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装備と、旅立ちと

ミラヴィアの街並みはユニークだ。

メインストリートには大小様々な店が並び、まるで増築を繰り返したような建物達の様子が景気の良さを伺わせる。露店の並ぶ中央広場のマーケットを抜けてすこし落ち着いた雰囲気の路地に入るとその店は現れた。路地裏武具店というなんとも名が体を表す武具店で2人は取り引きを行っていた。


ミラヴィアに入る前に金策として2人が狩っておいたポーラビットの素材を換金して得た1万7000r(リゲル)これを合わせてアリオンは新装備を得るために店の棚に並ぶたくさんの武具防具を吟味する。一方カイは店主と何やら話しているようだ

「あれできてるか?予定より随分速くなったが、ここを出る時に頼んどいたやつさ。もしできてれば...。」「できとるぞ」

店主がぶっきらぼうに言った。

「マジかよ。さすがだなガイおじさんは」

...おじさん!?

「2人は親戚なのか?」

と驚きながら聞くと

「「そうですが、なにか?」」

とガイとカイは声を揃えて言う。何この一体感...



話を聞くとどうやら一族全員が何かしらの商売を営んでいるらしい。カイは一族の中では珍しく冒険者になり商売をしていない変人なんだとか。っと気を取り直して装備装備っと。しかしいくら棚と睨めっこしても知識が乏しすぎて違いがわからない。

「どれ坊主、いくつか見繕ってやろうか?予算は?」ガイが聞いてきた。見た目より優しいなと思いながらもお願いすることにした。

「武器は、剣か...剣?」

え、何その反応...

「まあいい、防具も一つももってないんじゃ話にならんからな」

と、ブーツと籠手を手に取りこちらに差し出す

「こんなんでどうだ?」

シンプルながらも丁寧に作られた装備だなかなか高そう、と考えていると

「安心しろ、まけてやる。カイの仲間だからな二つ合わせて3万5000rでどうだ?」

おそらくなかなか破格の値段なのだろうガイの後ろに立っているカイの表情でわかる。

「ありがとう!」

とガイと固く握手を交わした。



2人はミラヴィアの関所つまりはティライオンとの国境にきていた。もっと見たいものもあったけどそれはまたの機会だ。身分証明証である冒険者カードを出して関所の通行税を払い通貨を両替してついに初の国境越えを果たした感動を噛み締めていると、

「先を急ぐぞ、俺たちには行きたいところがあるからな。」

とカイに現実に引き戻された。

その背中には銀色に光る機械的な弓が携行されている。俺たちの次の目的地はサフラナティア。サザリオンまでの道のりのちょうど中間地点に当たる砂漠の街だ。ここからの移動にはラカという馬のような生き物を使う砂漠地帯の砂の色に似た黄色の毛を持つ個体や赤土の赤毛、内陸部の土に似た焦茶色のものもいる。特徴的なのはその後ろ足、大きく発達した大腿部には水を蓄えられるようになっておりそれが砂漠地帯での長時間の行動を可能にしているらしい。



世の中には変な生き物もいるんだなあというのが率直な感想だ。燃えるような赤毛のラカを見上げながらそんなことを考えると。

「早く乗れよ、1日でサフラナティアに着く予定なんだからな。」

とカイに急かされる。

「んなこと言っても乗り方分かんねえよぉ。」

「確かにな、変な形してるもんなこいつら。初めてじゃわかりにくいか、まずその水袋の上にウマでいうあぶみがあるだろ、それに足かけて飛び乗るんだよ。」「よっと。あ、乗れたや。鞍も変な形だから一目じゃ分かりにくいよ。」

「よしっ出発だ。」

水袋の上まで鞍でカバーされているのは水袋の熱が上がるのをすこしでも防ぎラカの負担を減らす工夫だそうだ。ラカは軽快に走り始めた。


初の外国、知らないことの連続とジリジリ照りつける太陽が、この先の旅がアツいものになることを予感させた。


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