弱者への闇

福祉とはなんだろうか。

人助け?

手助け?

概念はあるようで感情任せになると無いもの。

施設の不祥事がニュースで流れる。

ストレスを入居者にぶつける。

子どもは子どもで親からの虐待。

施設に入れられても心は閉ざしたまま。

障害があるとそれをいいことに彼らのせいにする。

まったくおかしなもんだ。

福祉とは名ばかりなのか。

子どもの頃から彼らに対応する大人に疑問を持っていた。

なぜ彼らと遊んではいけないのか。

もし、怪我でもさせたら。

相手にすると自分の子まで同じ目で見られる。

悲しいかな、大人が差別するような態度だった。

小学校には「特殊学級」というものがあった。

学力的に後れを取っている子供たち。

話しても普通だと思っているのだが、時間をかければ彼らも同じ学習が出来る。

時間で左右される世の中。

時間に支配される人々。

時間をかければ学習能力は劣らないのに大人がそうさせている。

それだけで差別化を図る学校。

彼らは頭が悪いわけでない。

伝達する能力がちょっと遅いだけ。

時間で覚えられる範囲を縮めてしまっている。

決して怠けてるわけでもない。

学習方法を変えたら彼らは変えられるのではと思った。

中学校の近くには知的障害の施設があった。

近くを通る生徒は気味悪がれる。

同じ人間なのに何故そう思うのだろう。

下校途中、門の間から「ばいばい」と手を振る子に手を振って返すが同級生に止められた。

同じ仲間だと思われたくないようだ。

私は返す言葉がなく無言で帰宅した。

電車に乗るだけでも周りの目は冷ややかだった。

彼が何をしたというのだ。

施設があるだけで大人の反応は良からぬ憶測の声がした。

ある日、施設が引っ越すことになった。

理由は知らない。

胸をなでおろす大人たち。

まるで犯罪者扱いだ。

私自身「かわいそう」など口にすれば非難される。

ここでも私は口をつぐんだ。

電車通学ともなれば聾学校の生徒が手話で話している。

駅のホームでは誰もが無視だが彼らは楽しそうだ。

やはり仲間がいることが大切なんだなと思った。

逆にこちらから話しかけたらどうなるだろう。

彼らを避けてきた人のひとりとして見られてしまうのではないだろうか。

「あなたには私たちのことがわかるのか」

そんなことを言われてしまうのではないかと小心になってしまう。

気持ちの上で少なからず壁を私は作ってしまっている。

知的障害の学生が電車内にいると不良学生が睨みを利かせている。

ただじっと見ているだけだが明らかに嫌がらせだ。

注意したらと思うが返り討ちにあう可能性が高い。

周りの大人も何もしてあげられない。

何かが起きてしまっては遅いが、何かが起きない限り知らんぷりの車内が重たかった。

駅のホームではスロープやエレベーターが設置されるなど障がいや高齢者には多少は便利になったかも知れない。

だが、エレベーターを使用するのは健常者。

自分たちが楽すればいい。

そんな状況だ。

とある駅で電車内から車いすで出ようとした男性がいたがホームとの段差でなかなか出られない。

「すいません」と声を出しても駅員は来ない。

私と近くにいた女性二人で押して出すことが出来た。

こういう時の駅員って何故無視するのだろう。

彼らには構っていられないほど忙しいのか。

ホームが良くなっても人が動かないと何もならない。

駅の周りでも視覚障がい者のための黄色い誘導ブロック。

杖で確認するためだが自転車が置いてあったり人が立っていたりして邪魔になる。

若者数人が屯っていると杖をついた女性が感知して「邪魔だよ」と声を出す。

舌打ちして去る若者。

彼女に暴力を振るわなかったのが救い。

健常者と共同するはずの環境を整えても人が動かないと何もならない。

駐車場の障がい者用スペースもそうだ。

健常者が堂々と車を停めている。

共同するのは難しいのか。

冒頭で施設の不祥事をあげた。

入居者への暴力、殺人。

ストレスの理由が多いが弱者に鬱憤を晴らすとは何事か。

とあるコンビニにワゴン車が停まる。

中からストレッチャーに乗せ寝た状態で運ばれる男性。

言葉も儘ならない障がい者だ。

コンビニの弁当を食べさせるようだが扱いが酷い。

弁当を男性の目の前で見せるが「これか?これか」とその間は一秒くらい。

とても選ばせる状態でない。

「これでいいな」と適当に職員が決めてしまう。

「あーあー」と声をだす男性は「違う」とも聞こえた。

時間がないから何でもいいだろ。

そんな雰囲気だった。

そして再びワゴン車へ。

ワゴン車は黒いカーテンで中が見えない。

本当に食べさせてもらっているのだろうか。

施設は時間が決まっている。

入居者の自由にはならない。

まるでペットや家畜に餌を与えるかのような感じだ。

施設とは名ばかりで人間扱いにされてないのかと怒りを覚えた。

介護保険も不正使用されたことで介護度の変更や受給が減額に法律で決まってしまった。

不正した者を取り締まればいいかと思うが、対象者全体に改正された。

今まで受けた介護保険が受けられなくなった人もいる。

現場を見て行政改革して欲しかった。

ここでも弱者への圧力が感じられる。

福祉って何だろうね。

人との繋がりのはずが自己中と金によるものになっている。