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 朝、いつものように起きて、朝食はパンで済ませた。朝飯を作るのはもう少し早起きすればできるがちょっと面倒。

 スマホを見ると、琉花からメッセージが来ていた。


(昨日と同じ時間の電車でいいよね?)

(それでいい)

(りょうかい∠(`・ω・´))


 身支度を終わらせ、駅に向かう。この時間は歩いているほとんどが学生だな。

 お、あの制服は結構可愛いな。制服で高校を決めれば良かったと後悔しそうになる。


 今の高校を決めたのは県内 高校で調べて一番上に出てきたからだからな。

 高校なんてどこも一緒だろとか思ってたあの頃が憎い。もっと考えればよかった。

 過去の自分を恨めしく思っていると、声をかけられる。


「耀くん、おはよう」

「おはようございます」

「おはようさん」


 琉花と結奈と電車で合流する。


 座席に二人を座らせ、俺はその正面に立つ。


「耀くんは座らないんですか?」

「立ってた方が何かあった時すぐ動けるだろ」

「・・・以外に仕事はしっかりするのだな」


 普段は座ってゆっくりしたい。休めるときはしっかり休むのが俺のモットー。


「受けた仕事くらいはな。ただ、お前らもう少し危機感を持てよ」


 昨日電車で会った時はもっと周囲を警戒していた。


「でも耀くんがいるなら大丈夫なんでしょ?」

「お前ら俺を高く見積もりすぎだ。どっから仕入れた情報で俺を知ったのかはしらねぇけど、翡翠だから安心しているんだろうが、こちとらまだ高校生だぞ。お前らと同じ年齢ってことを忘れるなよ」

「確かにそうだね」

「それと知ってると思うが俺家出中だから実家の力は借りれないからそこんところよろしく」

「「え?」」

「その反応、まさか知らなかったのか?」


 自分で言うのも何だが、俺の家出は結構派手になったから俺のことをを知っている奴らは知ってるとばかり。

 高校入学とともに一人暮らしを始めたのは、その家出が原因だ。家出騒動がなくともいつかは一人暮らしはしたいと思っていたので遅かれ早かれ行動には移していた。

 でもまさかあそこまでの騒動になるなんて、ちょっとお互いにやりすぎてしまった。

 でも反省はしないけどな!


「それってまずいですよね?」

「どうなんだろう?」


 翡翠を頼りに俺を見つけたのなら少しかわいそうだな。

 他の翡翠に頼っていた方が実績もあるし、何より実家の力を借りれるのがでかいからな。


「今からでも他の奴に頼むか?家出中だしから俺から連絡はしないんで、お前たちで探してもらうことになるけど」

「瑠花、どうしますか?」

「うーん」


 こいつらがどこまで翡翠について知ってるのかは知らないが、反応から実家を頼りにしてたんだろうな。


「いや、耀くんで大丈夫かな」

「・・・そうか」

「うん、私の直感で大丈夫だって」

「結菜はいいのか?」

「私は瑠花に従うだけです」


 見上げた忠誠心だな。


「どちらにせよ、金がないなら依頼はできないだろうからお前らじゃ門前払いされるのがオチだな」

「それもそうだね」



 てかこんなことを他人の耳が多くある車内でする話でもないんだが、翡翠って話を聞いて少しくらい警戒してくれる方がやりやすい。



「そういえば耀くんは何の部活に入るの?」

「全く考えてない。そもそもお前らと下校するなら部活なんて入れないだろ」


 俺が部活に入ってしまえば、俺の部活が終わるまでこいつらを待たせてしまう。それは流石にできない。


「でもこの学校って何かの部活に入るのは絶対ですよ」

「そうなのか?」

「昨日先生が言ってましたよ?聞いていなかったんですか?」


 言われてみれば、言っていたような気がする。そのときは考え事をしてたんで聞き流してた。

 確か、うちの学校は文武両道を掲げているから部活にも力を入れてるとか。

 昨年は野球部が惜しくも県大会準優勝で甲子園を逃したなんて言ってたな。


「部活をやらないといけないのはわかった。なら放課後は互いの部活が終わるまで待たないとな」


 少々面倒だが、こればっかりは仕方ない。

 形だけの部員でおっけーな部でもあればいいんだけどな。


「私たちが同じ部に入ればいいんだ!」

「え?」

「だって同じ部なら一緒に帰れるよ」


 確かにそうなんだが、そうなると家にいる以外ほとんどこいつらと一緒じゃねぇか。こいつらといると悪目立ちするのはこの際仕方がないが、それでも最低限に留めたい。

 だから部活くらいこいつらと別がいいんだけどな。


 結菜をみるともう決定事項みたいで何の部活に入るのか、楽しそうに考えている。

 瑠花も結菜の話にうんうんと頷いている。


 俺の意見は聞かずにもう決定なんだな。ちょっとは俺の意見も聞けよ。

 でも否定したところであいつに知られれば「部活くらい一緒にやればいいじゃない、てかやりなさい」って絶対に言うな。

 結局、俺の意見なんて捨てられる。


「今日、部活動オリエンテーションがあるみたいなので、それを見てじっくり選びましょう」

「そうだね。三年間やる部活なんだから楽しい部活がいいね」



 そんなことを話して、高校についた。


「じゃあ、また放課後ね」


 瑠花と別れて二人で教室に入る。

 席も前後で近いので自然とそのまま話すことに。


「瑠花が部活について言ってたけど、お前は何か入りたい部活とかないのか?ああ、瑠花が決めたやつならいいってのはなしな」


 どうせそう答えるので釘をさす。


「そうは言っても特にないです。昨日の自己紹介でもそう言いましたよ」

「確かに言ってたな。なら中学とかでやってた部活とかは?」

「私も琉花もテニスをしてました」


 意外だな。こいつは運動できそうだけど、琉花とか運動苦手だろ。


「でも高校ではテニスをするつもりありません」

「何でだ?」

「男子テニスと女子テニスでは部活も違うので終わる時間もまばらでしょう。同じ部でないと一緒に帰れないです」

「やっぱり同じ部に入部するのか?」

「そうですね。それが一番琉花のためになります」


 流石、琉花至上主義だな。


「二人で話してどうしたの?昨日から思ってたんだけどもしかして二人って知り合い?」

「昨日初めて会いましたよ、それがどうかしましたか?」

「なんか親しげに話してたから、私も町田さんと仲良くなりたくてね」


 邪魔が入ったので、俺は前を向き本を開く。こうしていれば、話しかけては来ないだろ。


 結菜は数名の女子に囲まれ、姦しく話している。

 とりあえず、ホームルームまで本を読んで待とう。







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