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The killer of paranoid Ⅷ 32

 白虎、朱雀、呪術捜査官の連携を以てしても疑似神と青葉に今一つ届かない。朱雀は全員の防御結界を張り巡らせ、攻撃は主に紅葉と白虎。後方支援で捜査官達がサポートしている。特に青葉が呪術戦に強く後方を警戒している。白虎と疑似神、青葉と紅葉と呪術捜査官の構図へ。紅葉は自分がやられた時点で状況が一変するのを恐れて強くは踏み込めず回避に専念。捜査官達も呪術戦として主に式神に近接を行わせており、接近を警戒している。早苗も回復したばかりで全快とは言えず近接戦闘が出来る程回復はしていない。白虎も疑似神との近接戦は避けひたすら雷撃を当ててヒットアンドアウェイの繰り返し。詰めて来たら星南が魔法での一撃を見舞って下がらせる。


青葉が状況の打開の為再度空中へ飛ぶ。上空には無数の式神が浮遊しており、それらが集り槍と化す。


「そら、もう一度敗北を与えましょう。白虎が結界を張った瞬間に攻撃なさい」


「朱雀、持ち堪えられる?」


「無論防ぎきってみせよう、だが白虎は⋯⋯」


「気にすんな。俺も舐められたモンだな」


手を振り降ろす瞬間、全ての式神が自発的に消滅していく。


「何が起こった?邪神の契約が切れたとでも?」


周囲の状況が一変する。黒い霧が晴れ、式神達が消滅していくのを見れば誰でも理解出来る。しかし納得等出来るはずも無い。“邪神を制した”という事実に考えが及ばない。何らかのトラブルと考えた方がしっくりと来る。大多数を無理矢理信仰させる事で強大な力を得ていたが、それらがなくなれば当然力は霧散する。疑似神は苦しみ始めて地面に頭を擦り付けた。


「テラメアよ。貴方はすでに顕現している。少なからず信仰者も居る。何を恐れる?失う物等ないでしょうに。自覚なさい。貴方はすでに一角の神である事を!!」


その様子を好機と見た紅葉と早苗は白虎と朱雀に攻撃を命じる。炎と雷を浴びせる。光が発せられ、疑似神はその姿を白から紫へと変える。髪も伸び、筋肉質へと変質を見せる。攻撃は効いておらず、彼の結界に防がれた。白虎が警戒していたが距離を詰められ、蹴りを食らわせられる。回転しながら地面に爪を立てて何とか持ちこたえる。しかし崩れ落ちて立つ事も出来なくなる。


「白虎!!」


「出てくんじゃねえ!!死にてぇのか!!」


「状況が良くなったとは思ったがこれは⋯」


星南が眼の前の疑似神の力が強まった事を悟る。


白虎に駆け寄った紅葉に跳躍して距離を詰めるテラメア。紅葉も目を閉じて覚悟する。


「ハハハハハハハハ!!そうです。貴方は神テラメア!!こんな奴ら如き恐るに足らぬ存在!!」


紅葉への一撃を、突如として現れた騎士が盾で受け止める。次いで、箒に跨がって空飛ぶパンプキンの被り物をした少女がランタンから火を放って青葉を下がらせた。


「何者だ!?」


盾で防いでいる間に周りこんで夏樹が小型のハンマーで打ち付ける。その渾身の一撃によりテラメアの横腹にヒビが入る。テラメアは苦しみながら距離を取る。


「何者って言われたら、あんたらに巻き込まれた唯の女子高生なんだけど」


「唯のじゃないでしょうがあんたは」


「いつの間にかそんな騎士召喚してた霞には言われたくない」


夏樹はハンマーを肩で休ませて鋭い眼光で青葉を見据えた。



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