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第48話 メイドさんと再戦希望

「メイドさん、ゲームしようか」


 お風呂に入ってコロッケの後味も消え去った頃、俺からメイドさんに勝負を持ちかけた。理由は単純、この前大乱闘なゲームで負けたリベンジだ。


「いいですよ、よわよわご主人様!」


「1回勝ったからって調子に乗るなよ」


「負け犬ほど吠えるとはよく言ったものです」


 なんでこのメイドは煽りスキルがこんなに高いんだ。あの人たちはどんな教育したんだよ……。

 しかし今回は俺の土俵でやらせてもらう。いや、別にとりわけ得意という訳でもないが。


「というわけでオセロを持ってきたんだけど」


「ほほう……オセロですか……」


 顎に手を当ててじっと盤を見つめるメイドさん。それ、どういう感情なんだよ。


「デジタルで勝てなかったからアナログゲームを持ってきたと」


 言葉の端々に飛び出ている棘が痛い。

 え、我が家のパワーバランスっておかしかったりする?まぁもしおかしかったとしても、それも今日までだ。


「前回はそっちのフィールドだったからね」


「ちなみにご主人様は強いんですか?」


「いや、全然普通だけど」


 彼女がずこっと転ける。新喜劇やないかい。

 危ない危ない、俺の心の中の関西人が出てくるところだった。


「じゃあなんでゲームなんて」


「そりゃ決まってるじゃん、メイドさんと遊びたいからだけど」


「……っまたこの人はそうやって」


 パチンっと盤を広げてテーブルに置く。俺が黒で彼女が白。


「それで、何かお願いごとでもあるんです?」


 最初はすいすいと進んでいく。


「そうだなぁ……俺が勝ったら一つだけ聞きたいことあるんだよね」


「別に私が勝っても答えますよ」


 パチン、パチンと対局は進む。 


「えーそれじゃあ面白くないじゃん」


 結局のところ、オセロは取らせて取るのが定石だ。後は自分の置ける場所を増やしていくことか。


 段々とメイドさんの悩む時間が増えてくる。2戦目では負けてしまうだろうか、初見殺しで1度でも勝てたら満足なんだが。


 盤面が黒に染まってくる。


 やがて彼女はため息をついて両手を上にあげる。


「はぁ、私の負けですねこれは」


「やけに潔いじゃん」


「まぁ私は1回ご主人様に勝ってるので安定してるんですよ、メンタルが」


「人を煽らんと会話できんのか」


 パーフェクトゲームは阻止されたが圧倒的勝利。

 うわぁ、普通のお茶だけど勝利の美酒だと思えばこれ以上美味しいものはないな。


「それで聞きたいことってなんですか?そんな秘密とかないんですけれど」


 彼女は再び真ん中に4つ石を並べ始める。

 連戦する気満々じゃねぇか。どこまでプライドを守れるだろうか。


 さて聞きたいことは一つ、今は12月も半ば。


「メイドさんってさ、何か欲しいものある?」

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