サマーメモリー
僕の、記憶と。
君の、言葉が。
あの夏を思い出させる。
あの日は晴天で。
コップにはみ出す入道雲。
氷が溶けて音を立てる。
風鈴が鳴り響く。
いつかはきっとこの記憶
さえも忘れてしまうのだろうか。
子供の頃に
立てた秘密基地が。
今はもう、苔に覆われている。
風に吹かれて走馬灯。
あの日々の欠片を。
嗚呼。
あの空に理想を書いた。
その筆跡はどこか遠くへ。
流れてってしまったのかな。
忘れないようこの記憶に。
鎖をがっちりかけて。
いつになったらまた君と。
巡り合えるのだろうか。
0.0004%のこの世界で。
嗚呼。
あの日は確か曇天で。
君と笑った、あの道は。
氷は溶けた、そしてまた。
雷が鳴り響く。
いつかはきっとこの思い出
さえも流され消えゆくのかな。
子供の頃に
夢見た景色が。
今、僕は見ている。
風に吹かれて思い出す。
君のあの顔を。
嗚呼。
連絡帳に噓を書いた。
感想文に噓を書いた。
誰にも気づかれないまま。
終わりたいななんて。
思ってたよな。
いつになってもまだ君と
分かりあっていたかった。
喧嘩別れはもう嫌だ。
だから。
駅のホームを走った。
エスカレーターを走った。
誰にも言えない秘密が。
僕の心の中に。
あるんだ。
忘れるはずもないさ。
君の、その笑った顔。
また見たいな。
「久しぶり」
夏が、また終わる。