冬のカラスに来た春
どこかにある小さな町。冬はもう訪れていて、白いお土産を降らせています。しかし、運ぶのは白い物だけではありません。この時期になるといつも現れる存在が町を飛び回り、騒ぎを起こすのです。
その存在は予告状をまず、町の大きな屋敷に送り、当日にはいかなる重厚な警備も、危険な罠もかいくぐるようにすりぬけ、そして影以外何も姿を見せずに飛び立ってしまいます。そして、飛び立った後には色々なものが盗まれていました。入るのは目立つ大きな家や、建物だけ。普通の家、ましてや、貧乏な人の家に入ることはけっしてありません。大富豪や、貴族からは恐れられていますが、それ以外の住民からはむしろ鬱憤を晴らしてくれる存在と人気が出ていました。その影しか見せず宝を盗んでいくさま、自由に鳥のように飛ぶ姿、そして冬になると現れるということから、その怪盗は冬鴉と呼ばれていました。冬鴉が出ると町は大騒ぎ。新聞では一面を飾り、町の警備も厳かになります。そして今年も彼はやってきていました。
ところがです。いつもなら宝をもらった後は華麗に立ち去るはずの彼なのですが、いつまでたっても周囲をうろうろと飛び回るだけで移動する気配が見えません。かなりの速度を飛び回っているので警察も追うことはできないのですが、その姿に困惑した人々がかなり大勢いました。やがて、彼方に消えていましたが、まるでその様子は何かをあきらめたようという印象を抱いた人が多かったのです。
もしかしたら証拠となるようなものでもおとしたのか?あるいは宝が見つからなかったのか?と色々騒ぎが起き、警察も全力で探しましたが、その異変以外はやはりいつものように、宝物は盗まれており、証拠も手がかりも何一つとしてその場所には残されていなかったのです。
事件が起きてからしばらくの後、雪道を歩く少年がいました。寒いのにもかかわらず薄着で、白い息を何度もはきながら歩いています。しかし、まっすぐではなく、ところどころ何かを探すように足元を見ながら探しています。数日前には、警察や賞金稼ぎが怪盗の手掛かりを探すために、うろうろしてましたがなにもないとわかると、違う場所に移ってしまいました。もっとも少年は彼らのように手がかりを探していたわけではありません。少年にはそんな余裕はありませんでした。
少年は見た目通り、貧しい生活をしていたのです
「おなか……減ったなあ」
少年の名前はハルク。食べ物を探していました。普通に考えたらこんなところにおちているわけがないのですが、しかし、誰かの食べ残し、腐りかけた何か、あるいは落としてもう食べられなくなったもの。そんなものならたまに見つかるのです。ほかの人ならゾッとするようなものですがね。そして今日はクリスマス。もしかしたらという期待もはかなく裏切られてしまいました。
ふと見ると、カラスが一匹、寒さで倒れてしまっていました、もう助けることもできません。いつか自分をあんなように誰にも触れられず忘れられてしまうのか。そんなことを思っていました。せめて何か残せるものはないのかな……と。
ゆきはこんこんとつもっていきます。ハルクは今日は諦めることにしました。まだ食べ残しのパンが家にはあったはずです。それをあの子と二人で食べればいい、そう思いながら。
ハルクの家もまた彼の衣服と同じように粗末なつくりをしていました。窓と壁の間から冷たい隙間風が吹き抜け、強い風が吹くとガタガタと揺れます。暖を取るようなものは薄いカーペットぐらいしかありません。
彼は戸棚から一つだけのパンを取り出します。少し埃っぽいですが払えば食べられます。そして、それを少し力を込めて二つに分け、隅にある穴の前に置きました。
貧しい少年のたった一人の友達の家です。しかし、その友達は今日は姿を見せません。いつもなら、パンをおこうとしたらすぐに姿を見せるのに。
「ズズ?」
その友達の名前を呼ぶと、オズオズと赤い小さな頭が穴から出ました。そしてゆっくりと姿を見せ、チューと鳴きました。まるで何かを申し訳なさそうにするかのように。そして一度、巣に戻ると、今度は背中に乗せていました。
彼の背中に乗せていた物、それは雪のように白い鼠でした。灰色の彼と比べるとさらにひときわ目立って見えます。その鼠はだいぶ弱り切っていてわずかな呼吸音や鼓動に気が付かなければ死んでいるようでした。
「その子は……?」
ハルクの声にズズは頭を下げました。いえ、鼠なので四つん這いになっているだけなのですが、それでも彼にはそう見えました。その様子にハルクは少しだけ笑うとズズのもとによせたパンを手に取り二つに分けました。灰色の獣の黒い目が不安そうに少年を見つめます。
「大丈夫」
その目を見ながらそうハルクは言うと自分の分のパンもまた二つに分け、そして四つに分けたパンのうち一つを自分に、もう一つをズズに、そして残りを白い鼠に与えました。
白い鼠は最初警戒していましたが、空腹には耐えられなかったのでしょう。わずかに軽く一口、警戒しながらもまた一口かじりついていましたが、やがてこらえられなくなったかのように、パクパクとかじりつき始めました。少年はその様子を見て、半分程度にちいさくなってしまったパンを食べながらも満足そうに微笑んでいました。
それからというもの、少年が何か食べ物を見つけてくると必ず一人と二匹で分けました。分けられそうにないほど小さなものでも必ず少年は均等に分け、空腹をこらえながらみんなで穏やかに暮らしていました。
ある日のことです。いつものように少しだけカビが生えたパンを持ちかえり、三等分しようと思ったところ、白い鼠が自分の白い体の前に何かを置いているのを見つけました。
不思議に思いながら、もしかして盗んだのだろうか、だとすれば、警察に届けなければ、と思いました。どんなに苦しいときでも、ハルクは盗みだけは絶対にしない。そう決めていたのです。
そんなハルクの様子を見て、何かを察したのかまるで人のように首を振りました。そんなことはしていないとでもいうかのように。言葉にならない仕草ですが、少年には伝わり、ごめんねと言いながら時計を手に取りました。
不思議な時計です。長針は金色、短針は銀色、そして秒針は透明の色でできていました。文字盤が黒くなかったら見えていなかったでしょう。さらにいえばこの時計は動いていません。確かに古い時計なのですが、壊れているように思えません。
「君のものなの?」
ハルクの言葉に白い鼠はうなずきました。やはり人の言葉がまるでわかるかのようです。するとチューチューという声がしました。ズズが食事を待ちきれないというように鳴いているようです。
彼はひとまず時計を身に着けて、ありがとうと白い鼠に言って、食事にするためにパンを切りはじめました。
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ある日のことです。ハルクは走っていました。さきほどまでパンを持っていましたがそれも落としてしまいました。拾っている余裕はありません。口から白い息が出ます。足はもうこれ以上走れないと悲鳴をあげます。それでも走ることを止めることはできません。後ろから追いかけてくる人から逃げるために。
人さらいです。誘拐や泥棒と言った類ではありません。そういうものからはハルクは狙われることはありませんでしたから。しかし、この日は運が悪く、どうやら目を付けられてしまったかのようで追いかけられてしまいました。
そしてもう逃げられそうにありません。誰か助けてくれればいいのですが、どうしたらいいのかわかりません。ここまでかな……そうあきらめて時計に手を触れたときです。
動いていなかったら長針が一つの道を指したのです。
「こっちへ言ったほうが良いってこと?」
それは裏道につながっていてどちらかというと逃げるのには困難そうなのですが、もう後ろから迫ってきていて迷う時間はありませんでした。ハルクはその道へ動き始めます。
後ろから追ってくる人さらいはしめたと思いました。ハルクの言った場所は袋小路になっていてほとんど人がおらず、ここで何かあっても騒ぎになることはない。そのまま攫ってしまおうと。
ところが、です。
たまたま、その道には不良少年達を叱る兵隊たちがいたのです。兵隊たちはボロボロの服を着た少年が、彼らの元へ駆け込んできて、追いかけてくる人間を見て察しました。
当然人さらいは逮捕、ハルクは助かりました。しかし、途中で食べるものをおとしてしまい、彼らへのお土産になりそうなものは見つかりません。なんとなくさきほどと同じように、時計に手をあわせました。
すると今度は短針が動き始め、一つの家を指したのです。少年が不思議に思いながら家に近づくと、扉が開き、一人のエプロンをかけた女性が現れました。花に水でもあげようとしたのかジョウロを持っていましたが、ハルクの姿を見て気の毒そうな顔をしました。
「あらまあ、可哀そうに。ちょっと待ってて」
一度扉を開けたまま、奥に入っていったかと思うと、少し焦げてしまったパンとクッキーを出してくれました。なんでも失敗したらしいのですがひとりで食べるのには多すぎるからもらってほしいとのことです。少年は最初は遠慮していましたがもらってくれないと捨てるしかないと言う言葉にありがたくもらうことにしました。
その日の少年の家の食事は少し豪華でした。食べながら再び時計に手を合わせてみましたが、何も起こりません。不思議に思いながらも二匹のネズミと一緒に食事を続けていました。
それからというもの、少年が困ったときは時計が助けてくれました。深く遠くに行きすぎて道に迷ったとき、食べ物が見つからない時、少しだけお金が欲しいとき、時計が行くべき場所を示してくれるのです。
長針は探したい人を探したいとき。
短針は物を探したいときです。
しかし、秒針だけはわかりません。
そして、二匹のネズミもまた変わらず大切にしていました。どんなにおいしそうなものが見つかっても二匹と分けて、お金がたとえ見つかってもそれは共通に使う物のために使いました。ただ、白い鼠に名前を付けることだけはできませんでした。どういう名前で呼んでも首を横に振るのです。ハルクは不思議に思いながらも嫌がっているのなら、仕方ないと思っていました。
そんなある日のことです。
夜に寝静まるころ、ベッドの代わりにしているソファからハルクは目覚めました。チューチューという鳴き声が聞こえるのです。ズズかあるいはあの白い鼠か、疑問に思い、目が覚めました。そして二匹の住処に向かいました。鳴き声は白い鼠のようです。なにかにおびえているようで震えていました。
「怖い夢でも見たの?じゃあおいで」
少年は優しく鼠を手に乗せると、自分の寝床のソファまで連れて行きそばに寝かせました。そして、ハンカチを鼠にかけてやり、自分はカーペットで寝ていました。
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そして次の日の朝です。目覚めて朝食の準備をしていた時、白い鼠が興奮していたように鳴いていました。
「どうしたの?」
そう声をかけると少年の手に付けている時計までかけあがり、手で触れます。するとなんと長針が動き、また一つの方角を指したではありませんか。
その様子にしばらく疑問に思ってましたが突然全てがはっとわかりました。
この鼠はもともと誰かのものでだから人の言葉がある程度わかる。だけど最初は記憶がなかったからその人の元へ行けなかった。だけど、昨日、ソファで一緒に眠ったことで何かの記憶がよみがえり、そして時計の仕組みも思い出して、こうして自分に問いかけているのだと。まるで小説の最後で全てが分かったかのように。
そうとわかれば、この子を元の住処に返してあげなければならない。どうせ今日やることなんてほとんどない。だったら、時計の恩返しとともに、それぐらいのことはしなければならないだろう。もしかしたら時計の持ち主で時計も手放さなければいけないかもしれないが、もともと自分のものでもないし、あるべきところにかえるだけだと。
彼は決心しました。
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ハルクはズズと白い鼠をカバンに入れ、旅立ちました。ただひたすら時計が指す方向へ。道は町を外れて、深い森の中へ入り、また時々少しだけ危険な渓谷を通ったり、川を下ったり、朝から出かけて夕方になるまで歩いたのですが色々な道を通りました。
そしてやがて海沿いの崖の上に立つ一軒の家にたどり着きました。少年の家とおなじようにボロボロでどうみてもただのあばら家にしか見えません。仮に人がこの道を通ってこの家を見たとしても中に入ることはないでしょう。
「あれ!?」
何気なく時計を見ようとすると、背中に乗っていた鼠が時計に触れました。針がすべて、この家を指しています。驚くべきことに今まで動いていなかった秒針でさえも。
「この家には何があるのだろう?」
意を決して扉を開けてみます。そして中に入った途端はっと息をのみました。中は透明色の輝きで溢れていたのです。魚、鳥、クマ、馬、羊、サルを象ったもの。車、塔、家、ロケットを表したようなもの。それらのガラス細工が部屋中に飾られていました。
「これは一体……?」
「これはわしの作ったものじゃよ」
声をしたほうを見ると白い髪に白いひげをもつ老人が座っていました。そしてその老人を見た途端、白い鼠が少年の方から降り、向かっていったのです。老人もまたうれしそうに鼠を手に取りました。
「ほっほっほ。そうか。君がルルを拾って助けてくれたのか。ありがとう」
「ルル……?いえ、それよりこの鼠とそれからこの時計も、あなたのものなのですか?」
周りのキラキラと光るガラス細工に目を奪われながらも、少年は老人に声をかけました。その言葉に静かにうなずきます。
「うむ。確かにその時計はわが家に伝わるもの。ずっとわしの仕事を助けてくれた相棒でもある」
「仕事って……?このガラス細工ですか?」
あたりを見渡します。これを買うとしたら一体いくらになるのでしょうか?
「いいや、違う仕事じゃよ。冬鴉、なんてあだ名が何時の間についていたがな」
「冬鴉……!?まさかおじさんが!?」
少年もたまに拾った新聞で見たことがありました。正体不明の凄腕の怪盗。その存在は陰でしか認識できず、一切の手掛かりも残さない。しかし、その
正体が目の前の老人だったとは……。
「そう、かしこまらなくてよろしい。恩人にはなにもせん。いや、そもそもルルとはぐれてしまうなどという、失敗をしてしまったせいでもう盗賊などやる気がなくなってしまったのじゃ。探したくても時計もないしな」
「で、では?今までどうして怪盗を?」
ふむ、と老人は唸りながら語りはじめました。
「復讐じゃよ。わしは長いことガラスで何かを作りそれを売っていた。ところがとある金持ちが最初にわしの商品を見て、宝石でできた何かと間違えて、買ったのじゃがそれがあとでガラスと分かるとひどく怒り始めてな。この店は詐欺だ、インチキだと騒ぎ立て、わしはあの町にいられなくなった。奴らにとってはガラスなど宝石の偽物、代用品にすぎないということだ。わしはそんなやつらがどうしても許せなかった。そこで奴らが大事にしている物を奪い、それで作った金で鷲のガラス細工に変えたというわけだ。その時計を使ってな」
そこまで言うと老人は戸棚からクッキーを取り出し、ルルと呼んだ白い鼠に与え、少年にも与えました。
「いつしか、わしは冬鴉とよばれるようになった。雪が降りやすい日は仕事がしやすいと言うだけなのじゃがな。最初はどこか英雄として扱われることに浮かれていたのかもしれぬ。しかし、次第にむなしさを覚え始めたのじゃ。こんなことをしてもワシのガラス細工が認められるわけでもない。英雄ともてはやされたところでワシがやっていることは立派な罪じゃ。そして今回でルルと時計を失ったことでもうやめようと思った」
「そんなことが……」
これだけ美しいものを作れるのに。これだけ、すごいものを作れるのに。それでも泥棒となってしまった老人に嫌悪感よりも深い悲しみをハルクは抱きました。
それにルルも、せっかく名前を知れて、恩人に会うことができたのに……。
「しかし、君が来てくれたおかげで、ルルと再び会うことができた。時計もそれを悪用するほどのものに渡らずにすんだ。それだけでもう思い残すことはない。その礼じゃが……。わしを兵隊に引き渡せば、一生貧しさに困ることがないほどの金が得られるだろう。もちろん時計は君にあげよう。もうそれを他に渡す人もいないから。じゃあ一緒に行こうじゃないか」
そして老人は立ち上がり、扉へ向かおうとしましたがハルクは止めました。ある一つの決心を持って。
「確かにあなたがしたことは悪いことかもしれない。だけど、これだけ美しくて、すごくて、人の心に、何かを訴えるようなものを認めないあの国だって間違いなんです!」
「じゃが、ワシはもう……」
すると少年はひざをついて、深く頭を下げながら言いました。
「なんでもします。だからどうか……僕を弟子にしてください!あなたみたいなガラス細工が作れるようになって、色々なものをこの世に残したいんです!あなたのその素晴らしい力と一緒に!」
その言葉に老人は目を白黒させていました。すると老人の手元にいたルルも彼のそばに降り立ったかと思うとその場で頭を下げました。カバンの中にいたズズも同じように頭を下げました。
まるで今頭を下げている少年の味方をするかのように。
老人の心の中でとても暖かい何かが広がるのを感じました。
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それからしばらくしてからでしょうか?冬鴉は出なくなりました。その代りに、一軒の店が出来ました。店の前には一匹の白いカラスと二匹のネズミが踊っている看板があります。
店の名前は、冬ガラス。まるでかつての冬鴉を彷彿とさせるような名前で興味を持った人は店へはいり、そしてまたそのガラス細工の出来前に息をのみました。
店には一人の青年がいます。店には出していませんでしたが、二匹のネズミを飼っていることは誰でも知っていました。
店はとても繁盛していました。金持ちや貴族はその名前を恐れ、関わろうとしないため、すごく売り上げがあるとまではいいませんでしたが、十分生活できるほどの売上はありました。
そして、その店がお休みのある日の事。
「ズズー?ルルー?行くよー!」
青年となった少年は二匹のネズミを連れて再びあの崖の上の家の場所まで行きました。かなり険しい道なのですが、もう何度も来ているので慣れっこです。
老人が出迎えました。もう教えることは全て教えたのですが、それでも来てくれる弟子に満面の笑みで部屋に招き入れます。
「商売は順調かね?」
「ええ、おかげさまで」
最初の方は時計の力を使って買いたい人を探したりしていましたが、今はもうそんなことをする必要もなくなっていました。こうして、目の前の師匠である老人にお土産をたくさん買うこともできたのです。そして、老人と話すうちに時計の話題になりました。
「秒針はいったい何をしめすのじゃのう?」
実は目の前の冬鴉と呼ばれていたころの老人が使っていた時も一回も動いたことはなかったそうです。
「さあ、なんでしょうかね?」
そう言いながらも少年はわかっていました。
かつて自分が思っていたこと。それは誰にも知られずに死んでいく動物たち。彼らのことをどうにかして残したい。そんなことを彼は考えていました。そして今、ガラス細工をつくる職人となり、その夢はかなったのです。
長針が指すものは人。
短針が指すものは物。
秒針が指すものはきっと。
「今日のお土産の酒はうまいのう。これは長生きできそうじゃ」
「長生きしてくださいね。師匠」
叶えたい夢を叶えるための方角を指すのでしょう。だって、ハルクはどこか照れくさくて時計を老人には見せられないですが、秒針は今も目の前の老人を指しているのですから。
自身の大切な師匠であり、家族になった老人を。
お題は、時計、ソファ、硝子でした。
だいぶ時間がかかった上に拙い分ですが、ストーリーの形にはできました。