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Voo Doo Childー陰陽庁京都支部局長に就任した13歳の少女の物語  作者: 夜桜一献
Revenge tragedy of agentー復讐代行人 Ⅰ
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Revenge tragedy of agent Ⅰ 4

 「10年前だって、知ってる?」


「うちの親が知ってた。すげー懐かしんでたけど未だにびびってる感じ」


「アパート拠点にしてたんだよね。でも借りてた人も遺体で見つかったって」


「マジで謎だよな。何人殺したら気が済むんだよ」


「アパートに見つかった遺体が10人以上!!ひえー」


「何十年前にも居たんだよな。じゃあもう結構なおっさんじゃねえの」


「人骨で殺人道具作ってるとか怖すぎ」


「これぞ都市伝説って感じよね。丁度そろそろ10年目らしいよ」


ワイワイ、ガヤガヤと学校の教室では昨日の番組の話題で持ち切りになっている。また、TVによる一過性の何とやら。京子と紅葉は苦笑して周囲を見ていた。季節は夏に変わり、皆制服が夏服になって露出が増えた。怪談の話題で盛り上がるのも季節柄と言えなくはない。最近、心霊特集や特番が数多くやっているのでその影響もある。未知への恐怖に興味津々で、皆考察に思いを巡らせている。犯行現場、周辺状況、生存者、被害者の近親者、それらを照合して自分達なりに犯人像を思い描いていく。


「今日は皆が名探偵。私は話題についていけない犯行現場に群がる野次馬でしかないなんて」


仕事で特番を見逃して見れず、話に付いていく事が出来ない。この年頃のTV鑑賞はコミュニケーションにおいて死活問題である。せめて録画しておけば良かったと後悔した。


「意味わかんないわ、それ」


隣で紅葉が突っ込むと、京子も自分でも意味がわからないと苦笑した。


「でも、警察もズサンよね。そんな危険な犯人を未だ野放しにしてるなんて」


「紅葉は昨日の特番観たの?」


「一応ね、休みだったし久しぶりにリビングでのんびりしてたわ。京子は?」


「陰陽庁の帰りに、事務所寄って仕事してたけど」


「まぁ、お疲れさま。てか、そいつ妖怪じゃないの?」


それなら警察で捕らえる事は難しい。仕事が回って来ても不思議ではない。


「どうだろ。もしそうなら、陰陽庁本部から何か指示が来ると思うけど。今日、寄ってく?」


「いい。お姉ちゃんそっちに入り浸ってるから情報があったらすぐにくれるだろうし」


紅葉は中学生にしてすでに有り得ない重職に就いた彼女に多少の同情の目を向けた。それでも素直に喜べないのは今も肩を同じくしたい思いがあるからだが現実に目を向ければ、彼女はすでに役職は遥か上。今は一つ一つ、階段を上るように実績を積み上げていくしかない。いつか彼女と再度同じ所に居られるように。程なくして学校のチャイムが鳴り響き、昼休みの時間が終わりを告げた。






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