The killer of paranoid Ⅳ 4
上野綾乃には、幽霊や妖怪が見えているがそれだけではない。その人間の重荷になっている心が産み出す足枷や、強すぎる妄念が生んだ頭に浮かぶ球体も確認している。しかしながら、最近はそういった人間を見かける事が多くなっている。一時的な事なのかもしれないと気にしないようにしていたが、綾乃は少しずつその事に違和感を覚え始めていた。
「こんなに球体が現れるなんて事件だよ、これは。何かが起こる前触れかも」
「んー、何かこの学校の生徒だけにそういった人が集中している気がするんだよね」
「流石、綾乃さんだよね」
何を言ってるのかサッパリ、と一緒に昼食を食べている女の子からそう突っ込みが入る。綾乃の言う、頭の上に球体の様な物は当然ながら見えない。全員お弁当を広げて半分程食べており、昼食時間も折り返しにきている。
「例えば、あんまり話した事ないけどクラスの一番前、真ん中の席の羽名君の頭上には、彼自身が見えるんだよね。何に強い自分への思いがあるかわかんないけど」
「あー⋯分かる気がする。彼、完璧主義者で、ナルシスト入ってて自分に出来ない事はないって豪語してるし、そういう意味合いかもね」
「今廊下を通った隣のクラスの瀬川さんは、何故かはわからないけど筋肉の塊が見えてるし」
「あの子、筋肉モリモリ系大男子好きっ子なんだよ」
「洵ちゃんは、私の顔がハッキリ映ってるし」
『それは言わなくても分かるわ』
と二人から返された。
「ちょっと、綾乃の話に乗らないでよ。この子真に受けて変な事に良く首突っ込むんだから」
「ごめんごめん、ちなみに、私とか何か上に浮いてるの?」
「言っていいの?3組のーーーーーー」
名前を言う前に女の子に口を塞がれる。
「ーーーもが!?」
「ごめんなさい、耳打ちで正解言ってくれる?」
女の子に耳打ちで答えを伝えると、顔を赤くさせて正解だと打ち明けた。
「綾乃さんは変わらないわねー。オカルト大好きは昔からだったけど」
「そういう事なら、最近変な噂が立ってるんだけど、知ってる?運命を惑わすカボチャの妖精の話」
「なにそれ、ハロウィンはとっくに終わってるっての」
「何でも出会ったが最後、自分の人生が180度変わるって聞いたわ。他の学校じゃ良く出没してて目撃例が凄く多いんですって!!ひょっとしたらうちでも出るかもしれないわ」
「180度?真逆!?」
綾乃が分かりやすく餌に掛かった魚の如く興味を示した為、洵も綾乃を見て怒りの笑みを親友に向けていた。




