第47話「葵の物語3」
時間をさかのぼり…
車の中で、スマフォを捨てられ、葵を見失ったと報告を受ける葵の父。
父親「何だと!?葵を見失っただと!?役立たずが!」
スマフォを切る。
父親「全くあのクソガキが!私の言う通りにすればいいものを!いい学校や大学に入れた恩を仇に返しやがって…!」
すると。
デモンド「…ほう…面白い負のマイナスエネルギーパワーを持っているな。なら、その負を増幅させよう」
後ろから声が聞こえた。
父親「だ、誰だ!?うわーーーーー」
車が爆発し、筋肉が増強した葵の父が飛び出した。
父親「どこだ葵ーーーーーーーー!!!!!今まで育てて来た恩を忘れやがってーーーー!!」
大きくジャンプをし、秋葉原の交差点に着地した。
通行人「ば、化け物だ!!」
慌てて逃げだす通行人たち。
父親はそばにあった木を引っこ抜き、あちらこちらに地面にたたきつけ、建物を壊しまくった。
すると、のんと葵、有原姉妹が現れた。
葵「お、お父さん…!?」
葵の父は娘に気づき、変装(?)の為に着たメイド服を見た。
父親「葵~~~~。何故私から逃げた挙句、そんな禍々しい物を着るなんて~~」
拳がこちらに向かってきた。
慌てて後ろに避けた。地面は拳の跡が残った。
のん「この異常性…やっぱり魁天魔の仕業ね!」
再びもう一つの拳が向かってきた。
再び避ける。
葵「お父さん!何でこんな酷い事を!?」
父親「酷い?酷いも何も、こんな事になったのは葵、全部お前のせいだ!」
葵「え?」
父親「お前の為に、いい学校を入れたりいい家庭教師をつけてやったのに。しかも、そんな場違いな下衆のメイドの服を着るなんて…。お前は私に歯向かった。貴様はクズな失敗作だ!」
その言葉で、葵はショックを受けた。
私のせいで…町が…人が…。
のん「…葵。それは違うわ。確かに貴女はかつて違法カジノに手を出した。けど、泥沼に落ちる前に踏みとどまれた。この前、アタシに打ち明けたじゃないじゃない」
1週間ほど前の仕事場
のんが資料を運こんだ帰りに葵にばったり会った。
葵「あ、あぁ…」
そう言ってすれ違おうとした。
のん「最近変よ。前はアタシに執着していたのに。悩みでもあるの?」
葵「…別に…」
のんは引き止めた。
のん「待って。これでも貴女の上司なのよ。悩みを話せば力になれるはずよ」
葵「ほっといてよ!」
振り払うとしたがびくともしない。
のん「執着の次は拒絶?ますますほっとけないわ」
…。これ以上やろうとしても無駄だ。そう思い、葵は大人しくなった。
葵「…場所だけ移させて…」
天魔堂の食堂
ふたりは、席に着き紅茶を飲んだ。
葵「…私は、小さい頃から両親に期待をむりやり押し付けられたの…。『お前は他の兄弟たちの様に栄誉で大きな才能がある』と…。けど、姉の様に社長業ができないし、兄の様に遊園地の園長ができない。妹の様に演技が出来なければ、弟の様にプログラマーの才能は無い…。私には絵を描くのが好きだったの。…けど、『お前には絵描きの才能が無い』って無理やり決められて…。特に父からは…。そんな毎日が嫌気に刺して…」
のん「…違法カジノに手を出した…って訳ね」
葵「親の言いなりになっている上、違法に手を染める…。そんな私こそ、クズ当然よ」
のんは首を振った。
のん「本当のクズってのは、自分の事を『クズ』って絶対に言わないわ。絶望をする人間を助けるのが天魔達の役目だから…。それに、悪いのは違法カジノをして、人を自殺に追い込んだ裏影だもの。百恵だって、分かっているから…」
葵「自分の事をクズって言わない…か」
のん「葵。本当の事を聞かせて。本当にこれでいいの?葵の本当にやりたいことは?本当にやりたいことがあるなら自分の口から言わなきゃ。アタシはいつでも待っているわ。葵の本音を」
現在
その事を思い出し、葵は拳を強く握りしめた。
葵「…お父さん…。もう、お父さんの言う事は聞かない」
父親「何だと?」
葵「私は…可愛いメイドさんになるわ!」
父親は驚き、のんは笑った。
のん「だったら、アタシと、契約してくれない?この状況を奪回するために」
葵「…なおと夢麻と同じくアンタと契約しろって?…本当に悪魔のようね…。だったら、なってやろうじゃない!のんとアタシの、契約を!!」




