重視して、魔法主体は魔法に対する耐久性を重視する」

「それは聞いたがその意味が良く分からん」

「簡単に言うと魔法の使い方の違いだな」

「魔法の使い方?」

「物理主体は魔法を武器に付与したり、魔法の属性を纏わせたりしながら戦う、魔法主体は武器からも魔法を放ったりしながら戦うってところだな」

「両方ってのは無いのか?」

「有るには有るが、かなり高くつくぞ?単体で使うならそれでも良いが、片手持ちで使うなら別々で買った方が安く済む」

「なら。取り敢えずは物理と魔法を各武器に付き1つずつ頼む」

「売る側としては儲かるから構わないが・・・良いのか?結構な値段になるぞ?」

「駄目そうなら減らすさ。それに金はそれなりに有るしな。そう言えば、杖って何か意味あるのか?」

「杖か?杖は魔法を主体で使う奴に意味があるな」

「魔法に関係してるのか?」

「魔法を発動する際に媒介として使う事で、魔法の威力を強化したり、発動速度が上がったりするな。・・・因みに杖を一体化した武器もあるぞ?」

「それは・・・。さっき言ってた両方の物より高いのか?」

「物によるな。一体化していても物理、魔法、両方と3種類ある。まぁ、両方の物が一番高いがな」

「いや、今はまだ一体化の物は遠慮しておく」

「そうか。必要になったら宜しくな!それで杖はどうする?1本で良いのか?」

「あぁ、1本で頼む。後、弓は短弓の種類で頼む」

「分かった。ちょっと待ってろ、今揃えて来る」

 そう言いローンは武器を選別し始める。


 数分後。ローンは大きな袋を担いで戻って来た。袋からは様々な武器の持ち手がはみ出ていた。

「いやー流石にこの量は重いわ」

 ローンは担いでいた袋をカウンターに乗せる。カウンターは木で出来ていた為「ミシミシ」と軋むが、ローンは気にしていない。

「言われた物は揃えたが、材質を聞くのを忘れちまったから、取り敢えずは一番安い鉄製の物にしといたぞ。弓は木製だな」

「助かる」

「会計は・・・。金貨7枚だな」

「思ったより安いな」

 そう言い帝は金貨を7枚丁度出した。

「丁度だな。ミカドは防具はどうするんだ?」

「そうだなー。取り敢えずは籠手とグリーブだな」

「材質はどうする?武器と一緒で鉄製か?」

「今はそれで良い」

「分かった。ちょっと待ってろ。サイズはこの辺か?」

 そう言いローンは直ぐ横の棚から籠手とグリーブを持って来た。


「付けてみてくれ」

 帝はローンが持って来た、籠手とグリーブを着けた。

「どうだ?きつかったり緩かったら言ってくれ」

「丁度良いな」

 帝は拳を開いたり閉じたりして、籠手の確認をし、足首を回したりしてグリーブの確認をした。

「2つでいくらだ?」

「2つはサービスだ。これだけ武器を買ってくれたんだ。オマケは付けないとな」

「そうか?なら遠慮無く貰っとく。・・・そにしても皆は遅いな」

 帝は女性陣がまだ戻って来ない事が気になるらしい。

「まぁ、女ってのは買い物が長いからな。大目に見てやれ。それが男の甲斐性だろ?」

「甲斐性と言われてもなぁ。単なる仲間だしな?」

「それは良いとして。どうする?待ってる間に武器の確認でもしてるか?」

「確認って店の中で振り回すのか?」

「まさか!店の裏に専用の訓練場が有るんだ。そこで買った武器の確認が出来る様にしてある」

「なら暇潰しに確認でもしてるか」

「じゃあついて来い」

 そう言いローンは武器の入った袋を担いで歩き始めた。帝をローンの後をついて行く。


「ここが訓練場だ」

 ローンの言っていた訓練場は意外と広かった。50m四方くらいあり、冒険者ギルドの訓練場と同じ様な柱が何本か立っていた。違う所は壁際に並んだ的や等間隔で並べられた鎧がある事だ。

「ここは冒険者ギルドと同じで結界が張ってあるから、好きに使って大丈夫だ。で?どれから試す?」

 そう言いローンは袋から武器を出し、次々と並べて行く。

「・・・買っといて何だが結構な量だな?」

「そりゃあそうだろう?武器を一通りだからな」

 並べられた武器は剣、槍、斧、槌、杖、銃、弓、鎌、棒の9種類だ。更に剣は大剣、長剣、短剣の3種類が2本ずつ。槍は長槍、短槍、物見槍の3種類が2本ずつ。斧は大斧、手斧の2種類が2本ずつ。槌は大槌、小槌の2種類が2本ずつ。杖は1種類が1本。銃は両手銃と呼ばれるライフルと片手銃と呼ばれるハンドガンの2種類が2丁ずつ。弓は帝の要望で短弓が1つ。鎌は大鎌、小鎌の2種類が2本ずつ。棒は長棒、棍、短棒の3種類が2本ずつ・・・他にトンファーが1組。

「何でトンファーが?」

 帝がトンファーを指差しながらローンに尋ねる。

「トンファーは棒の種類に含まれる武器だぞ?しかも使い勝手が良い。改造されたトンファーだと銃を仕込んだガントンファー。剣を取り付けたブレードトンファーがある。因みに両方の性能が付いたガンブレードトンファーと言うのもあるぞ」

「近、中、遠どれにも対応出来る訳か」

「まぁ、使いこなせる奴はそうは居ないがな。あ、そういや拳の勇者が確かトンファーの使い手だったな」

「へぇ。見てみたいな」

「近いうちに見れるぞ?」

「え?」

「何だ知らんのか?1カ月後に中央王都で武術大会が開かれるんだ。その大会の優勝賞品は金貨50枚と王城の宝物庫にある宝を1つ貰う権利、それと勇者と試合をする権利だ」

「金貨と宝が優勝賞品なのは分かるが、勇者との試合が賞品になるのか?」

「勇者と戦う機会何か無いからな、それにお前さんみたいに勇者を見たいと言う奴も居るしな」

「観客も楽しめる訳か」

「楽しみはそれだけじゃ無いぞ?大会では賭けが行われているんだ」

「賭けが?それは大丈夫なのか?」

「大丈夫だぞ。賭け事は国から、と言うか王様が許可しているからな。娯楽が少ないからな、民が楽しめるようにとの事らしいぞ」

「参加者は自分の腕を試し、観客は賭け事で楽しむ訳か」

「ミカドも出る出ないは別にしても、行けば勇者を見る事は出来るぞ」


 武器の説明から勇者の話が出て来て、大分脱線してしまった。

「行くのは決定として、参加は考えておく。それよりも今は自分に合った武器を見つける事だな」

 そう言い帝は目の前に並べられた武器を手に取り、次々と試して行く。


 ローンは目の前の光景が信じられなかった。

 店に来た新人の冒険者は帝と名乗り「武器を一通り買う」と言っておきながら武器については詳しく無く、すぶの素人だった。そのくせ「武器は一通り使える」と言うのだ。全く意味が分からなかったが、売上になるから良いかと思い要望通りに武器を一通り売った。そしてどの程度使えるのかと気になったので武器を売った後に、連れが戻るまでの間と思い訓練場で試させたのだが・・・。


「・・・嘘だろ。一通り使えるってレベルじゃ無いぞ」

 ローンは帝が多種多様な武器を取り替えながら試して行く様を見ていた。その動きは洗練されたもので一流のものだった。いや、それを上回るものだった。・・・30分後。


「こんなものか」

 帝は買った武器の全てを試し終えていた。武器を取り替えては適当に振り、使い勝手を確認していた。帝の確認、素振りは(はた)から見たら全力で振っていた様なのだが帝は汗一つかいていなかった。

 そんな帝を見てローンが口を開く。


「ミカド。お前さん、新人って言ってなかったか?」

「新人だぞ?冒険者は」

「その言い方だと武器は慣れてると言う事か?」

「言ったろ?「武器は一通り使える」って。冒険者としては新人だが戦いには慣れてる」

「はっ!規格外だなお前さんは!」

「良く言われるな」

「はははっ!面白い奴だ!っとそろそろ戻らないとな。俺がカミさんに怒られちまう」

「流石にもう終わってるよな?」

そう言い帝はローンの後ろをついて行き店内に戻る。


 店内に戻った帝とローンは目の前の光景に固まってしまった。カウンターには色んな防具が重なっており、積みきれない分が床に置いてある。その上、皆がそれぞれ武器を選んでいる。つまり女性陣の買い物はまだ続いていたのだ・・・。


 帝の存在に気づいたフェン達が声をかける。

主人(あるじ)よ!この店は素晴らしいぞ!格好良い武器が沢山ある!」

「それだけじゃないよぉ!防具って可愛くないのを想像してたけどぉ。このお店に有るのは可愛いし、性能も良いし、最高だよぉ!」

「武器も防具も良いのがいっぱいあって困っちゃうよー」

 フェン達はそう言いながら、持っている武器や防具を見せてくる。


「はぁ。失敗したな。武器は俺が一通り買ったから、先ずはそれで使い勝手を調べてみるか。それを見てから防具を選ぼうな?」

 帝はフェン達が持っている武器と防具を見て、溜息を吐いてから告げた。


「悪いが訓練場を借りるぞ?」

「構わんさ。その3人のを選ぶんだろ?」

「あぁ。フェンとヨルンは武器と防具。ペイルは大鎌を持ってるから防具をだな。後は・・・木剣ってあるか?」

「木剣か?有るぞ。ほれ」

 そう言うとローンは木剣を帝に投げ渡す。木剣を受け取った帝は握りを確かめる。


「結構しっかりしてるな」

「そりゃなぁ。本来は木製の武器で試し振りをして、自分に合うか確認するからな。だから一応はな」

「成る程。じゃあ訓練場行くか」

 そう言い帝は再び訓練場に向かった。


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