第7話「カードゲーム」
街に出たのんは、目的の場所に向かっていった。
のん「えっと。お姉ちゃんの頼みは、学園ステージの背景用に、資料の写真を撮るのね」
のんはデジカメを取り出した。
ふっと横を見ると、カードゲーム専門の店が映った。
のん「こんな所にカードショップが出来ている。せっかくだし、ちょっと寄ってみようか」
のんはショップの中に入った。店内はかなり綺麗で、いろんな種類のカードパックが並べてある。
のん「へー。最新のカードがある。あ、こっちは、新しいカードゲームパックね。名前は『ピカキュア!カードゲーム!』か」
ピカキュアとは、日曜朝8時半に放送されている女子向けのアニメであり、今年で生誕15周年で、これはその記念に1年前にカードゲーム化されたようである。
のん「せっかくだし、お姉ちゃん達のお土産を含めて少し買っておこう」
のんは、レジにいる店員に話しかけた。
店員「いらっしゃい」
のん「ピカキュアのカードのスターター5パックと、ブースターを100パックください」
それを聞いた店員は驚いた。
5分後
のんはカードがいっぱい詰まった袋を持ちながら、店を出た。
のん「帰ったら、『カードパック開封してみた!』の動画を撮ろうか」
そう言って、目的の大学に向かった。
その大学はゲーム専門の学校でいろんな有名なゲームのディレクターやプログラマー達がこの大学の出身で有名である。
のんはカメラを取り出し、風景を撮っていた。
少し周りを取りながら歩いていると、何かを見つけた。
のん「?何だろうあれ?」
近づくと、墓石のような石だった。
傍には、踏みにじられた花が添えてあった。
?「ひどいものでしょう」
声した方を向くと、この大学の学生と思いしき女性が立っていた。手には花を持っていた。
学生「これは1年前に自殺した私の親友のお墓なの」
のん「自殺したって、何があったの?」
学生「私の親友は『上川百恵』と言って、勉強もスポーツも得意なお嬢様で、ピカキュアと言うアニメが好きな子だったの」
学生は、墓に花を添えた。
学生「けど、1年前に彼女の家が突然無一文になって、その次の日に自殺したの」
のん「突然って…何で?」
学生「分からない。それで彼女の家族は一家離散して、彼女の友達もみんな『死んで当然の女だ』と言って彼女を見放されて…、私、訳が分からなくて…」
のんは思った。
いきなりお嬢様が無一文になって次の日に自殺して、しかも友達も手の平を返すなんて。
これには何か裏がある。のんはそう思った。
のん「ねぇ。その子、百恵って言ったよね?その時に、何か変わったことが無かった?何か悩んでいる事とか何でも!」
学生「変わった事って…。そういえば、あの子が自殺する2日前、『もうすぐ発売されるピカキュアの最新カードゲームがやれるかも!』って言ってたような…?」
1年前に、「発売されるピカキュアの最新ゲームがやれる?」そう言えば、ピカキュアのカードゲームが発売されたのは1年前。時期的に合うようだが、自分一人だけでは解決できないかもしれない。こんな時は…。
のんはスマフォを取り出し電話をかけた。
同時刻 天魔堂
なおは、夢麻の描いた背景をチェックした。
なお「なかなかいい出来じゃない。OK。このステージの背景は完成よ」
夢麻「そうですか!良かった!」
夢麻は喜んだ。
夢麻「そう言えば、開発室は、私達以外誰もいませんが…?」
なお「あぁ、それなら…」
すると、なおのスマフォが鳴った。
なお「ん?ちょっと待って」
なおは電話に出た。
なお「もしもし?あ、のん?背景の資料撮れた?…え?……わかった。すぐに調べるから」
なおは電話を切った。
なお「ごめん。その質問はまた今度!」
夢麻「ど、どうしたんですか急に!?」
なお「緊急の仕事が入ったみたい。今度は、アタシ達天魔としてのの仕事をね!」
早速夢麻の案を採用してくれたみたい。