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「亮夜さーん、古事記に出てくる『ヤマタノオロチ』は酒が弱点でしたよね」
「光、今、この状況でどうやってアレに酒を飲ますんだ。アホ」
「ですよねー。どうやって倒したらいいんでしょう?」
「もう、2人とも! ふざけないで、一つ一つ頭を潰していくしかないでしょう!」
学校の授業で古文を習った光が亮夜に質問をするが、余りにくだらなさに、呆れた表情をする。
その緊迫感の無さに、さすがの鈴が切れて、怒ったような声を上げた。
その時、ヤマタノオロチは八本の頭を上下に激しく揺らした後、大きく口を広げ、牙を剥いた。
すると、牙の先から黒い煙のような霧が飛び出し、光達に向かってきた。
「危ない! 避けろ!」
「うわあああっ! なんだコレ!?」
黒い煙のような霧に気づいた光達が素早く跳躍して、その場から離れると、光達が立っていた場所に、黒い煙のような霧が降り注いだ。
黒い煙のような霧が地面に生えていた草に触れると、草が一瞬にして、ジュッと音を立て、黒く枯れながら蒸発していった。
「亮夜さん! コイツ、毒液を吐き出してきます!」
「落ち着け、直ぐにシールドを張れ」
亮夜の言葉で光は素早く、自分の体の周りに透明な盾を作る、『シールド』を発動した。
「亮夜さん、シールドで、あの毒液から守れるんですか?」
「光、ゴチャゴチャうるさい! さっさと戦う!」
「ちょっ!? 鈴さん! 何するんですか!?」
ヤマタノオロチが放つ毒液に恐怖を感じた光は、亮夜にすがるように質問をするが、それを聞いていた鈴は、光を一喝すると、光の背中を勢いよく押した。
すると、光の体はヤマタノオロチの目の前に飛び出した。
「シャアアアアアッ!!」
光の姿を見つけたヤマタノオロチが頭を大きく擡げ、大きな口を開けながら、光を威嚇する。
「ギャアアッ! 殺されるぅ!」
突然のことにパニックを起こした光は戦意を喪失して、地面に座り込むと、涙目になって助けを請う。
「あーっ、情けない!」
「シャアアアアッ!?」
すると、光の遥か上空から鈴の呆れた声が聞こえたと同時に、ヤマタノオロチの体が小刻みに震えた。
そして、ブチッという鈍い音が響いた後、光の目の前に、大きな物体がドサリと落ちてきた。
「うん? うわあっ! 何で頭が落ちてきたんだぁ!」
光の目の前には、大きな口を広げたままもヤマタノオロチの頭があった。
「あーっ、もううるさい! 頭一つ一つ倒すって言ったじゃない!」
「へ? あれ、これ、鈴さんが倒したんですか?」
「当たり前でしょ! さっさと次の頭も倒すわよ」
体力強化能力を使った鈴は、光をヤマタノオロチの前に突き飛ばした後、素早くヤマタノオロチの背後に回ると、素早く跳躍をした。
そして、ヤマタノオロチが目の前にいる光に気をとられているうちに、ヤマタノオロチの八つある頭のうちの一つを手刀で切り落としたのだ。
鈴と光が早口で話し合っている時、地面に落ちたヤマタノオロチの頭が塵になり、鈴の指輪に吸い取られていった。
「よし、コイツは甲冑ウォームと違って復元しないわね」
「でも復元しないからと言って、また俺を囮に使うようなことはしないでください」
「あっ、さっきの囮だって気づいていた」
「誰だって気づきますよー」
「2人とも。掛け合いはそこまでだ。敵に集中して残りの頭を潰すぞ」
鈴と光のやり取りを聞いていた亮夜が、頭が7つになったヤマタノオロチをにらみつけながら、2人に声を掛ける。
亮夜の言葉で鈴と光は頭を切り替えると、ヤマタノオロチに向かって戦闘体制を整えた。
頭が一つ減ったヤマタノオロチは、体を小刻みに震わせていたが、やがて落ち着くと、シャアアアッと泣き声を上げ、目の前にいる光達が睨みつけた。
そして、再び大きな口を開けながら、3人を飲み込むような勢いで近づいていった。
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