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The killer of paranoid Ⅷ 4

陰陽庁東京支部局


広い室内に巨大なスクリーンと演算システム、状況の分析や解析を行うオペレーターが十数名居り、状況の把握に務めている。何羽もの鳥類型の式神を操りその目を通して情報を収集したり、その映像を取り込み、解析して予測を行える演算システムが置かれている。大規模な結界を瞬時に張り、東京を守護したり、施設に蓄えられた霊力を駆使して自動型の式神を大量に放ってある程度それを動かす事も出来たりする。通常であれば魔法使いの転移を検知したり、日々生まれる妖怪の検知を行っている施設。東京支部局長の瀧田は国会を行っている首相に国会を一時中断を進言した後、議事堂に増員を送り込む手筈を整えた。オペレーターが状況を報告し、清治との連絡から15分程が経過していた。


「晴明は巨大な化け物を封印に成功。その為、身動きは取れない模様です。前線の者への術札の手配。行き渡って居ない者には携帯のアプリを通じて転送を行える様にしています。精鋭のスタッフは本館の2階に集結、いつでもいける様に準備を整えていますが、半妖の組合から幾つか協力の申し出が届いてます。更なる戦力の増強が見込めますが?」


「有難い、が時間も惜しい。あれ程の悪魔殲滅戦は厳しい戦いになるだろうが、こちらには守護聖獣を持つ者達が3名も居る。すぐにこちらへ転送して貰えるように京都本部へ繋げてくれ」


後ろから扉が開かれ、瀧田は副局長の柄田がここに現れた事に安堵する。


「瀧田さん、京都に頼るんですか」


逆に柄田が愕然とした表情で瀧田を見る。


「ああ、仕方ないだろう。晴明の残した式神3体の保険があるに越した事はない。それより幽玄舎との死焔との情報交換はどうだった。今回の奴らの目的は?」


「そんな考えだからいつまで経っても、我々が主導権を握れないんですよ。最強の式神なんてものは無くても構わない。寧ろフラットにして新たに戦力を作り、我々がイニチシアブを掌握する事の方が重要だと分かりませんか」


「何を言っている?」


柄田は銃を瀧田の額に当てる。


「こんな時に冗談は止せ」


銃の発砲音が聞こえてその場の全員が凍り付く。最後の瞬間まで瀧田が発砲する等微塵も思っていなかった。


「局長は余りの不甲斐無さに自害なされた。以後私が“陰陽庁東京本部の長”として指揮を執る。異論はあるまいね」


オペレーターが緊急の救援の連絡を貰い、報告する。


「今前線スタッフの居る2階で死焔と思われる者達から強襲に遭っていると職員から連絡が!!」


その場が騒めく。しかし柄田はそれを聞いても動揺はしていなかった。管制室にも赤と黒の装束を着た者が1人現れ、キョンシーを複数召喚してオペレーターを監視する。


「ああ、気にしなくて構わない。ただ、妙な真似は控えた方が賢明だ。新たな陰陽庁を作り上げるプロセスでありーーーーー新たに我々の最高戦力となる存在のデモンストレーションに過ぎない。良く見ていたまえ。組織が作り変えられていく様をね」



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