ミサ・セミバラヌスの空虚な嗚咽以外は・・
荒波に叩きつけられるフジツボ
セミバラヌス・バラノイデス達の
神に懇願する歌・・
無機・・
あるいはかつて有機だった残滓達は、
船乗りに囁く・・
アナタはお帰りなさい。
命ある者なら
アヴェイロの路地の小さな家へ。
命亡き者なら
キリストの待つ暖炉の家へ。
かつて何処の国かは知らぬ
暖かな家で待っていた
あの優しい者達ももういない。
褐藻の腐敗と、藻類の死骸・・
ここではファドは無意味に響く・・
何も無いから・・
ミサ・セミバラヌスの空虚な嗚咽以外は・・
何も無いアベル・ミツライムの地だから・・