黒薔薇病棟
「どうして、おそとにでてはいけないの?」
「お外は、とても危険だからでございますよ」
白い霧に濁された黒い森、その奥に。
天空まで突き抜けるような、高く聳(そび)え立つ塔があった。
塔の中で暮らしているのは、黒く甘い幼き令嬢:黒薔薇(くろばら)と黒く冷たい道化師:黒戯(くらぎ)。
霧と共に揺れ動く塔に訪れる者は、一人も居ない。
静かで安全なこの塔で、二人きりで暮らそう―
「ちょっと、くらぎ。ごはんはまだなの?」
「あと五秒だけ、お待ちください」
幼い令嬢と道化師が織り成す、黒く切なく残酷な恋物語。
「お外は、とても危険だからでございますよ」
白い霧に濁された黒い森、その奥に。
天空まで突き抜けるような、高く聳(そび)え立つ塔があった。
塔の中で暮らしているのは、黒く甘い幼き令嬢:黒薔薇(くろばら)と黒く冷たい道化師:黒戯(くらぎ)。
霧と共に揺れ動く塔に訪れる者は、一人も居ない。
静かで安全なこの塔で、二人きりで暮らそう―
「ちょっと、くらぎ。ごはんはまだなの?」
「あと五秒だけ、お待ちください」
幼い令嬢と道化師が織り成す、黒く切なく残酷な恋物語。
注意書き
2020/02/10 17:45