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Voo Doo Childー陰陽庁京都支部局長に就任した13歳の少女の物語  作者: 夜桜一献
Revenge tragedy of agentー復讐代行人 Ⅱ
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Revenge tragedy of agent Ⅱ 1

挿絵(By みてみん)




九条駐屯地


 京都大震災後に設立された、まだ新しい自衛隊の施設である。7年以上前に京都で起きた大規模地震によって京都の町は壊滅し、死者、重軽傷者合わせて数万人規模とされ美しかった町並みは火災で燃え、人々は救いを求めた。その最中で、救助活動を大規模で行ったのが自衛隊だった。火災消化、人命救助と探索、物資の運搬と呼び掛け仮設住宅の設営とお風呂場やトイレの設置等作業は多岐にわたった。海外の協力部隊、他県からのボランティア。そして膨大な金額に膨れ上がった京都震災の募金額をもって少しずつ活気も取り戻した。大災害の跡地、壊滅した町を支援してきた拠点として活用してきた場所が、あれよあれよという間に復興する町並みと共に駐屯地も建設された。京都の町に自衛隊の施設が出来る事に反発する運動も無い訳ではなかったが、政府によって強引に計画は推し進められ、また自衛隊に助けられた人々から感謝も声も多く上がった為地元の人々には受け入れられた。災害の規模が大きい場合、自衛隊が駆けつける速度が遅いか早いかで生死を分ける場合もままにあり体験した人々が、近くに居て貰った方が同じ事があったらいいかも、と実感したのは言うまでもなく。反対しているのは、関係の無い他県の人間や自衛隊を軍隊にして活発化させたくない人たち等で観光都市京都を戦場にするつもりかと今でもプラカード片手に運動をする人も数人規模で存在している。災害時は勿論の事、妖怪の強さや被害規模によっては、陰陽庁と連携して妖怪を討伐する事もままにあり、全国の中でも自衛隊が武器を装備し、稼働する事のある常在戦場ともいうべき過酷な任務地である。直近で言えば、陰陽庁本部に呪術師が侵入した一件で陰陽庁の要請で、この九条駐屯地から出動している。その中でもトップと呼べる三島陸将が、陰陽庁から連絡を受け取っていた。


「それで、我々の出番はまだないと?支部が全滅しかけたそうですが?」


「ええ、相手はとびきりの妖怪ではありますが・・・今自衛隊を稼働させるとなるとそちらに無駄な損害も出かねません。情報を集め、勝てる算段を整え再度討伐する予定ですので」


「成る程、そこから我々も協力出来ると」


「そういう事になります。なるべくであればこちらのみで片を付けたい所です」


「了解しました。ではまた改めて要請下さい。いつでも出動の準備はさせておきます」


「ありがとう御座います」


そう言って、三島は電話を切った。

随分若い声に眉をひそめる。


「まるで子供の声だったが・・・まさかな」


電話の相手が中学生、去年はランドセルを背負って小学校に通っていた等と夢にも思わず、秘書が持ってきた湯飲みに手を付け飲み始めた。


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