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拳姫冒険録 俺より強いやつに逢いに行く  作者: 長門症候群
序章
1/12

 拳鬼と呼ばれる男がいる。


 人々の口の端に拳鬼の名が上るようになったのは、彼の見てくれが青年と見られるようになった頃だった。

 当時はまだ道場や武道会といった組織活動が活発で、各地に多く存在していたが、それらが道場破りに遭ったのだ。

 道場破りといえばその頃はまだ珍しいというほどのものではなかったが、端から順に塗りつぶすように被害が広がっていくとなれば、通信手段の発達していなかった時代であっても武を生業とする者たちの間で噂話として全国に広がるのは早かった。その頃から、彼は拳鬼と呼ばれるようになった。


 ある時、国内で彼を見かけたという話が途絶えたが、しばらくして今度は海外に彼がいるという噂が囁かれるようになった。国内において彼の相手となるものがいなくなったから、国外に次の相手を求めて海を渡ったのだろうというのがもっぱらの噂だった。


 それからも時々、どこそこの紛争で彼を見かけただとか、あの格闘技家が彼に負けたらしいとか、そういった話が流れることがあったが、それも時が流れるにつれ頻度を減らしていった。そのうち、巷で拳鬼の名を聞くことはなくなった。


 拳鬼と呼ばれる男がいた。

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