表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴキ娘!!  作者: 猫派犬派
15/58

2匹目前座:寝起きのこと



 ゴキ子との同居生活二日目の朝、目覚めは最悪だった。

 理由は、


「さあ、愚民、早く私の朝食の準備をしなさい」


 俺の腰に跨って命令する白衣の所為だった。


「降りろ」


 端的に言いたいことだけを言う。

 最早、侵入方法について言及するつもりはなかった。如何に対策を講じようと、博士には無駄だということが分かっているからだ。

 昨晩、寝るときにベッドをゴキ子に使わせ、自分は床で寝た所為か体中が痛い。


「なんだ愚民、私のような美女に跨られているのに嬉しくないのか?」

「あのな、朝起きたら変態科学者が自分に跨っている状況なんて、危険以外の何物でもないだろうが!」

「言葉に気を付けろよ、愚民」

「お、おい待て。なにを動いて――」

「お仕置きだ」


 以下、自主規制。


「朝から散々だ」

「久々に堪能させていただいたよ、愚民」

「私が眠っている間に何があったのでしょう?」


 ゴキ子も目を覚まし三人で食卓を囲む。

 朝食は博士のリクエスト通りに和食を用意した。白米、味噌汁、焼鮭、出汁巻き卵に漬物。昨日に引き続き、よくも我が家にここまでの食材が残っていたものだ。


「知りたいかね、ゴキ子君」

「もちろんです」

「よし、では話して――」

「やめい!」


 その話をされるのは俺の沽券に関わる。


「ふむ、愚民の名誉のために、ゴキ子君、申し訳ないが、この話はまた次の機会にしよう」


 金輪際、どんなことがあろうとこの話はさせない。


「残念です」


 本気で残念そうな顔をするのは止めて頂きたい。謂れのない罪悪感に襲われるから。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ