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Revenge tragedy of agent Ⅲ 5

 作戦が始まる時間になるに連れ、決定打に欠ける事態に京子は不安を覚えていた。この中からまた死者が出る可能性も。そう思うと気が気でいられない。社長がそんな彼女を察してか机の上に乗って寄り添ってくれる。携帯が鳴って、真義からの一報がもたらされた。彼女は定時連絡の途絶えた者を探してくれたらしい。


「真義さんお疲れ様です。無事でしたか、良かったです」


「いえそれが少々、問題が出てきまして」


それだけでなく、一つの希望を京子にもたらした。


「・・・え、ニュースキャスター?」


狐に言われた言葉が京子の脳裏に蘇る。


全ての者の“認知”を変えよ


さすれば道も開けよう


「真義さん、ちょっと変わって貰っていいですか?ちょっとその方にお願いしたい事がありまして」


真義は、一馬達を他の者に任せて再度廃校舎まで戻って来た。式札を4枚取り出してまだ隠れている化け物を感じとる。空に放つと4匹の鷹が四方に飛んでいく。咥えているのは結界の札である。それぞれの方角の木の枝に止まり木に張りつける。完成すると正方形の結界が廃校舎を囲んだ。時間稼ぎをするように言われているので、ここで化け物の注意を払いこの地に留める必要がある。真義にバックアップは必要ない。最強の式神である前鬼と後鬼の実子であり寧ろ一人の方が気楽に力を発揮できるというもの。恐らく戦闘を開始して10数分もすれば目の前にある廃校は瓦礫との山となっているだろう。叶うならここで討伐を。出来なければ可能な限り相手の力と力の詳細を暴く。


「さて、汚名返上となるように頑張らないと」


幹部の兄にも迷惑かけたしと、彼女はゆっくりと歩き始めた。真義は校舎の中へ入り、教室を見回り始める。職員室に血の後が残っていたので彼等以外に被害者がいたかもしれない。人の気配は感じ取れないので死体となっているだろうが。2階に登って教室を探索する。大きな天井が開いており上から血が流れてきている。グチグチと音をさせているので上にいる事は間違いない。死体を弄っている音のように聞こえる。穴から跳躍して移動すると、化け物は死体の骨で出来たナイフで捌いて遺体で遊んでいた。


「教会の犬が何をしに来たのかわからないけど、返り討ちにあったようね。結界を張って出られない事にも気付かず死体で遊んでるなんて貴方馬鹿?」


言葉は通じるらしく、馬鹿の言葉に真義に怒りの目を向ける。一馬達2人を助ける際に真義に斬られた腕を、遺体の腕をくっつける事で自分の体と融合させた。側にあった彼の腕は消滅して跡形もなく消え失せる。


「殺した人間を取り込んでコレクションって訳?面倒な事するのね、無限に再生する能力があるのに」


化け物は意外な顔をして、それから嬉しそうに微笑んだ。彼を正しく理解し、行動を看破した。それ故に神聖な領域に土足で足を踏み入れた目の前の女に激怒する。幾つもの骨の手裏剣を作り出し女に投擲した。到底回避出来る距離ではないが真義は刀で全て弾き、そのうちの一つが本人の額へと突き刺さった。ゆっくりと手裏剣を引き抜いてぽいと捨てる。お互いに間合いを計り始める。緊張が漂い、真義が攻勢に出る。刀で一刀両断にするつもりで放った一閃が、片腕で止められる。筋肉が膨張しており、刃が通らない。そこからカウンターを貰って前蹴りを食らった。後方に下がって体制を整える。


「全く、出鱈目ね」


刀を閉まって、真義も鬼の力を解放する。肌が赤くなり、文様が浮かび上がった。人ではない証である鬼の角が露になり凄みが増した。瞬時に化け物の間合いに入り、顔面を強打して3つ隣の教室まで吹き飛ばす。瓦礫と埃が舞いすぐ様真義は化け物を追いかけた。


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