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RED RAID-侵略大戦-  作者: 赤木梓焔
第8章 黒斗と珀の真実
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-4-

「しかし次の瞬間、私の目の前にいた化け物が、真っ二つに裂け、突然塵になって消えた。……そして化け物がいた場所より少し離れた場所に立っていたのが、血だらけの黒斗と珀だった」


 異次元ゲートの時空が歪み、ブラックホールの中にいるような圧縮重力が黒斗と珀の体に掛かり、体の筋繊維が破壊され、内臓の一部が損傷してしまった。


 かろうじて地球に着いたが、直ぐに動けず、結果、霧人のSPがインセクトの犠牲になってしまった。


 死を覚悟した霧人だが、突然真っ二つに裂けて消えた化け物を見て、何が起きたかすぐに理解できなかった。

 しかし、血だらけの黒斗と珀に気付いた霧人は側に倒れていたゴルフカートに走っていった。


「私はカートに備えてあった無線機で、クラブハウスに控えていたSP達を呼んで、黒斗と珀を私の経営する病院に連れて行った。彼らの体は人間と同じだったので誰も治療に違和感を感じなかった。2人とも、パスポートを持っていたから名前は把握できた。しかし数日の治療の後、私は2人から持っていたパスポートが偽造だったこと、エトワル星のこと、化け物のことを聞いた」


 黒斗と珀から話を聞いた霧人は最初、2人の話を信じることが出来なかった。


 しかしその後、再び霧人を襲ったのと同じ化け物が現われた。

 自衛隊の武器でも倒せない化け物を特殊な能力で倒す黒斗と珀を見て、霧人は2人の言葉を信じるようになった。


「私は地球、人間をウォームから守る為に2人に強力することにした。ただ、2人だけではウォームに対抗できない。そこで私は世界中の宝石商から最高級のルビーを買い占めた。そのルビーに珀くんが手を加えて我々人間が使えるように改良してくれたんだ」


 ここまで霧人が話したところで、今度は珀が口を開いた。


「僕はエトワル星でも、ミュータントに子供が生まれた時、その両親の持っているルビーを加工して指輪を作っていたんだ。ウォームは指輪をつけていないものには服従しないからね」


 珀の話によると、エトワル星でもウォームは残虐な性格らしく、それをルビーの力で制御したり、服従しているそうだ。

 しかし異次元ゲートを抜けたウォームは、ミュータント以外の指示は聞かないので、地球に来たウォームは今の所、倒すしか方法がないそうだ。


「討伐隊が、珀の作った指輪で能力を身に付け、次々とウォームを倒すことができるようになったが、俺の中で不安が起きた。エトワル星からは地球の様子を見ることが出来るから、討伐隊を作った霧人様が真っ先に狙われるのではないかと……だから俺と珀はウォームは討伐隊に任せて、俺達は霧人様の護衛をすることにしたんだ。もし、霧人様に何かあれば、討伐隊を維持することができなくなるからな」


 黒斗は何故自分達が主導でウォームを倒さないでいたのか、その理由を語った。


 霧人や黒斗、珀の話を聞いた光だが、まだ全てを理解できず、首を傾げていた。


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