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The killer of paranoid Ⅱ 14

 霞は、一度警察に引き渡された後、事情聴取を受けすぐに釈放された。霞の両親が目を覚まして、家族の中で話をしたいと事件性を否定し霞の暴行罪に関しては事なきを得る事が出来たからだ。というのも、霞の両親が目を覚ました際に霞を暴行罪で起訴しようとしたものの、産みの親の麻衣子が二人に話をつけたという。父親としては新しい家族にこのまま秘密を通したい。母親としても虐待の歴史をメディアに晒され陰険な母親として周囲に晒されるのは御免被りたいという訳である。そして、もう1つの条件が霞が今すぐに家を出る事。これは霞もすぐに納得した。麻衣子に頼る事も考えたが、住み込みで働く事を霞は考えていた。夏樹は日々の中で霞の進展を気に掛けながら、両親に事情を説明し夏樹のアルバイトを1つ霞に譲る事と、自分の部屋を霞に提供し、自分はアルバイト先の倉庫に自分の部屋を作る事を伝えた。母親に呆れられながら、どうせならと家の空き部屋を1つ提供する形になり、霞にそれを伝えると呆れていたものの、暫く厄介になる旨を伝えて来た。麻衣子とは親子関係を築く為に頻繁に会って時間を一緒に過ごしたいとの事。麻衣子と夏樹の母親が面会し、霞を引き続き学校に行かせる事が出来るように金の工面も相談して事件から2週間が過ぎる頃には、落ち着く所に落ち着いた。家事全般をそつなくこなして来た霞の評判は家族内でも良く、むしろ夏樹の株が大暴落している程。麻衣子と普通に親子として上手くいけば一緒に暮らしたいと彼女は考えている。共に暮らして夏樹とも随分打ち解けた。


「家事のコツ今度教えようか?」


「んにゃ、いいやあたしは。これからちょっと忙しくなりそうだし。陰陽庁から呼び出し食らってるしね」


「非公式の陰陽師の集まりだっけ」。



「そうみたい。すっごいよね、何か秘密裏に動く基地があって正義の味方みたいな集団が存在してるとか」


「バクさんの妹が関係してるんだよね。今起こっている色んな事件に。カボチャの妖精とか何がしたいのかな」


あの事件を経験したせいか、霞にはバクが暫く見えていた。時間が経つに連れて今は大分透けて見えているらしい。


「さー⋯⋯っと、じゃあそろそろ行ってくるわ」


「ん、気を付けて。夏樹さん」


「⋯⋯⋯?」


「麻衣子お母さんと会えるなんて思ってなかったし、貴方に会えて良かったと思う。ありがとう」


夏樹は、それを聞いて不思議と笑みが零れて心が軽くなった。


Voo Doo Childと描かれた看板の建物に入り、階段を登って2階へと登る。店の入口には、黒い猫が鳴いて挨拶をしてくる。中に入るとオカルトグッズのショップになっており、男性の従業員に名前を告げると奥の事務所へと通された。中には早苗と紅葉、牧田等そして大人が複数人と支部局長の京子が出迎えてくれている。


「夏樹さん、陰陽庁怪異対策課京都支部へようこそ」




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