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旅立たなくてはいけない、らしい。

話せば話すほど拗れる事なくすんなりと進んでいく戦後処理。


助かるったらない。


どうやら話を聞くと、昔一度パーティで姫と会ったことがあり、政治の真ん中にいる姫に手紙で今回の件で相談を重ねて居たらしく、今回の件も狂言誘拐に近いということが分かった。


凄いですね姫様。

爺やが泣いてしまいますよ。

俺も泣きたいですし、団長は心労で死んでしまいますよ。

王は着実に頭髪がね、あの、光り輝いてきていますよ。


やってるい事は完全にテロリストと言って良い彼らだが、気のいい奴らも多く文化も違うので、珍しい品や特産はある。

あちらで必要だが、こちらでは需要がないものも沢山あるだろうから、やり取り出来るメリットは当方にも産まれるだろう。


全てが終わったあとに、カバーストーリーを流布出来れば民衆はそこまで不快感を示さないだろうし、自分はアリではないかと思う。


しかしまぁ、ここから先は文官の仕事だ。

今でさえ修行僧の様に書類の山奥で暮らしている彼らの仕事を増やすのは本意ではないが、我らも全然本意じゃないので怒らないで頂きたい。


申請とか、経費のアレコレだとか、なんとか厳しくしないで頂きたい。

それは八つ当たりというもので、兵士は剣を握ると強いが、ペンを握るとそこらの女学生にも劣るのだから。


帰国して王に報告をすると軍が不在の間に、なにやら別の小さな問題が起きていた。


小さな農村で神のお告げを受けた勇者とやらが、救国の旅、ひいては拐われた姫を救う旅に出ると報告に来た様だ。


たった4人でだ。


頭がおかしいのだろうか。

しかも事実は救国と言われるほど逼迫して居ないので、誘拐されたという事実だけを聞いたのだろう。


門番もよく通したな。

普通にクビになっちゃうんじゃないの。

部隊が違うからわからないけどさ、俺なら斬り飛ばしてるかもしんない。


王はその神だのなんだのを言い出して城までボロボロの剣を帯したまま乗り込んで来た異常者を、むやみ刺激しない様にと安い剣と少ない金額を渡して、あしらうことに成功したとのことだ。


こんな輩は城では日常茶飯事なので慣れた物だ。

教会のお偉いさんがあーだこーだと金を引き出そうとするのに比べればなんて事ない。


あれは毎回壮絶だ。


この間など、ボロボロの孤児を沢山連れて来て現状を嘆くミュージカルを開催しやがった。

御涙頂戴もののよく出来た劇だったが、率いる教会長の指に光るどデカい宝石の付いた指輪を売れば解決出来そうな事に途中で気がついてしまったので、笑いそうになるのを我慢するので忙しくストーリーは覚えていない。


「副団長よ、もしあの勇者とやらが姫を助けられたとするならば、それはドラマチックだろうか。」


…まぁ、ギリギリだがドラマチックだろう。

たとえヤラセだとしても、演劇なんかを見てもそう感じるのだから、大丈夫なんじゃないっすかね、知らんけど。


え?そんな強くなさそうだったの?

え?俺らが助けて辿り着かせろって?


まぁ、たしかにそうする事ができれば姫は素直に帰宅するかもね。

国家を樹立しようと忙しく働いている最中の、他国の重鎮にこれ以上迷惑をかける事なくこの話は解決できそうである。


これから国交を開こうってのに、あんまり迷惑かけてらんないのだ。


出張から帰ってきたらまた出張って訳ね。

了解です、マイロード。


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