第66話「意識の中の世界決着」
なお達は羽根を全部切り落とし、体制を立て直した。
なお「さて、どうする?あの巨体じゃ攻撃が当たりやすいと思うけど、あの羽根が厄介なんだけど」
亜子「そこは私達に任せて。みんなは私達の言うとおりにして!」
そう言うと、有原姉妹としゃるは詠唱をし始め、なお達にバリアみたいなものが張られた。
羽根がそのバリアに触れると、燃えだし、地面に落ちた。
巫女「遠距離の守りを張っておいた。それならあの攻撃を気にせずに済むから」
葵「なら助かるけど、それからどうするの?」
しゃる「りお姉さんと優香ちゃんを守って!2人がカギになるから」
2人は頷き、弓矢を構え、少しずつ力をため始めた。
大きな拳がこちらに向かってきた。
しゃる「なお姉さん!夢麻ちゃん!あの拳に向かってジャンプして!」
なお「わかった!」
ふたりは思いっきりジャンプした。
しゃる「刺の盾!」
拳が2人に当たると、トゲが出てきて巨大ゾンビは痛がっていた。
亜子「斧は右肩を!」
巫女「銃は左肩を氷属性で狙って!」
るな「わかった!ユウリ!氷属性を付けたら斧の『天魔斧』を思いっきり投げつけて」
斧の球に触れ、斧は冷気に満ち、大きく投げつけた。
右肩に当たると、肩から指先までが氷漬けになった。
のん「アタシ達も!氷弾!!」
氷の弾が乱れ撃ち、左肩も指先まで凍った。
姉妹「「今だ!剣で胴体を凍らせろ!!」」
なおと夢麻は走り出し、胴体を切りつけ、首以外氷漬けになった。
しゃる「これで動けないハズ!亜子に巫女。残りの力をりお姉さんと優香ちゃんに!」
ふたりは頷き詠唱をした。
3人「「|極限剛力上昇術≪パワーアップマジックレベルMax≫!!」」
矢の先端に力が満ち、その矢先に頭部に向けた。
りお「頭を狙えばいいかしら?」
しゃる「弱点を調べたから間違いないよ。そうすればここちゃんも救えるはず」
りおと優香は照準を頭部に固定した。
リコ「ゔぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!お前ら!!!!お前らなんてっ産まなければぁ!!!」
姉妹は拳を強く握りしめる。
亜子「ニセモノが何を言おうと!」
巫女「私達はこれからも生き続ける!」
姉妹「「撃てーーーーーー!!」」
りお・優香「「光の矢!!!!」」
その声を合図にりおと優香は矢を離し、ゾンビの頭を貫いた。
ゾンビはうめき声を上げながら苦しみだし、光に包まれて消滅した。
光の中からここがゆっくり落ちていき、なおが受け止めた。
姉妹「「ここ!」」
2人が駆け寄るとゆっくり目を開けた。
ここ「…お姉ちゃん達?わたし…何を?」
涙ながらに首を横に振る。
亜子「いいのいいの!もう終わったから」
巫女「もう悪い夢を見ることないから」
笑顔でそう言う。
すると、離れた所に、透けた誰かが現れた。
ここ「お母さん?」
理子「……亜子…巫女…それにここ…。やっと、私の事を思い出してくれたのね。ありがとう」
なおはここを下した。
亜子「お母さん…ワガママ言ってごめんなさい…」
3人が母の元へ歩み寄ろうとすると。
理子「こっちに来てはダメ!3人共。貴女達の居場所は、ここじゃないでしょ?」
3人は涙を流した。
ここ「お母さん…やっと…やっと会えたと思ったのに…」
理子「またワガママ?」
巫女「…私達…お母さんが大好き」
理子「私もよ。…ほら行きなさい。あるべき世界に…」
そう言い残して理子は光の粒になって消えていった。
3人は涙を流しながら泣き声を上げた。
なお達はその光景を静かに見守る。
落ち着いたのか泣き止んだようだ。
ここは何処か行こうとしている。
葵「どこ行くのよ?」
ここ「帰る」
それだけ言って階段を降りていった。
るな「助けた途端に亜子と巫女の口調になったわね…」
呆れながらため息つく。
なお「それじゃ、アタシ達も帰ろうか。現実のここちゃんが心配だし」
なお達が目を覚ますと、有原姉妹の部屋の天井が最初に視界に入った。
窓の外は日差しが漏れている。
スマフォの時計を見ると朝の7時過ぎになっている。
ここの精神世界に行っている間に次の日の朝になっているようだ。
全員眠っているここの容体を見る。
なお「アタシ達が診てもよく分かんないわ。知り合いの医者を呼ぶから診ててくれる?」
10分後
ソプラの店の前になおが待っていると、誰かが空から現れた。
なお「やぁクター。いつも悪いわね」
クターと呼ばれた白服の男は着地と同時に天使の羽を消した。
クター「ホントだぞ。即諾で出張する程こっちもヒマじゃないから」
なお「そう言わないでよ」
そう言いながら扉を開ける。
なお「奥さんは元気?」
クター「聞かないでくれ。また人間の世界の税金が上がって愚痴を言いまくるからな」
なお「それはご愁傷さま。こっちよ」
医者のクターはここを診察している。
なお達は隣の葵部屋で待機している。
しばらくするとクターが部屋に入ってきた。
夢麻「ここちゃんの容態は?」
クター「脈も呼吸も体温も血圧も全部正常。全部異常無しだ。原因はわからんが軽い昏睡状態だ。こいつ、年齢の割に筋力が無いな。体力も無いんじゃないのか?」
どうやらあの怪物を倒した反動が大きくて…。
なお「流石にマスターには知らせなきゃ。分かっていると思うけど事情は隠しといてよね」
クターが帰った入れ違いに竜二郎が来た。
竜二郎「おい、ここ?おーい?」
寝息を立てている。
竜二郎「参ったな」
ユウリ「それで、どうなんや?」
竜二郎「たまにこうなるんだ。電池が切れたみたいに体力を使い果たしたんだろうな。あんまり動かないから、よくないよな」
全員安心する。…てか、有原姉妹は知っているハズでは?
竜二郎「1度こうなれば数日はこのままだ。当分寝かせておいてくれ。店も今日は休ませるから」
今は様子見しかないようだ。
1週間後の日曜
全員ソプラに集まりコーヒーを飲んでいる。
未だに目を覚ます気配は無いようだ。
今日は姉妹の母親の命日のようでマスターは色々と話してくれた。
竜二郎「そういや、お前ら、俺と検事のやり取り…この前来たスーツの女、検事だけど。気になってただろ、その時の話。また来るかもしれないしいい機会だから話しとくわ。あの女が聞き出そうとしてたの、理子の研究についてだ」
夢麻「天使と悪魔の?」
竜二郎「内容は知らなくていい。それを巡ってゴタゴタあったんだか…、当然理子も巻き込まれた。それでアイツの死因が自殺になっているのだか不審な点もある」
不審?他殺か?
竜二郎「研究内容を奪って利用したいヤツがいたとかな。言っとくが証拠は一切ない。だからアイツには言ってない。余計に悩ます事もあるからな」
一応こちらでも不審に思っている。
竜二郎「ただ、後悔している事がある。アイツはな、死ぬ直前、SOSを発してたんだ。『死ぬかもしれない』ってな。冗談だと思って流したんだけどよ、真面目に受け取ってたら…」
ため息つく。
竜二郎「俺がコイツらを引き取ったのは贖罪の気持ちなんだ。何の責任も無いのに、酷い目にあった。心もない連中から罵られ…」
辛かっただろうな。
竜二郎「なぁ、心の傷って、どうやったら治るんだ?」
葵「…個人的な意見だけど、いつかは治るんだと…」
竜二郎「そうか。変な事聞いて悪いな」
すると!階段から音が聞こえた。
ここが降りてきた。
竜二郎「お前!」
姉妹の隣に座り、姉のコーヒーを飲む。
ここ「…ぬるい」
ユウリ「大丈夫何か自分?」
ここ「…平気」
竜二郎「…そうかそうか」
理由は分からないが、ここは初めて言葉を発した事を竜二郎は涙を流す。
夢麻「色々あったけど、良かったね」
亜子「あぁ。けど、何か忘れたような…」
りお「優香の中傷の件よ」
巫女「あ、それだ」
りおは懐からメモリーカードのようなものを取り出した。
りお「貴女達の力で彼女を中傷する輩をハッキングして。後はこちらがやりますので」
メモリーカードを受け取る姉妹。
亜子「仕方ないな。次いでに私達を中傷する連中もテキトーに料理しといて」
しゃる「言われなくても」
姉妹はスマフォを取り出しメモリーカードを入れ。
亜子・巫女「「サラダバー」」
ポチッと押す。
なお「じゃ、行ってくる」
なお達5姉妹は店を出る。
10分もしない内にテレビでやっていた番組が、臨時ニュースになった。
キャスター「臨時ニュースです。10分ほど前にいくつかのネットのサイトにハッキングされ、その利用者の殆どが、口から泡を吹いて病院送りになったり、警察署に行って『ネット中傷した』と自首をする等の謎の行動を起こすなど騒ぎになっており、警察は捜査を開始した模様」
葵「アイツらの仕業ね」
コーヒーを飲む葵。
すると、メールが来た。
なお『大体片付いた。後20分すれば全部終わる』
夢麻「もう優香ちゃん達を中傷する人は現れないのですか?」
のん『全員とまでは出来ないけど、何かあれば亜子と巫女の力があれば何とかなるから』
葵「ひとまず今回の件は落ち着いた見たいね」
るな『色々あったけど、これでアタシ達姉妹全員が人間とのマイパートナーの契約が出来たわね』
なお達と出会ってから、自分達の人生が大きく変わった。
彼女達がいなければ、今の自分達はここには居なかっただろう。
なお『まだ駆け出しだけど、これでアタシ達はゲームクリエイターと悪人を改心させる戦士になったし、今日はお祝いするわ』
ユウリ「お祝いか。楽しみやな」
葵「最近はゲーム作りになってなかった気がするけど、これはこれでいいか」
るな『それじゃ、あの時のお店のしゃぶしゃぶにしようか!』
しゃる『また予約取れたの?』
るな『アタシにかければこんなもんよ』
なお『それじゃ、改めて集合しよう。また後で』
ここからが本当の物語の始まりだ。
アタシ達の物語は、まだ始まったばかりだ!
とある場所
1人の大男が、巨大な怪物の肉片を引きずりながら運んでいた。
急に立ち止まり、空を見上げた。
まるで、また何かが始まるような予感がして。
第1章「天魔と少女達」ゲームクリア!
第2章「交差する12天王」に続く…
次回から新たなる展開!お楽しみに!




