第6話「のんのんのん」
二人は10階の開発室に入った。
夢麻「そういえば、あんなにボロの小屋なのに何で…」
なお「あぁ。あれはカモフラージュで、移転用のゲートなの。本当の場所は空の上で地上から5000メートル位かな?」
夢麻「そうなんですか!?」
そう言って、夢麻専用の席に座った。夢麻は辺りを見渡すと自分達以外誰もいなかった。
夢麻「私達以外誰もいませんが、他の社員さん達は?」
なお「あぁ、それなら…」
すると。
?「なおお姉ちゃん」
振りかえると、薄紫色のサイドテールの女性が立っていた。
なお「のんじゃない。丁度良かった。この子はアタシの妹で末っ子の『のん』。こう見えて、姉妹の中では、かなりのしっかり者よ」
のん「貴女が夢麻ね。初めまして。アタシは『ノン・センター』。人間の名前では『中野のん』って言うの」
夢麻「あれ?苗字が違うけど?」
のん「苗字?あぁファミリーネームね。私達天使と悪魔のハーフはそのような義務はないから苗字は自分で自由につけられるのよ」
夢麻「へぇ…。けど、天使と悪魔のハーフって、一々そう呼ぶのめんどくさくないですか?」
なお「そうなんだよね。誕生してから色々抗議があったけど、なかなか名称決まらないのよ。一応天魔と提案があったらしいけど、ペガサスと被る上語呂が悪いって女性のハーフからクレームが来てるのよね」
講義とかクレームとかあるんだ。しかも誕生してからの問題らしい。
夢麻「あの…私の意見ですけど、良いですか?」
なお「ん?何?」
夢麻「天使と悪魔って、英語でエンジェルとデビルって言いますよね?エンジェルの『エン』とデビルの『ビル』を取って、『エンビル』ってのは?」
そう聞いた二人は、お互いの顔を見つめた。
なお「エンビルっか…。まぁ、検討するかどうか考えとくね」
のん「そうね。ちょっと悪くないかも。それじゃお姉ちゃん。アタシ、ゲームの背景の参考の為にちょっと出かけてくるから」
なお「わかった。行ってらしゃい」
そう言ってのんはエレベーターに向かった。
なお「さて、背景は、この前の続きから。状況はあの時のままだから」
そう言って資料を夢麻に渡した。