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Revenge tragedy of agent Ⅲ 3

晴明の記憶によれば、数百年前外の世界の魔術師がこの地で暗躍し、禁書を盗み出し、世界の力を我が物にしようとしたがそれを阻止せんとする者達が現れた。かの者を追い続ける金髪碧眼の天才魔術師。かの者に体を乗っ取られた妹を追いかける為魔術師の世界から現世へ飛び出した金髪の吸血鬼と自動式人形。その吸血鬼の用心棒の野武士。京都を守護する聖獣を操る退魔師。そして退魔師にまとわりつく九尾の狐の娘姉妹。


「九尾の狐の娘が、禁書を封印する器となって封印には成功したが術を施した退魔師共々無惨に殺されたって話でな。残った妹と吸血鬼が魔術師を滅したが禁書の力は彼女の魂と一つになって混ざりあった。輪廻転生を果たして彼女がこの世界に生まれ変わっても彼女の中の禁書の術式は彼女と共にある」


そして彼女を知る妖怪は彼女の事を情愛を持って



(お嬢と呼んでいる、ね)



京子はそれから、烏丸天狗に案内され元来た道を戻って妖怪屋敷と呼ばれる妖怪達の総本山へとやってきた。目の前には大きな木造建築物。安倍晴明が妖怪を討伐する傍ら彼等に居場所を与えたのは幾つか理由があるという。当時まだ妖怪蔓延る時勢であり封印と称して人々の不安を分かり易く和らげる為もう1つは現世に居場所のない彼等に安住の地を与える為後噂でやんごとない方の子供を九尾の狐が身籠った等ともかく彼等はこの地に居る限り討伐される心配はない。無論出ればそうではないがこの世界へ通じる道には烏丸天狗等の衛兵によって身分を問われる。行きも帰りも自由で自己責任。ただ新参者は九尾に目通りする必要性があるらしい。文官や侍女が行き交い半妖等も多数見られる。大きな広間に出たかと思うと、花魁の様な胸をはだけた衣装を着た九尾の狐と思わしき女性が椅子に腰かけている。


「よう来たの。妾がここを取り仕切る玉藻である。して何用で来られたのか伺おうかの」


紅葉は自己紹介を手短に済ませ手土産を侍女に手渡し妖怪について詳しく語った。その上で討伐の糸口を探るべく尋ねたが、返ってきた返答は思ってもみない物だった。


「巷を騒がせている妖怪を討ちたい?⋯⋯不可能じゃな。滅する事は諦めるがよい」


「出来ないと?」


「うむ、そもそもあやつは思念の集合体じゃ。あの事件を目撃していた全ての人の事件への恐怖や畏怖から生まれた存在と言っても良い。そしてニュースキャスターのある一言であやつは生まれた


“10年に一度あるかないかの凄惨な事件だった”


そう言った時にあやつは生まれ


10年毎に動き出す夏の怪談として生まれたのじゃ」


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