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殺し屋が執事になってみました。  作者: ヘモグロビン
3/6

殺し屋が執事になってみました

「それでは早速ここでの生活の仕方を教えてもらえ。指導係はステラだ」




淡々と進んだ契約に私の頭は理解できていないが、違う部屋へと移動させられた。





私はイスに座り、ステラさん達は私の前に立っているそんな状況。





「いいか、アオメ。今から言ったことを一語一句逃さずに覚えろ。



俺の名はステラ・ローレンス。

歳は今年で19、此処には5年勤めている」



「私はメルロ・マロニールです。

歳はステラと同じく19、此処には4年勤めています」



「僕はクレナ・ヘンリル!

歳は17で、此処には2年になるよ!!」




自己紹介にそれぞれの個性が出まくっているが、なんとか覚える。




「俺たちに与えられた仕事は大きく分けて2つ。1つは犯罪の計画と実行」



「もう1つはマスターをお守りする仕事。要するに執事です」




だからみんな燕尾服を着ているのか…




「これが執事の仕事のマニュアル。

それを覚えて、今日から俺のそばで仕事を見てろ。


もう1つの方は実践あるのみだ。

まぁ、マスターに認められたんだから

腕は間違いないんだろう」




「僕はアオメ凄い強いと思うよっ!」




クレナさんはそう言って私に抱きついてきて、頬ずりをしてくる。



なんだか子犬みたいでものすごく可愛い。




「てことで、最後に自己紹介しろ」



「えっとアオメです。歳は16です。

よろしくお願いします」




私がそう言うとすぐに拍手が聞こえた。


とりあえず私は歓迎されているようで良かった。



「それでは早速、私たちの仕事を見てて頂きます。こちらに着替えてください」




メルロさんに渡されたのは紙袋だった。

中を確認すると燕尾服などが入っていた。



着替えなければならないので、みんなは部屋を一度出ると思っていたがその場でこちらを見ている。



ともなると私が移動するのか、と思いステラさんに聞いてみた。




「は?何言ってんだよ、男なんだから裸見られたところでどうってことないだろ?」




えっと、今この人男って…



確かに今の格好はウィッグを被っているし、胸をサラシで巻いているので女には見えないだろう。



しかしここで女だとバラしてもなんだか面倒なことになりそうだ。




着替えるしかないか…下着になるだけだからバレないだろう。




私は覚悟を決めて、先にズボンを脱ぐ。


長い丈のパーカーがパンツを隠してくれているから大丈夫だ。



それに上はシャツを着てるから多分バレないはず。





…にしてもなんでこの人たちは着替え中の人をガン見して沈黙してるんだよっ



なんか恥ずかしいんだけど///




そう思いながらも慌てて着替える。




「お前、白いし細すぎないか?よく生きてこられたな」



「でも凄い傷跡の数だね~、歴戦の証だぁ!」




ステラさんの発言で女だと言うことがバレたかと思ったが大丈夫そうだ。




燕尾服を無事に着終わって白い手袋や懐中時計、そして拳銃も身につけた。




「お似合いですよ、アオメさん」




「それでは参りましょう」と言って私達は部屋を出た。




執事の仕事を見学していると、仕事しながらクレナさんが話しかけてきた。




「その眼帯はどうしてつけてるの?」



「左目は失明してるのでなんとなくつけていますよ。どちらにせよ、見えませんからね」



「いつ失明しちゃったの?」



「えっと…9歳ですよ」




と答えながら3人の動きを目で必死に追う。



今はダイニングの片付けと掃除をしているようだが、みんな凄い早さで仕事をしている。



その後は昼食時に使うのであろう食器を並べていた。




それが終わると他の部屋を掃除したりとくるくる動き回っていた。





「アオメ、もうじき昼食の時間だ!

俺についてこい。メルロとクレナは昼食の準備をしててくれ」




私は慌ててステラさんに着いて行くと、マスターの部屋へ向かっているようだった。




「マスター、昼食の準備が整いました」




彼がそう言うとすぐにマスターは私たちの元へ来た。




「似合っているぞ、アオメ」




にこやかに微笑んだマスターはそう言って、ステラさんの後を歩く。





私達がダイニングに着くと、すでにテーブルの上にはマスター用の昼食などが揃っていた。




ステラさんは椅子を引いてマスターを座らせ、完璧なエスコートをしている。



昼食が終わればまた片付けをしてから、洗濯などを行っていた。





そうして彼らの1日の仕事はマスターが眠りについたのを確認して終わった。




それから彼らは私の自室に案内してくれた。




「404号室だ、俺が403号だからうるさくすんなよ?」




私は返事をして、早速中に入る。




そこはメルロさんやクレナさんの部屋と同じくシンプルなお部屋だった。



それでもテーブルやイス、冷蔵庫、ベッドにクローゼットなど家具は一通り揃っていた。




「お風呂とトイレもある……」




冷蔵庫を開けると飲み水も入っていたし、タオルや歯ブラシまで揃っている。




私はホテルのようなその部屋に驚いといると、備え付けの電話が鳴った。





「はい、アオメです」



「ステラだ。10分後、飲み物とバスタオル、着替えを持って俺の部屋に集合だ」




そう伝えると一方的に電話を切ってきた。



私は慌てて冷蔵庫から飲み物、洗面台からタオルを持ってきた。




着替えってどこだ…?



私はなんとなくクローゼットを開けると

そこには燕尾服から普通の服、コートなどが揃っていた。




男性用の下着まであるし…




なんとなく分かっていたが目の前の現実にちょっと笑ってしまう。




男として生きるしかなさそうだ…




私はそう決心して部屋にあった紙袋の中に全て詰めて、403号室へ向かった。





「アオメです、失礼します」



扉をノックすると、すぐに中に入れてくれた。



私と同じような部屋だったが、そのテーブルにはなにやら料理が乗っている。



それにメルロさんとクレナさんも来ていた。




「お前の歓迎会だ…新人は久しぶりだからな」




ステラさんはそう言って私にグラスを持たせてきた。



みんなで乾杯をして、私は一口飲む。









「……なんで毒入りなんですか!?!?」




歓迎会と聞いて嬉しくなった気持ちは一瞬で冷める私と裏腹にみんなは笑っている。




「ちなみにそれ青酸カリですよ」



そう言ってメルロさんはは美味しそうに普通の飲み物を飲んでいる。



結局、私は自分で持ってきた飲み物を新しいグラスに注いで飲むことにした。






「にしても、まさかあのアオメが来るとはなぁ~」



「ビックリですよね!噂はよく聞いていたので有名人にあった気分です」



「これでまた被害者が増えたね~」




3人は私を見ながら、そう言っている。




「被害者ってどういうことなんですか?」



「ステラ以外の僕たちは、みんなアオメと同じようにしてここに雇われたんだよ!」



「依頼に失敗して、変な事されて断りきれず今に至ります」




だから被害者なのか…と私は納得する。




「メルロさんに毒盛られたり、クレナさんに殺されかけたのは全て私を試していたんですか?」




「正解です、なかなかワクワクするでしょ?」





いや、普通に怖いだけですが!?


と私は心の中で突っ込んでおいた。




結局、依頼も全部仕込まれてて私は掌で踊ってただけってのがなんとも悔しい。




「皆さんも殺し屋だったんですか?」



「だったっていうか今もこの屋敷にいる人はみんな殺し屋だな。アサシンって統一して呼んでるけど」




この屋敷にいるみんな…?


てことは料理人も、庭師も、マスターもという事になる。




それから裏の仕事についてみんなが教えてくれて、なんとなくは理解した。





「アオメはどこで殺しの技術養ったの?」




「スペルタールで5歳の時から暗殺訓練を受けましたよ」




「スペルタール!? 確か、暗殺訓練の質は世界最高峰で卒業出来るのは毎期たっ1人だけなんでしょ?」




私はその質問に「はい」と答える。




スペルタールでは訓練中に実弾を使用するので、気を抜けば死んでしまう。



しかも卒業するための最後のテストでは生き残りをかけた【デスゲーム】をして、勝者だけが卒業出来るのだ。




他の人は地下街など貧相地域出身で生きるために殺しの技術が備わったらしい。




「それで、毒の耐性がお強いんですね」



「はい、痛みの耐性も少々ありますよ。


あとは人の目を引くものはできた方が良いと言われてたので、その辺はだいたい出来ます」




そんな感じでお話が盛り上がっている最中に、お風呂が沸いた事を知らせる音が鳴った。





「さて、みんなで入るとするか~」




そう言ってステラさんが立ち上がり、服を脱ごうとしている。




あ…これヤバイやつかも…。




「私は遠慮します、自室のお風呂沸かせてきたので……」




と思ったらメルロさんは平然と断って、一旦戻っていた。




「あ、着替え忘れちゃった!…取ってからまた来るの大変なんで向こうで入ってきますね!」




私は持ってきた荷物を掴んで逃げるように部屋を後にした。





「皆さんも殺し屋だったんですか?」



「だったっていうか今もこの屋敷にいる人はみんな殺し屋だな。アサシンって統一して呼んでるけど」




この屋敷にいるみんな…?


てことは料理人も、庭師も、マスターもという事になる。




それから裏の仕事についてみんなが教えてくれて、なんとなくは理解した。





「アオメはどこで殺しの技術養ったの?」




「スペルタールで5歳の時から暗殺訓練を受けましたよ」




「スペルタール!? 確か、暗殺訓練の質は世界最高峰で卒業出来るのは毎期たっ1人だけなんでしょ?」




私はその質問に「はい」と答える。




スペルタールでは訓練中に実弾を使用するので、気を抜けば死んでしまう。



しかも卒業するための最後のテストでは生き残りをかけた【デスゲーム】をして、勝者だけが卒業出来るのだ。




他の人は地下街など貧相地域出身で生きるために殺しの技術が備わったらしい。




「それで、毒の耐性がお強いんですね」



「はい、痛みの耐性も少々ありますよ。


あとは人の目を引くものはできた方が良いと言われてたので、その辺はだいたい出来ます」




そんな感じでお話が盛り上がっている最中に、お風呂が沸いた事を知らせる音が鳴った。





「さて、みんなで入るとするか~」




そう言ってステラさんが立ち上がり、服を脱ごうとしている。




あ…これヤバイやつかも…。




「私は遠慮します、自室のお風呂沸かせてきたので……」




と思ったらメルロさんは平然と断って、一旦戻っていた。




「あ、着替え忘れちゃった!…取ってからまた来るの大変なんで向こうで入ってきますね!」




私は持ってきた荷物を掴んで逃げるように部屋を後にした。





「皆さんも殺し屋だったんですか?」



「だったっていうか今もこの屋敷にいる人はみんな殺し屋だな。アサシンって統一して呼んでるけど」




この屋敷にいるみんな…?


てことは料理人も、庭師も、マスターもという事になる。




それから裏の仕事についてみんなが教えてくれて、なんとなくは理解した。





「アオメはどこで殺しの技術養ったの?」




「スペルタールで5歳の時から暗殺訓練を受けましたよ」




「スペルタール!? 確か、暗殺訓練の質は世界最高峰で卒業出来るのは毎期たっ1人だけなんでしょ?」




私はその質問に「はい」と答える。




スペルタールでは訓練中に実弾を使用するので、気を抜けば死んでしまう。



しかも卒業するための最後のテストでは生き残りをかけた【デスゲーム】をして、勝者だけが卒業出来るのだ。




他の人は地下街など貧相地域出身で生きるために殺しの技術が備わったらしい。




「それで、毒の耐性がお強いんですね」



「はい、痛みの耐性も少々ありますよ。


あとは人の目を引くものはできた方が良いと言われてたので、その辺はだいたい出来ます」




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