-5-
「うわっ、こ、この指輪動いた!?」
「落ち着け。お前の指輪が成長しただけだ」
「で、でも、亮夜さんと鈴さんの指輪は変化していないですよね?」
指輪の石の変化に驚いた光は、どもりながらも亮夜と鈴に質問をした。
「さっきも話したけど、この指輪はウォームの塵を吸って大きくなるの。ただ、大きくなればなるほど多くのウォームの塵が必要になるの。2カラットぐらいまでは成長が早いけど、それからは多くのウォームを倒さないと指輪は大きくならないのよ」
「そして多くのウォームを倒すことで、指輪のレベルとお前自身の戦闘能力も上がるってことだ。分かったか?」
「えっと。ちょっとビックリしたけど分かりました。あと、さっき、俺たちの体、光っていませんでしたか?」
「ああ、能力を引き出す言葉を言うと、赤い石だけではなく、身に着けている者の体や持っている武器も薄く光るんだ。そして倒したウォームの塵を吸収するか、一定時間を経過をすると、光は消えるんだ」
「能力を使っている時は赤い石と同化するみたいな感じかな」
「へぇ、この指輪って不思議ですね」
亮夜と鈴から赤い石の指輪の話を聞いた光は、自分の指に嵌められた指輪を眺めながらそう答えた。
「俺達も何故、この雨霧討伐隊がウォーム退治に赤い石を使うのか詳しいことは知らない。しかし、この赤い石がウォームを倒せる唯一の希望なんだ」
「疑問は一杯あるけど、今はウォームを倒すことだけ頑張ろうね」
「そうですね。亮夜さん、鈴さん」
ウォームを倒した光達は並んで歩きながら、自分たちの車のあるところまで移動した。
今度は運転的に亮夜が座り、鈴が助手席、そして光は先ほどと同じ助手席側の後部座席に座った。
すると車内無線機の機械音が鳴り、亮夜が無線機から流れる声に応答するが、だんだん眉間に皺が寄ってくる。
亮夜は無線機を切った後、真剣な顔をして鈴と光に話しかけた。
「これからもう一体のウォームがいた小学校に向かうぞ」
「もしかしてまだ倒してないの?」
「いや、ウォームは倒したと連絡がきたが、子供達が避難していた体育館の屋根をウォームが襲撃して、子供達や先生が生き埋めになっているらしい」
亮夜の説明によると、小学校の校庭に現われたウォームは討伐隊の攻撃を避けながら、体育館の屋根に上り、両腕の鋏で屋根を破壊したらしい。
破壊している途中で討伐隊に倒されたが、避難をしていた子供や先生が屋根の下敷きになったそうだ。
「小学校に着いたら俺は崩落現場の救助活動に向かう。光は鈴と一緒にトラックの荷台を救急救命が出来るように準備しろ」
亮夜は冷静な声で鈴と光に指示を出していく。
光は亮夜の説明に頷きながらも、亮夜の的確な判断や対処に感心していた。
やがて車が小学校に着くと、亮夜は「頼んだぞ」と、一言言い残して小学校の体育館に向かった。
ご閲覧ありがとうございましたm(__)m




