七書目『無題とはもう言わない。書かない。思わない』
我ながら、無駄に退屈な人生だったな。
いつからだろう、親と視線が合わなくなったのは。
いつからだろう、友達と呼べる人間が周りから居なくなったのは。
いつからだろう、人生が傾き始めたのは。
「ハッ!?」
体を起こし回りをみわたす。
「生きてるのか?」
体に痛みは一切無く。これといって問題なかった。
もちろん、自分は家に居る。しかし、少女は居なくなっていた。
何だったんだろうか。夢だったのか。
まあ、出来すぎた夢とは思うがとりあえず起き上がろうかな。
「あ、、、」
気がついた。テーブルの上にはオレンジジュースの飲みかけが置いてある。
まさか、、、あれは夢じゃなかった?
いや、そんなまさか。なら、どうして僕は生きているんだ。
そんなことを考えていると、なぜだか体が震えてきた。
「頭が働かねえじゃねえか!!」
「当たり前だろーがボケ」
!!!?
なんだ!どこから声が!?
「ここだよここ」
振り向くと、夢であって欲しかった自称幽霊がいた。
「なんなんだ、お前は。さっき、僕を撃ったろ?」
たしかに覚えてる。確実に心臓に当たった。激痛がはしると同時に意識が薄れたが、それは覚えている。
「あー。これか?これは『虚銃』だ。人の生身を撃ち抜き、『霊体』を抜き出す武器だ」
「なんだそれ。新しい厨二病患者か?」「あーもう、まどろこっしいな。紙に書いてやるから紙とペンだせ」
仕方なく、机からペンと白紙を取り出し少女に手渡す。
なんだか、長々しく書いている。
そして、一時経つと手を止めた。
「はいこれ」
・世界には『霊』と言うものが存在する。人間が死ぬと稀に生まれる者
・ある日、『規則を破る者』という者が現れ、それを倒す事を霊たちに求められた
・上記の敵は、『神正器』という武器でしか倒せない
・規則を破る者を倒すと、人間に戻ることができる
・霊には三つの位が存在して、王、武人、召霊と決められている。強ければ、上の位に上がる
・霊には三人の統率者がいる。地の霊。海の霊。心の霊
・ノンルーラーに殺されると、二度と意識を保つことができず、存在ごと消される
以上
「、、、え?こんなの信じろと?」「まぁすぐにわかるよ。あ、あと霊体になった状態では一般人には見ることができないし。さわることもできないよ。物だけ触れるんだけどさ」
こんな、訳のわからない以上事態にたいして自分はなぜか少し、ワクワクしていた。
だって、もう人の目を気にしなくていいのだろう。
責任を押し付けられることも、面倒なこともすべてなくなるのなら。
「わかった。僕は、受け止めよう。君を殺したのは僕なんだ。もう一度、生き返してやる」
そして、僕はここから人生を改めよう。
この少女と共に。
「非日常を始めよう」
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と。こんなものかな。どうかな、プロローグ的な物の完成さ。
そして、ひとつ思い付いたんだ。
「この物語に無理矢理題名をつけるのなら、『始まりの物語』とつけたい。」
物語というには不可欠なものがたくさんある。
僕にとってのノンフィクションは、皆にとっては100%フィクションでしかない。
最初に、題名などない。あらすじなどないとは謳ったが。
しかしやはり、僕が書く此れには題名をつけ、あらすじらしきものをどうしても書けるなら書こうとおもう。
だからこその。
『始まりの物語』だ。
ここから物語を始めます!
楽しんでもらえると幸いです!