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――本部にソルジャーが現れた頃、雨降財団が所有する山林で、訓練をしていたAAT達も、山中に鳴り響く警報音に戸惑っていた。
「黒斗さん、本部と連絡がとれません!」
「珀はどうした!?」
「分かりません、研究所も応答無しです!」
「一体、何が起きたんだ? 全員の、能力を制御しているバングルを外す! 直ぐに、自分の能力を最大限に高めろ!」
黒斗はそう言うと、自分の脳から特殊な電磁波を出した。
するとその電磁波は、隊員が訓練中につけているバングルと共鳴して、隊員の手首からスルリと外れて、地面に落ちた。
しかし、只ならぬ状況に焦る隊員達を見た黒斗が、テレパシーを使って研究所とコンタクトを取ろうとした時。
上空に大きな黒い鳥の大群がこちらへ向かってくる姿が見えた。
「あれは鳥か……違う! 鳥じゃない!?」
「黒斗さん! 空から甲冑が降ってきました!」
黒斗が目を見開いて黒い大群を見つめていると、山中にいた隊員の一人から、慌てた声で報告が入った。
「全員、臨戦態勢を取れ! あれは人型のウォームだ!」
黒斗は少し早口で焦ったような声を上げた。
訓練を終え、休んでいた隊員達も、指輪の強化能力を使って、ウォーム襲来に備えた。
「亮夜さん、人型ウォームって見たことありますか?」
「いや、初めてだ」
「まあでも、人型だから、心臓をぶっ刺したら倒れますよね?」
「おそらくな」
テントの中で休憩していた光達は、警報音が鳴ると同時に外へ飛び出していく。
そして上空から下降してくる、甲冑をきたウォーム『ソルジャー』の攻撃に備えていた。
「うわあああっ、何だ!?」
「何故、塵にならないんだ?」
「おいっ、医療班を守れ!!」
AATの訓練所になっている山中では、ソルジャーと、AAT隊員達が死闘を繰り返していた。
ここでも本部と同じように隊員達がソルジャーを全力で攻撃するのだが、ソルジャーを倒すことができない。
そうしているうちに、AAT隊員の半数近くがソルジャーに倒され、医療班を守るのも限界に達した時――ヘルメットから珀の声が聞こえてきた。
「そちらに多数出現している、人型ウォームを倒すには『頭』のみを攻撃してください」
「珀、お前、何をしていた!?」
頭に直接響いた珀の声に、黒斗は大きな声を上げる。
「本部にも多数のウォームが出現して……霧人様を地下シェルターに避難させた後、本部でウォームと戦ってました。弱点が分からず、本部も多くの死傷者が……」
「分かった。本部を守りぬけ」
「これから本部建物に入って、屋上に向かいます……プランスが上空にいるので」
「何、プランスが来たのか!?」
珀からの報告を聞いた黒斗は、予想もしない状況に一瞬、呆然となってしまう。
AATに選ばれなかったとはいえ、討伐隊員は普段から戦闘訓練をかなり受けている。
その討伐隊員が次々とウォームにやられた事、そして、次期国王で、唯一異次元ゲートを開閉できるプランスが、黒斗達を倒す為に地球に来るとは思っていなかったからだ。
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