第2章第2話「ウィング・ムーン」
なお「アンタの所の所長から聞いているわ。最近入ったばかりなのに脱走者はここ1年で0人って」
マグマ「貴女のような方に私の活躍を聞き入れるのは光栄です。そちらの人間族の方はお噂の…」
なお「えぇ。アタシ達姉妹全員彼女達と契約した人間達よ。アタシ達の連れだから丁重に扱ってよね」
マグマ「所長から伺っております。所長の元へ案内しますのでついてきてください」
大きな門の前に立つ一同。
マグマ「この門の中が、所長室です」
ノックをし、門を片手で開けるマグマ。
こんな大きな門だからさらに大きな大男が居るに違いない。
中は、大きな部屋の割には普通の本棚数個と机とイスが一つずつあるだけだった。
イスは、こちらに背を向けている。
マグマ「お連れしました所長」
???「…ごくろうだった。ひさしぶりだななお・ぐりーんすかい」
座っていた人物がイスから降り、こちらに来た。
この人が所長?
悪魔の羽根を生やしているが、それ以外の見た目は小学1年生位の身長の金髪ツインテールの女の子だった。
少女「よくきたなひゅーまんぞく!わたしは『かんごくとう』のしょちょうをしている『ウィング・ムーン』よ!」
なお「相変わらずねウィング。あの2人がここに入ったと聞いたけどまさかアンタが所長だったとはね」
ウィング「おまえこそ、じゅうにてんおうのなかでいちばんはやくひゅーまんぞくとのまいぱーとなーけいやくするとはな。ひとまずすわれ」
ウィングが指をパチンッと鳴らすと、上からソファーとテーブルがゆっくり降りてきて床に着地した。
テーブルの上に、リンゴジュースが入った人数分のグラスが乗っていた。
なお達はソファーに座った。
ウィング「はなしはきいている。ぶろりとあんじゅのふたりをむかえにきたのだな。…ほかのれんちゅうはどうした?」
なお「アロマ達なら迎えに行きたくないって」
マグマ「無理もありません。ブロリとアンジュリーゼは十二天王の中で最悪の問題児ですので…」
ウィングの後ろに立ったままマグマがそう答える。
飲み干したグラスを乱暴に置くウィング。
ウィング「あんじゅはともかく、ぶろりのしゅっしょはわたしはさいごまではんたいだったんだぞ!だって…だって…」
深刻な顔をしている。それだけやばそうな人物だろうか。
ウィング「わたしの…はつこいの人なんだぞ~!」
…初恋?
ウィング「ずっとここにいればまいにちぶろりにあえるのに~!おかあさまはちもなみだもないのか~!」
大量に涙を流しながらテーブルを何度も拳でたたく。
最後まで出所に反対の理由。何とも私欲である。
マグマ「所長。署内で私欲はよくないです」
ウィング「うっさい!せっかくぶろりとおなじあくましてんのうになってここのしょちょうにもなったのに…げんじつはひじょうすぎる!!」
指を鳴らすと、天からリンゴジュースがウィングのグラスに降り注ぎ、ウィングはそれを一気飲みした。完全にやけ飲みである。
……?悪魔四天王?
葵「ねぇ。今、悪魔四天王って…」
のん「言ってなかった?ウィング所長は悪魔四天王の1人。つまりなおお姉ちゃんと同じ十二天王よ」
この小学生っぽい…いや、小学生そのものの所長がなおと同じ十二天王とは…。
りお「ちなみに。彼女はなおの学園の『スカイガーデンスクール』の幼等部からのクラスメイトなんですわ」
なおの幼馴染かよ。心にそう突っ込む葵。
なんかため口ッぽくやり取りしていると思いきやそういうことか。
なお「そろそろ迎えに行きたいんだけど…」
ウィング「ずごじばどゔじょゔじなざいよ~なおちゃ~~~ん!!!」
なお「何かあるとすぐに幼少期の性格に戻ってしまうのが厄介よね…。1時間はこうだ」
よく十二天王になれたな、この所長。




