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……というワケでただいま減量中です。

作者: 藤里 真朱

セーラームーンを知らないと全く意味が分からないと思います。

しってても、意味が分からないと思います。



 「ミサキちゃん。美少女戦士になって悪の組織をやっつけるんだぴょん!」


 主婦の私にとって、娘が幼稚園に行っているこの4時間が勝負時。さっさと掃除洗濯そして夕飯の下ごしらえを終わらせ、ワイドショーを見るのだ。掃除をしようと床に落ちているウサギのぬいぐるみを持ち上げようとしたら、突然ウサギが動きだし、冒頭の言葉を言い出したのだった。


「……幻覚、よね?」


「OH NOOOO!! ポクっちが選んだ戦士は麻薬中毒だったのぉ!マジックマッシュルーム??マジックマッシュルーム常用者?ミサッキち、実は大工から土管工転職してた?……ぴょん」


 ウサギのぬいぐるみ(以降クソウサギ)が空中をふよふよ浮きながら訳の解らない事をいいだした。とりあえず馬鹿にされてる事だけは判る。


(洗濯物、早く干そう)


 目の前の信じられない光景を見なかった事にする。 主婦は忙しいのだ。


「おおおおい!ポクの事無視しないでよぉ。ミサキちゃんピョン」


 ウサギのぬいぐるみが袖を引っ張ってくる。


「ミ・サ・キ違いです」


 関わるな!というオーラを全身から噴出してやる。


「いがた・みさき。29歳。某美少女戦士アニメの大ファンで、大人になった今も5歳の娘をダシしてDVDをコンプリート、ピョン」


「……」


「ちなみに、観賞用と保存用2枚づつ購入済みピョン」


「うっ」


「 旦那は、某アニメのタキシードきた人にそっくりだったから一目惚れした」


「ううっ」


「旦那と卒業と同時に結婚。現在専業主婦……のくせに、たまに鏡の前で決め台詞を未だにポーズ付きでするピョン」


 ウサギが行った事は全て事実である。特に最後の部分は姑にでもばれたら、絶対何かにつけて言われる。コイツは素早く『抹消』せねば!!


 『抹殺』を決めた私の行動は早かった。素早くクソウサギをビニール袋に詰め。入り口を閉める。ソレを箸でつまみ、コンロへ向かう。換気扇もちゃんとまわしておく。


「はっ。火葬してやんよ!クソウサギには上等過ぎる埋葬方法だけどな!!」


「ええええええ〜。ちょちょとま〜てよ〜(キムタク風)」


「ギャグが古すぎるんだよクソウサギ!永遠にさよならだ〜あはははは」


 私は勢いよくガスコンロの火をつけた。


「ぎゃぁぁぁぁ〜」


 クソウサギが悲鳴をあげながら燃えてゆく。が、次の瞬間、クソウサギがいなくなった。


「残像だ」


 ビニールの燃えた嫌なにおいが充満する。


「はい?」


 クソウサギはいつの間にか私の後ろにいた。


「邪眼の力をなめるなよ!」


「お前の何処に邪眼がある!むしろお前の目線が邪だ!!!」


 お箸をクソウサギめがけて突き刺す、が、よけられた。


「くそ。やるなクソウサギ」


「綺麗な薔薇には棘があるのさ」


 よし、沈めよう!コイツは沈めよう!コイツは私の青春を汚す気満々だ!!


「ピョンって言うの忘れてるぞ」


「あ!」


「キャラづけが甘い!お前が美少女戦士の相棒を名乗るのは100年早いわ!!」


 私はクソウサギを無視し洗濯機へ向かうことにした。


「あ〜まって。まって!! ほら、ほらクリスタルスターブローチが光ってる!敵がきた証拠だよ!」


うっ!なに!クリスタル・スター・ブローチ?く、くそ欲しい!


「ほら、幻の『ピー』水晶もセット済み!ね?お買い得!」


な、なんと!涙から産出しなくて済むのね!……うう欲しい。


「ね、ただ変身の呪文を唱えれば美少女(笑)戦士になれるし!悪打つ正義の味方だよ!」


 クソウサギはそう言うと私の手にブローチをのせる。『(笑)』は気になるが……これはチャンスなの?憧れの美少女戦士!!……私は意を決して


「ムーン・クリスタルパワー!メイクアップ!」


大声で叫んだ。


「ひゃははは!ムーン・クリスタルパワー!メイクアップ?ヤバイこのオバさん終わってる〜」


 クソウサギが床で笑いころげる。私は、それを見事に足で捕まえグリグリしてやった。


「死ねクソウサギ!!」


「ぐぅぅぅ、だが俺はしなない!」


 クソウサギが何かほざきだした。確かに、焼いても死なないけどな。


「なぜ死なないか教えてやろう。主役だからだ!」


「……お前が主役の訳がないだろう!!!くらえ、これがネオタイガーショットだァ!!」


 私はシャア様もビックリな3倍の重さのキックを繰り出した!


「グベシ!!」


 セオリーでは。美少女戦士モノで、変身ブローチとか契約とか持ち出す奴らは万年脇役なんだ!!これだけば譲れん!


「はぁはぁミサキちゃん。話が進まないから……本題に入ろう!」


 クソウサギはタフなようだ。口から綿を出しながら話を続ける。


「残念ながら変身の言葉は、そんなファンシーじゃない。」


「じゃあ、なんだ!」


 クソウサギは得意そうにいった


「エコエコアザラク エコエコザメラク エコエコケルノノス エコエコアラディーア(by Wikipedia先生)」


「それは黒魔法じゃないかぁ!」


「え〜だってほら『みさ』キだし(笑)」


(笑)じゃねえ!黒魔法っておい。なんか黒いぞ!犠牲とか生贄とか復讐とかそんなドロドロしたものが。


「ミサキちゃん!時間がない!もう敵は上空に待機中だよ!待たせちゃ駄目だよ!」


 何とも礼儀正しい敵だ!しかし、私も日本人。敵とはいえ相手を待たす訳には行かない。


「っち。仕方がない。エコエコアザラク エコエコザメラク エコエコケルノノス エコエコアラディーア!!!」


 マガマガしい呪文とは裏腹に、光が私をつつむ!!おおお!なんか美少女戦士の変身シーンに近いぞコレは!!!光に包まれた後、私は『THE 美少女戦士』のような服を着ていた。


「おおおおお!きたきたきた〜」


 鏡に映る自分を見る。髪が青くなっている!!もしや水系?水系能力?


「!!!」


 私はある事に気づく。


「おい、クソウサギ!」


「はいはい何でございましょうか?」


「普通、美少女戦士と言ったら。顔が隠れて、しかも体系も美しく変化しているはずだ」


 だが、私は髪の色は変わっているけど。顔はそのまま、しかも最近、旦那につき合って飲む為かビール腹なお腹もそのままだ!パンツの上にほんのり乗る肉が!!



「え〜。美少女戦士は顔は隠れないし。体系もそのまま!美少女戦士の皆様はもともと綺麗なボディーです。ミサキちゃんが油断して付けちゃった皮下脂肪までポクの責任にされてもねぇ〜」



「おい、クソウサギ。必殺技を教えろ」


 それでお前を沈めてやんよ!


「え?必殺技?ナイナイそんなのないよ〜」


「え?ほら、この青い髪。水系ののうりょくだろ?」


 シャボン玉がでてきたり、それに冷凍系がはいったり。


「え〜ミサキちゃん。シャボン玉ごときで敵がヤラレルわけないじゃん!」


 ……くそ。反論ができない。


「敵をやっつけるのは肉体言語のみだよ!頑張れミサキちゃん!」


 理想と現実の差に打ち拉がれる私をよそに、クソウサギは続ける。


「あ、でもね。妖精さんたちがあとで人々をマインドコントロールしてくれるから。ミサキちゃんの顔の事も、戦いがあった事も忘れてくれるよ〜。しかも、今のミサキちゃんは空を飛べる!ね?素敵でしょ!」


 なにが素敵なものか!必殺技がない美少女戦士なんて!!


「ほら。敵さんも待ってるし行こう!」


 クソウサギに促されて私は外に出た。外に出ると、『THE悪役』がいた、そうショッカーと争える程、黒い男がいたのだ。


「ふはははははは。お前が新しい戦士か?!」


 私のテンション最下級です。


「はぁ。そのようです」


「 ふはははははは。ここがお前の墓場だ!」


あぁ。この人残念だ〜。もう悪役がよく言う台詞ベスト3に入る。使い古された台詞言っちゃってるよ。もちょっとオリジナリティ欲しいわ〜


「ねぇ。クソウサギ。どうやって勝てばいい?アドバイスぐらい欲しいわ〜」


「え〜。そんな事言われても。適当にやってれば勝つんじゃない?」


「ちょっと。私普通の専業主婦よ?格闘技経験無しだよ!無理無理」


「最後まで希望をすてちゃいかん……諦めたらそこで人生終了だよ!」


 おい、おい、おい!!死亡宣告かよ!


 私たちがのんびり会話をしていると、悪の組織さんが急におこりだしましたよ。(既に投げやり)


「おまえ!無視するな〜」


 悪の組織さん(仮名)がいきなり突っ込んできましたよ。(投げやり)


「きゃぁ」


 もちろん、死にたくないのでよけました。悪の組織さん(仮名)は勢い余って何処かに飛んでいきました。


「おお!ミサキちゃん一勝したじゃん!おめでとぉ」


「え?マジ?コレで??」



 ちょっと浮かれた私の耳に、ご近所さんの声が聞こえてきました。


「あら、やだ。あの人。井形さんの?」


「まぁ〜やだ。本当ね。井形さんの……」


 うっ。さっきの騒ぎでご近所の人が!!!耳に入ってくる言葉が痛い。「いい年して」「だから80年代生まれは」「バブルの」「コギャル」等等……。


「だいじょーぶだよミサキちゃん。ちゃんとお金払えば、妖精さんが記憶消してくれるから〜」


 そっか、みんな忘れるんだね。でもこの、微妙な心の傷はわすれられねえぇよ!!


「今日は初回だから格安で1万!」


「は?」


「だから、みんなの記憶を1万円で消して差し上げます!」


「おい!金とるんか!!」


 クソウサギはペロリとシタを出し「世知辛い世の中です」と言って退けた!!



「おい。美少女戦士のコスしてる奴がいるって聞いてきたけど、何だあれ〜。セクシーなのはいいけど。腹の肉がスカートに乗ってるぜ!」


 ぐは!!ミサキは14529のダメージを受けた。


「どうする?ミサキちゃん?払う?払わない?」


「……払わしてください。」


 こうして私はへそくり(某美少女戦士グッツ用)1万円をクソウサギに払ったのでした。




……その後、悪の幹部は週Ⅰペースで私に襲いかかり。へそくりが底をつきそうな私は、人様に見られても恥ずかしくないボティーをめざし。。。。



ただいま減量中です。


最後までよんでくださってありがとうございました。

テスト勉強に疲れて。1時間だけ……で書いた意味不明な話。

す、捨て置いてください。本当にごめんなさい!色々黒歴史つくってますが。これが一番黒歴史かも……

あ、もし気が向いたら感想頂けると嬉しいです!!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 笑わせて頂きました。
[一言] いやあ、実写版は美少女起用して金もかかっていたけど、髪の色が青じゃ可愛く見えないですよー。というか痩せても歳は若返らな
2014/12/29 15:54 退会済み
管理
[一言] 「だぴょん!」がこんなに殺意湧くとわ…(笑) ウサギがやる夫にみえて仕方ないです。 「ムーン・クリスタルパワー!メイクアップ!(キリッ!)」 「だっておwwバンバン!!!」 ミサキ、とり…
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