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Voo Doo Childー陰陽庁京都支部局長に就任した13歳の少女の物語  作者: 夜桜一献
Revenge tragedy of agentー復讐代行人 Ⅱ
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Revenge tragedy of agent Ⅱ 11

前田達は手はず通り、指定の場所まで逃げ切った。追いかけて来なかったのは奇跡としか言いようがなく彼等の銃による一斉射撃は逃げる時間を稼いだ。教会関係者に男性を任せて車で基地まで戻り、誰も口を開かないまま到着する。ジョンが死んだ事に加え、銃弾で死なない相手に為す術なく逃げ帰った事実が気を重くしている。距離を取り、蜂の巣にすれば片が着くと本気で信じていた。基地に着き、エクレア・アルバーンと沢山のシスター達が拍手で出迎える。


「ミッショッンは成功でしたわね。おめでとう御座います」


ヘルメットを外して前田が憤る。


「何の冗談だ?ジョンは死んだぞ。俺達の攻撃は通用しなかった。任務は失敗だ!!」


「まぁ、ピンポンダッシュして妖怪おちょくって返り討ちにあった挙げ句逃げて帰ってきただけですしね。誰かさんが調子に乗って近接戦闘したせいで!!」


「うっさいアホ。人質救出できたんやしええやろ!!大体あんなラスボス想定外やろ!!訓練であんなんおらんかったやんけ!!」


「逆に捕まってもおかしくなかったわよ!!逃げきれたのがラッキーだっただけよ。今になって震えが止まらないわこの馬鹿!!」


「なんやとこのガキ!!」


「やめろ二人共!!」


「あれを相手に生きて戻っただけで成功でしょう。スーツの有用性は証明されたも同然です。今回はデータ収集が最優先。訓練に加え更なる強化と人数が増えれば圧殺出来るようになりますわ。今後はうちの新人共一緒に訓練いたします」


前田が、2人の顔を覗いて意志がある事を確かめる。京都大震災を経た2人に迷いはない。今回の失敗で二人が降りる気はないと確認すると


「お願いします」


そう言って、戻れぬ道を歩み始めた。



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