弐「一人目のノンルーラー」
9月23日午前9時。
僕は家庭の事情で学校へこれなかった生徒と獅子崎先生に1-2の生徒たちに紹介してもらえた。
そのおかげで変な疑いやいじめなどは特になにもなかった。
が、何か聞かれることも特には無かった。
「なぁ、ここの生徒らはお前に関心がないみたいだな」「そうだな。まぁ、それが普通だろう」
普通。それが普通なのだ。
なんだが、退屈だ。中学のときはそこそこ友達はたぶんいたが、気がつけば友達と呼べるほどの人は周りからいなくなっていた。
二週間ともあれば流石にグループらしいグループが別れているみたいだ。
僕はどこに属するのだろうか、それとも一人なのかなんて悲しいことを考えていた。
が、しかし。隣の女子生徒が話しかけてきた。
「あの、えっと。はじめまして!!私ね、八坂雫です。せっかくとなりの席なんだし仲良くしようね!」
と、短髪の優しそうな顔の女の子が話しかけてきた。
めちゃくちゃ、かわいい。
「え、あ。こちらこそよろしく!」
「えへへ」とはにかむところがまたかわいい。
まさか、登校初日からこんな可愛いこがはなしかけてきてくれるとは。
「えっとどこの中学なの?」「好きな食べ物とかは?」「教科書ないでしょ?貸したげる!」
などと、世話を焼きたい性格なのだろうか、親切にしてくれた。
学校生活はまぁそこそこ楽しくなりそうだなとか考えつつも、左に視線移す。
「なんだ。私が可愛いからってそんなに見るな。撃つぞ」
右に視線を移す。
「え、なに?なにか顔についてる?」
八坂さんと、夕焼の違いに涙が出そうだ。
「あ、そうだ。私のことは雫ちゃんと呼んでね!」「あ、うん」
あぁ、和む。
なんてことをしていると、先生がやってきた。
「はーい、ホームルーム始めるよー。起立!」「礼!」
、、、。時間がたち、16時30分。
「雫ちゃんまたね」「あ、私もかえるからまってー!」
なんだろう。逆に怪しいぐらいに仲良く話しかけてくれる。
そんなことを思っていても、二人共たまたま帰宅道が一緒で、帰るのがとても楽しくて仕方がなかった。
途中、後ろで「おいお前。なにをニヤニヤしている。気持ちが悪いからな。二度言うが気持ち悪い」などヤジが飛び。気分が落ちたが。それでも、学校生活の一日目は楽しく過ごせた。
そして、今は家。風呂をすませ、二人で夕食を食べ、先日を除き、ほとんど毎日行っている会議を行った。
内容は、ノンルーラーについてだ。
「なぁ、そういえばノンルーラーてやつは探さなくていいのか?」「探さなくても、必ず近寄ってくるよ。だから、探す必要はない。それに、私は別に生き返りたい訳ではないからな」
「え?」
なんだと。生き返りたくないのか?ならば、なぜ、僕は夕焼は僕と一緒にいるのだ。
そもそも、夕焼目的はなんなのだろうか。
かなり気になったため、目的を聞いてみた。
すると、意外な答えが返ってきた。
「ノンルーラーを全滅させること」
そんな、大層な目的があったのか!?というより、僕はノンルーラーを全滅させるまでこいつと離れられないのか?
「なぁ、ちなみにノンルーラーってやつは普通何体くらいいるんだ?」「さあ。ただ、この付近には12体いるらしい」
12、、、。それが多いのかどうかは分からないが、長い道のりになりそうだ。
「まぁ決めたことだしな。ついていくよ」「ふん。まぁ、ありがと」
珍しく、素直に礼を言ったのに驚いた。
9月24日。午後13時。学校で言う昼休みに校内放送で僕の名前が呼ばれた。
「えー、1-2の鑑継くん!今すぐ、応接室に来てくださいねー」
と、獅子崎先生のお呼び出しだ。
応接室にいくと、獅子崎先生はなぜだか、にこにこしていた。
「やぁ鑑継くん!少しお話があるんだよね。いいかな?」「あ、はい」
なんだろうか。先生直々に話があるとは。一日でなにかやらかしてしまっただろうか。
「君さ、昨日仲良く雫ちゃんと話してたでしょ?でね、ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」
「あ、まぁいいですけど」
「へえ、内容も聞かずに承諾するなんて男らしいね!まぁ、そのお願いなんだけどね。あのこさ、友達がいないんだわ。だからね、一人目の友達になってくれないかな?」
あぁ、だからあのこは僕と話しているときに、誰からも話しかけられなかったのか。
「全然いいですよ。とても、いい人ですしね」
「そっかそっか。流石だね!」
そこで、話が終わると勝手に思っていた僕は、バカだった。
あとね、と続いた獅子崎先生は衝撃の一言を吐き出して、僕を応接室から追い出すような形になってその場を後にした。
「おい、お前。アレは。。。」「、、、なんだよ。なんとなくわかってるけど言ってみろよ」
夕焼は言った。「規則を破るもの(ノンルーラー)だ」