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3話 帝、服を買う

     転生した異世界で自由気ままに生きていく

      ~チートじゃない?才能です!~


         2章 王都動乱

        3話 帝、服を買う


 アーツが戻って来たので帝達は、魔獣の素材の買取カウンターにやって来た。酔った3人は酒場の所に置いて来た。フェンとペイルが付いているので大丈夫だろう。酔った3人から帝がどうやって抜け出したかと言うと、3人に酒を追加で呑ませて酔い潰したのだ。


「お前も大変だな」

「本当にな。あんなに酒癖が悪いとは思わなかった」

「まぁ、飲み食いした分はキッチリ払って貰うがな」

「これから先が不安になるな・・・」

「何言ってんだ?アレだけの魔獣だぞ?払った所で微々たる金額だろうさ!」

「それなら良いんだがな・・・」

「カレン!査定は済んだか?」

「・・・勿論終わりましたけど」

「浮かない表情だがどうした?」

「・・・金額が凄すぎて引いてるんですよ」

「そんなにか、どれくらいだ?」

「・・・大金貨(だいきんか)26枚です」

「・・・悪い聴き取れなかった。もう一回良いか?」

「ですから!大金貨26枚です!」

「はぁぁぁ!?そんなにか!?」

「魔獣の状態、品質がかなり良かったので各部位かなりの額で商業ギルドに売れました!79体分の解体費、1体銀貨5枚ですので金貨3枚、大銀貨9枚、銀貨5枚になりますが、大量に持ち込んで頂いたので金貨3枚にサービスしときます。

 そしてこちらがミカドさんの売上、解体費を差し引いた分の金額、大金貨25枚、金貨97枚です!」

「「「「「おぉぉぉぉぉ!」」」」」

 周りにいた冒険者達が驚いている。


「凄いですよ!ミカドさん!大金持ちですよ!」

「・・・そうだな」

「どうしたんですか?嬉しくないんですか?」

「いや。何でもない」

「そうですか?」

「それよりもアーツ。この辺でオススメの武器屋と防具屋、それに服屋を教えてくれ。後、物件・・・いや土地を買える所も教えてくれ」

「武器、防具、服は分かるが、物件じゃ無く土地か?」

「ああ、土地だ」

「物件じゃ駄目なのか?と言うか家を買う・・・いや、建てるのか?何の為に?」

「俺やフェン達だけなら宿屋でも良いが、シオン達も居るとなると宿屋を貸切で何日も借りる事になるだろ?それだと金が直ぐに無くなる」

「確かにそうだが、家を建てるのは数日で出来る事じゃ無いぞ?だったら家を買った方が良くないか?」

「大きい家を買うのと広い土地を買うのなら、土地だけの方が安いだろ?それに家を建てるのは魔法でどうにかなるだろ」

「確かに〈土魔法〉が在ればどうにかなるが・・・。それでも速くて1週間くらいは掛かるだろ?」

「その辺はどうにかするさ」

「まぁ、ミカドが良いなら構わないが・・・。そうだな武器と防具ならドワーフがやってる店。鉄魂(てっこん)がオススメだ。服は・・・」

「服なら絶対に妖精の贈物です!」

「・・・だそうだ」

「そうなのか?」

「妖精の贈物は服の他にも、装飾品なども取り扱っていて女性に人気なんです!」

「あ、ああ。分かっ・・・」

「それに!小物や生活用品も可愛いものが多く、揃っているので絶対にオススメです!」

「分かった!分かったから!服はその店に行くから!」

「す、すいません!つい興奮してしまい!」

「後は土地だが・・・。すまんな。土地や家屋は商業ギルドの管轄でな。商業ギルドのマスター宛てに紹介状を書くから、それを持って商業ギルドに行ってくれ」

「分かった。なら3人を起こして、待ってるさ」

 そう言い帝達はアイナ、ティナ、ヨルンを回収しに酒場の方に向かって行った。


 3人は起きてはいたが、まだ酔っている様だ。

「ミカド〜。何処に行ってたの〜」

「ユーナとシオン殿を連れて〜何してた〜」

「主人〜お酒が無いよぅ〜」

「・・・呂律は回ってる様だから、ある程度は抜けたみたいだな。取り敢えず3人は水を飲め!」

 そう言い帝は近くに居た店員に水を頼む。


「すみません。水を3つ、いや。空樽を貰えますか?」

「空樽ですか?ありますが・・・」

「じゃあ、1つ貰えますか?」

「少々お待ち下さい」

 そう言い店員は空樽を取りに行った。


「ミカドさん。空樽をどうするんですか?」

「手取り早く3人の酔いを覚そうとな」

「空樽でですか?どうやって?」

「ちょっと思いついてな。試してみようと」

「「???」」

 帝がユーナとシオンと喋っていると店員が空樽を1つ持って来た。


「こちらで宜しいですか?」

「十分です。ありがとうございます。それじゃ、試してみますか」

 そう言うと帝は〈水魔法〉の水の創造(ウォーター)を発動し、空樽の中に水を貯め始めた。

 樽にはあっという間に水が貯まり、帝は水が溢れる手前で魔法を解除した。

「こんなもん在れば足りるだろ。さてと」

 そう言い帝は右手を樽に向けて翳した。ユーナ、シオンそれにフェンとペイルも帝が何をしようとしているのか分からず、ただ黙って見ている。すると樽の中の水が持ち上がり、空中で形を成して、球体へと変わる。

「「「「はっ?」」」」

「よっ」

 帝が右手を動かすと水球はゆっくりと動き始める。帝は水球をテーブルに突っ伏したままのヨルンの頭上で止める。そして水球でヨルンの頭をスッポリと覆った。

「「「「なっ!」」」」


 ガボッ!ゴボゴボッ!


 水球に頭を覆われたヨルンの口からは、大量の空気が出て泡を作り出す。

「ミ、ミカドさん!?何してるんですか!?」

「ヨルンさんが死んじゃいますよ!?」

「ん?この程度じゃ死なないだろ?それに・・・」

「プハッ!何?何なのぉ!?」

 ヨルンが勢い良く頭を上げて、起き上がった。


「ほら、起き上がった。ヨルン酔いは覚めたか?」

「・・・酔いは覚めたけどぉ。主人(あるじ)ぃ、もっと丁寧に起こしてぇ。死んじゃう所だったよぉ?」

「迷惑をかけた酔っ払いが偉そうな口を聞くな!叩き起こさなかっただけマシだろ!」

「確かにぃ、叩き起こされるよりは良かったけどぉ、苦しかったぁ。もう少し優しく起こして欲しかったぁ」

「じゃあ、今度からは息苦しく無い様に電気を流して起こすな?」

「すいませんでした!」

 帝の言葉に即座に謝るヨルン。

「さて後の2人はこれで良いか・・・」

 そう言い帝は〈回復魔法〉の上位、〈聖魔法〉の状態回復(ステイトヒール)を発動する。

 アイナとティナの体を淡い光が包むと、酒に酔っていた2人の顔色がみるみる良くなって行く。


「んあ?」

「あれ?」

「酔いは覚めたか?」

「覚めたけど・・・何だろう?」

「何か変な感じだな?」

「飲み過ぎたんだろう?」

「いや・・・何と言うか・・・」

「物足りない感じ?」

「あれだけ飲んでおいてか?」

「多分ですが・・・ミカドさんが状態回復を掛けたから、体が不完全燃焼みたいになったんじゃないですか?」

「そうなのか?」

「・・・多分?」

「ふ〜ん。まぁ、良いか。それよりもアーツが商業ギルドのマスター宛てに紹介状を書き終えたら、フェンとヨルンの服を買いに行くぞ!」

「服は分かるが、商業ギルドに紹介状?何故だ?」

「ミカドさんは家を買うそうですよ?」

「え!?ミカド家買うの!?」

「家じゃなくて土地な」

「大差無いと思うけど・・・。どうして家じゃなくて土地なの?」

「家だと後々不満が出た時に改築するのが面倒だからな、だったら土地を買って自分の好きに家を建てた方が不満が少なくて済むからな」

「成る程?」

「変わってるのは自覚しているが、どうせ建てるのは魔法でどうにかなるし、自分で建てるんだからな」

「ミカドが建てるの!?」

「そのつもりだが?駄目なのか?」

「駄目じゃ無いけど・・・。時間かかるよ?」

「それこそ魔法でどうにかなるだろ?」

「そうだけど・・・。ミカドが良いならいいや」

 帝達が喋っているとアーツがやって来た。


「待たせたな。これが紹介状だ」

 帝はアーツから書状を受け取り〈倉庫∞〉にしまう。

「態々すまないな」

「気にするな。家を建てるって事はずっとじゃないにしろ、暫くは王都(ここ)に拠点を置くんだろ?」

「そうなるな」

「なら期待の新人なんだ!これくらいはお安い御用だ!それと家が出来たら教えてくれよ?新築祝いをするから!」

「それって・・・。アーツが堂々と昼間から酒を飲むための理由付けだよな?」

「それもあるがミカドの建てる家がどんな物なのかが一番気になるな!」

「まぁ、出来た時は声を掛ける様にするよ」

「おう。待ってるからな!」

 そう言うと帝達はフェンとヨルンの服を買いに、冒険者ギルドを出て行く。因みに飲食代は金貨1枚で充分に足りた。


「ミカドさん。お二人の服は何処で買うのか決まっているんですが?」

「ギルドでオススメの店を一応聴いておいたからな。妖精の贈物って店だな」

「「「妖精の贈物!?」」」

 帝が店の名前を言ったら、ユーナ、アイナ、ティナの3人が反応した。

「何だ?そんなに有名なのか?」

「女性にはかなり人気ですよ!服も小物も家具も装飾品も可愛い物が沢山あって!外装も内装も綺麗で可愛いすし!ただ・・・」

「ただ?」

「可愛い物が多過ぎて男が入りづらいから、男には人気が余り無いんだ。一応、男物の服や装飾品も一通りはあるんだがな・・・」

「後はそれなりの値段だからね〜」

「元々は王族や貴族の妻や娘を相手に販売していたらしいからな。店主が代替わりしていき、一般の住民にも買える値段の物を販売し始めたらしいぞ」

「俺としてはどうでも良いがな。因みに武器と防具は鉄魂って店だ」

「鉄魂か〜確かにあそこの店は品揃えも品質も良いね〜」

「私も新しい剣でも買うかなぁ」

 帝達が話しながら歩いている内に妖精の贈物に到着した。

 外装を見た帝は足を止めてしまった。

(確かにこの外観だと男は入りづらいな・・・)

 店の看板には妖精の贈物と書いてあり、店名の左右には可愛らしい妖精の絵が書いてあった。

「ミカド何してるの?ほら行くよ?」

「あぁ、今行く」

 帝はティナに促され、店に入って行く。


「いらっしゃいませ。本日はどの様な御用でしょうか」

 帝達が店内に入ると女性の店員が対応する。

 帝はフェンとヨルンを前に出して・・・。

「この2人の服を買いに・・・」

「ご主人。私は?」

「・・・この3人の服を買いに来たんですが」

 ペイルが「自分は?」と言って来たので帝は3人を前に出した。

「取り敢えずはこっちの2人を先に頼みます。王都に来る途中に魔獣に服をやられまして」

「成る程。分かりました。それでは此方へどうぞ」

 そう言うと女性店員は帝達を先導し歩き始める。帝はついて行きながら店内を見渡す。店内は帝が思ってたよりも広かった。

 店内には服や家具、小物に装飾品といった物が人間用、亜人用、獣人用と分かれており、尚且つ亜人や獣人でも細かい種族分けがされている。

 帝が品物の数に圧倒され、キョロキョロしていると女性店員が話し掛けて来た。


「お客様は当店へのご来店は初めての様ですね」

「分かるんですか?」

「えぇ。初めての方は皆様、同じ様に驚きの反応をしますから」

「確かにそうですね。これだけの品揃えは初めて見たので驚いています。各種族用にそれぞれ分けてあり、しかも種族によって更に細かく分けてある。これなら探すのも大して時間はかかりませんね」

「お褒めに頂き光栄です」

 帝が女性店員と話していると女性店員は歩みを止めた。

「此方が獣人の方への販売コーナーになっております。どちらの方から見られますか?」

「じゃあ、こちらからお願いします」

 そう言い帝はフェンを前に出す。

「お客様はどういった服が宜しいですか?」

「そうだな。服には詳しくないが動き易さ重視で頼む」

「それでしたら此方は如何でしょうか?」

 女性店員が出したのはタンクトップとホットパンツだ。

「おお!動き易そうで良いではないか!主人(あるじ)よ儂はこれにするぞ!」

 フェンはかなり気に入った様だ。かなり興奮している。その勢いで羽織っている布を取ろうとした。

「待てフェン!」

「如何したのだ主人よ?儂は直ぐにでもあの服を着たいのだが?」

「・・・お前とヨルンは下着も着けてないだろ。だからそれも選んで着てから服を着るんだ」

「・・・お客様。お二人はその下は裸何ですか?」

 女性店員がフェンとヨルンの羽織っている布を見て帝に尋ねて来た。

「はい・・・。2人の服は予備が無く、取り敢えず羽織れるサイズの布で一時凌ぎを」

「そうでしたか。分かりました。そちらのお客様の服を選びましたら、直ぐに下着を見繕いましょう」

「・・・お願いします」

「それでそちらの方はどの様な服が宜しいですか?」

「ん〜そうだねぇ。自分はフェン程動き回らないからねぇ、そうだなぁ。あ!アレが良いな!」

 そう言いヨルンは飾られていた服を指差した。飾られていた服は、ブラウスとフレアスカートのセットだった。

 女性店員はブラウスとフレアスカートを取り、ヨルンに手渡した。

「それで良いのか?」

「これで良いよぉ!」

 ヨルンは自分で選んだ服が気に入った様だ。

「決まったなら2人は早く下着を見て来い」

「それでは此方へどうぞ」


 女性店員が再び先導し始めた。流石に女性の下着コーナーにまでついて行く勇気は、帝には無かったので男性服のコーナーに向かおうとするが、ティナが帝を止める。

「ミカド?何処に行くの?」

「いや。流石に女性下着のコーナーには行けないだろ」

「何で?別に良いじゃん?悪い事してる訳じゃないんだし」

「「ティナ!?」」

 ティナの発言にユーナとアイナは驚愕する。2人の反応を見た帝は自分の考えは正常だと判断した。

「・・・ティナが良くても、他のお客に迷惑だろ?」

「そうなの?」

 ティナがユーナとアイナを見て確認する。

「普通はそうですね」

「ティナは羞恥心が無いのか?私だって恥ずかしいぞ?」

「別にミカドになら見られても良いし?って言うか今着けてる下着見る?」

 そう言いティナはニヤつきながらミカドの方を見て、服をめくろうとする。

「!!!」

「ティナ!悪ふざけが過ぎますよ!」

「そうだぞ!場所と時を考えろ!」

「ティナさん?同じ女性としてそれはどうかと思います」

「もう〜冗談だよ。冗談。そんなに怒んないでよ」

 そう言いティナは女性店員を促し歩き始めた。女性陣は女性店員の後について行き店の奥に進んで行く。

「・・・勘弁してくれ」


 残された帝は男性用品のコーナーに向かい、自分の予備の服を選んでいた。

「取り敢えずは寝巻き用にラフなのを3着くらいと、替えの服を何着か、後は下着だな」

 帝は適当に選んだ服を持ちながら、店内を物色していた。

「しかし凄い品揃えだな・・・。と言うか服のデザインが元いた世界とあまり変わらない気がするな・・・」

 帝は店内を物色していて気が付いた。服や装飾品、アクセサリーのデザインが元いた世界と大差が無いのだ。服はプリントはされておらず、細かい仕様等は無いが服に詳しく無い帝からすれば、地球産と言われれば納得してしまうくらいだった。装飾品に関しても同じだった。

「・・・見た感じだと地球のと同じだよな?質感なんかは違うが、似た感じだし・・・」

 帝は服を触りながら独り言を言っていた。

「・・・まぁ、どうでも良いか。似てるなら助かるし。ただなぁ、値段が分からん。これは高いのか?安いのか?」

 帝が持っている物には銀貨や大銀貨の値札が付いており、高い物では金貨の値札が付いていた。

「・・・大金貨があるし大丈夫か?いや、武器も防具も買うし、この辺で止めとくか」

 帝は選んだ服を持って会計らしきカウンターに向かった。カウンターには先程とは別の女性店員が待機していた。

「いらっしゃいませ、お客様。お会計で宜しいですか?」

「あ、ちょっと待って下さい。連れがまだなので」

「分かりました。では品物はお預かりしておきます」

「お願いします」


 帝がカウンターで待つ事、数分。女性陣が戻って来た。あり得ない量の服を持って・・・。

「・・・それ全部買うのか?」

 帝の質問に女性陣は各々が答えた。

「当たり前だろう?」

「買うから持って来たんだよ?」

「私達も丁度予備が欲しかったので!」

「私達は買うつもりは無かったのですが・・・。3人がお金は出すし、予備が無いと不便だからと言われまして・・・」

「主人よ見てくれ!これなんかは動き易いし、肌触りも良いぞ!」

「主人ぃ!これも見てぇ!ゆったりしてて可愛いよぉ!」

「ご主人!こっちもこっちも!ほら、ヒラヒラがいっぱい付いてて可愛いいでしょ!」

「・・・ユーナ達やシオン達は兎も角、お前達もか。まぁ、無いよりは良いか」

 女性陣の服の量を見た帝は、この世界でも女性は服が好きと言う事を認識した。

「量は多いが〈倉庫∞〉に仕舞えば持ち運びは楽だしな、問題は無いだろ。すいません。こっちも一緒にお願いします」

 そう言い帝はカウンターの女性に声を掛けた。

「かしこまりました」

 カウンターの店員は女性陣が持っている服をカウンターへと移し、一緒に会計を始めた。

「ミカド、ありがとう〜!」

「ミカド?良いのか?」

「ミカドさん、悪いですよ」

「気にするな、シオン達にフェン達のも払うんだ。態々分けて払う必要も無いだろ」

「お客様、お会計が済みました」

 どうやらカウンターの女性店員がユーナ達の持って来た服の計算が終わった様だ。

「はい、いくらですか?」

「お客様が先にお持ちになったのと合わせまして、金貨21枚と大銀貨8枚になります」

 女性店員に値段を言われた帝は、大金貨(・・・)を1枚カウンターに出した。

「「「「「「!?」」」」」」

 女性店員とユーナ達が驚くが、女性店員は直ぐに表情を戻し、お釣りを出そうとすると帝が止めた。

「お釣りは良いですよ」

「お客様、そう言うわけには行きません」

 帝がお釣りを拒否したら、入店した際に対応した女性店員が口を挟む。

「チップにしては貰い過ぎです」

「いえ。俺はこの店が気に入ったのでこれからも買いに来ようと思ってます」

「・・・」

「なので俺や皆の顔を覚えて貰えればと・・・」

「分かりました。皆様がご来店なされた時の対応は、店主である私、カトレアが担当させて頂きます」

 帝達の対応をしていた女性店員はどうやら、この店の店主だったようだ。

「カトレアさんですね。分かりました。俺は帝と言います」

「ミカド様ですね。今後とも妖精の贈物を宜しくお願いします」

 そう言い2人は握手を交わした。


「それではミカド様。こちらのお品物はどちらに配達なされば宜しいですか?」

 カトレアが言った配達とは、帝達のように大量に商品を購入したお客に品物を持たせて帰す訳にいかない為、家や現在泊まっている宿に持って行くシステムのようだ。

「大丈夫ですよ。俺は〈倉庫〉の恩恵を所持してますので」

 そう言い帝は〈倉庫∞〉を発動し、カウンターに乗せられていた品物を全てしまった。

「!?」

 見ていたカトレアは驚くが、直ぐに表情を戻した。

「ミカド様は〈倉庫〉を所持しているのですね。商人としては羨ましい限りです」

「確かに商人からしたら、羨ましい恩恵ですね。荷物を持ち歩かなくて良い訳ですから」

「その通りです。・・・ミカド様は冒険者ですよね?」

「そうですが?」

「であればその内、配送の護衛任務等の依頼をお願いするかも知れません」

「構いませんよ」

「それではまたのご来店お待ちしております」

 帝達は妖精の贈物を出て、次の店へと向かうのだった。

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