第30話「葵天魔の街に来る」
ちょっと時間がかかってしまったので今回は多めに
客1「な、ナオ様方!この方は貴女のマイパートナーですか!?」
客2「それはそれは!長年十二天王はマイパートナーが全くいなかった時期だったのですが、ついに選んで連れて来たのですね!」
客たちは葵たちをかこっていた。
葵「ちょっ!待っ!つ、潰れる!」
なおは葵を客達から引っ張り出した。
なお「違う違う。あくまで候補だ。他にあと二人いるから!」
客3「何と候補があと二人も!これは失礼しました!良きパートナーを見つけるのを楽しみにします」
なお達は客達をかき分けて出口に向かった。
葵「ねぇ、一体何だったの?何なの『マイパートナー』って?この前もそれを聞いたけど」
なお「悪いけど説明する暇がないから」
そう言ってドアのノブを掴みあけた。
なお「さて、ここが天魔の街!『ロストスカイシティ』よ!」
そこは数多くの浮遊の島が浮かんでおり、その上にはいろんな建物が建っていた。
天魔に天使と悪魔達が、羽を生やして飛び回っていた。
さらに、雲や絨毯等が人を乗せて飛んでいる。
なお「『天魔界』の世界では大都会でね、週末にはよく姉妹でここに出かけるのよ…て、聞いてる?」
葵はあまりにも光景で硬直していた。
なおに肩を叩かれ我に返った。
葵「ひ、人が雲や絨毯に乗って、空を!?」
のん「貴女達の世界では車のようなものよ。翼の調子が悪い時とかによく使われるの」
のんは用意した絨毯に乗ってくれと指で招いた。
なおと葵達は絨毯に乗り、銀行へ向かった。
りお「あれはお花屋さんですわ。人間と同じく、女子は皆お花が好きなのですわ」
るな「あれはデパート『ヨコセヨ』。週末にはよくここで買い物をしているわ」
と、葵に街中を紹介しているなお達。
街の人達はなお達に手を振ったりをしていた。
10分後
目的地のラピンチェマジカル銀行に着いた。普通の銀行の100倍以上の高さの建物だ。
入り口のそばで着陸して降りると…。
?「おぬしらも来ていたのか」
上を見上げると、アロマとミカが絨毯に乗って降りて来た。
葵「あ、アンタらはこの前の!?」
二人は絨毯から飛び降りた。
アロマ「おぬしらも銀行に来たのか?」
なお「まぁね。アタシ達の生活費と夢麻達の給料、ゲームの制作費を引き出しにね」
ミカ「けど、何で葵も一緒に?」
るな「ちょっとね…」
アロマ「せっかくの事だ。一緒に金子を引き出そうじゃないか」
葵「一緒にって…、口座の暗証番号とか盗み見するんじゃ…」
のん「あぁ、この銀行には暗証番号とか必要ないから」
葵「え?じゃぁどうやって引き出すの?」
るな「まぁ見ればわかるから」
そう言って一同は建物の中に入った。
中は自人間の世界とはあまり変わらないようだが、普通より2~3倍ぐらい広いようだ。
なお達は受付カウンターの前に立った。
なお「えー、ナオ・グリーンスカイとアロマ・ブラックの金庫を開けたいのだけど…」
銀行員は軽く咳ばらいをし、「鍵をお持ちですか?」と聞いてきた。
そう言うと、なおとアロマは懐から鍵のようなものを取り出し、カウンターの上に置いた。
鍵は色や大きさが違うようだ。
銀行員は慎重に調べ、「確認完了しました」と言った。
なお「よし。早速案内を…」
すると、アロマが手で言葉を遮った。
アロマ「それと…、母から手紙を預かってな…」
そう言って手紙を差し出した。
アロマ「例の金庫の例のブツについてが書かれている」
銀行員がその手紙を読むと、「承知しました」と答えた。
銀行員「では、その3つの金庫を誰かに案内させましょう。ウィル、シェルル!」
すると、上からすたっと、若い男女が落ちてきて地面に着地した。
葵(に、忍者みたいな登場…!?)
男性天使のウィルは、「ご案内します。移動中は私共以外の者たちは宙を飛べませんので、ご了承を」
なお「分かってるって。全く、相変わらずめんどくさいシステムなんだから」
歩きながら渋々いうなお。
葵(移動中は飛べないって、どういう事?)
大きな扉の前に立ち、ウィルとシェルルは両方を力強く開けた。
そこは、気球のゴンドラ部分がたくさん置かれており、上の方を向くと、天井が無く、他の利用客達が、ゴンドラに乗り、二人の銀行員たちがそれを持ち上げて飛んでいた。
悪魔のシェルルは、「こちらにお乗りください」とゴンドラに乗る土台を持ってきた。
葵「ねぇ…もしかして…金庫は空の上にあるって言うんじゃ…」
るな「そのまさかよ」
そう言ってなお達はゴンドラに乗り、残った葵は渋々続けて乗った。
ウィルとシェルルは、ゴンドラを持ち上げるロープを持ち、宙に浮き、ゴンドラも浮いた。
たった二人だけで7人も乗せたゴンドラを持ち上げるなんて、どんだけ力もちなんだと葵は思った。
やがて高度が銀行よりも高くなり、1分もしないうちに銀行が小さくなり見えなくなった。
シェルル「ご利用ありがとうございます。本日金庫へのガイドを務めるのは、私『シェルル・ルカ』と…」
ウィル「『ウィル・ニカ』がご案内させてあげます」
まるでバスガイドか何かのようだ。
葵「あの…金庫ってどこにあるのですか?ってか、強盗とかあわないのですか?」
ウィル「これから向かうのは、特殊な結界が張られた特殊なエリアになっており、外部から見ることも向かう事もありません。結界内に入ると、丸10ヶ月は迷ってしまいます。正しいルートを知っているのは我々ラピンチェマジカルの銀行員のみとなっております」
結界の迷路か…。それはそれで厄介なセキュリティだ。
10分後、雲を突き抜け、大きな金庫が立っている浮き島が見えて来た。
シェルル「まもなく、7070番金庫になります」
なお「あれあれ。あれがアタシ達の金庫だ」
ゴンドラが着陸し、なお達5人は降りた。
ウィル「では、鍵を」
なおは鍵を渡した。
鍵穴に鍵を差し込み、回すと、金庫の扉が大きく開いた。
葵はこんな大きな金庫だから札束が山のように重なっているに違いないと思い中を見ると…。
中は札束ではなく、数えきれないほどの通貨のような物の山が金庫中に埋もれていた。
葵「これって…500円玉かなにか…?」
なお「これは『クリスタル通貨』と言うアタシ達の世界のお金だ」
なおは自分の財布から数枚の通貨を取り出した。
なお「自分の財布の中を見てみなよ。この世界と人間の世界に行き来すると勝手に変わっていると思うから」
葵は自分の財布を慌てて取り出して確認すると、自分の金が銅貨に銀貨、金貨に白銀、そして水晶の色の硬貨になっていた。
りお「クリスタル硬貨の銅貨1枚で、1円になっていますわ。銀貨は100クリスタル、金貨は500クリスタル、プラチナの白銀は1000クリスタル。そして水晶は『スタークリスタル』と言って10000クリスタルの価値がありますわ」
葵は驚きながら、自分の財布を取り出して見た。あの酒場みたいなところに来てから急に財布が重くなったと思ったらそれのせいかと思いながら金庫に入ろうとすると、何かにぶつかった。
けど、前には何もなく、手を伸ばすと、見えない壁のような物があった。
のん「あ、ここの銀行の金庫は、契約者以外の人は入れないから」
この世界のセキュリティか。なるほど。これなら簡単に強盗にはあわないのか。
そして、いくつかの硬貨を袋に詰めたなおが出て来た。
なお「じゃ、給料のスタークリスタル45枚とプラチナ7枚」
そう言うと、なおは38枚の硬貨を渡してきた。全部硬貨だから少し重い。
アロマ「では、次は我の金庫へ向かうぞ」
10分後。アロマの666番金庫に着いたが、その金庫は、なおの金庫の10倍ぐらいの大きさだった。しかも、中身の金も更に50倍以上の量だ。
葵(有名な占い師って言ってたようだけど…占い師って、こんなに儲かるのか!?)
アロマはスーパーの袋位の大きさの袋にパンパンに詰まった硬貨を詰め終わると、出て来た。
アロマ「いやー、ミカの食費が月に500スタープラチナかかって、いつも重くて大変である」
葵「ご…500万円…」
一体どんな食生活をしているんだ?売り上げのほとんどが食費に消えそうと葵は思った。
アロマ「では最後に例の金庫に」
5分後
なおたちは0番金庫と言う浮島に着いた。
他とは違い、鍵穴がない。
葵「そう言えば、何が入っているの?またお金?」
アロマ「悪いけど、それは言えんぞ」
ミカ「とっても秘密だから言わないと言われたの」
秘密か…。そう言えばさっき「例のブツ」と言ってたような。
ウィル「少し下がってください」
そう言うと銀行員の二人は、指で星を描いた。すると、金庫の中から開くような音が聞こえた。
シェルル「ラピンチェマジカル銀行の銀行員以外の者がこれをやりますと、石化の呪いが起こり、銀行員が解くまで動けなくなります」
葵「の、呪いって…誰かがそれにかかっていないか調べることはないの?」
ウィル「100年に1度でございます」
そう言われると、背中がぞっとしてきた。
金庫が開き、中を見ると、何かを包んだ小さい物が置いてあった。
シェルルがそれを拾い、アロマに手渡され、懐にしまった。
アロマ「さて、帰るぞ。帰りに何か食べるか?」
るな「そうね。近くに新しいバーガーショップが出来たからそこに行きたいわ」
葵「バーガーショップがあるの…?ここは」
バーガーショップ
ミカ「お待たせなの!」
注文の品を取りに行ったミカが戻って来た。自分達が頼んだ物より10倍多い。食費がかかるって言ったのはホントらしい。
なお「さて、明日から本格的にゲームの開発に取り掛かるか。忙しくなるぞ」
そう言うとなおは背伸びした。
すると、「あ~ほほほ~」とマヌケな声がした。
なお「?しゃろからのメールだ」
本当にどんな趣味の着信音してるんだ。
なお「何々?『非道の人間にゲームで勝った。罰ゲームの応援求む』。皆、行くわよ!」
そう言うと、なお達姉妹は指に自分の額を当てると、しゅん!と消えた。
葵「な、何!?」
アロマ「非道の人間に罰を与えに瞬間移動で向かったようだ。それをするのみ瞬間移動の使用が許可されるのである」
初めてあった時に、アイツらが急に現れたのはそれだったのか…。
0番金庫に引き出された小さな包み…。それが後に大きな波乱を呼ぶ事になるとは…葵はこの時知る由もなかった。
ステージ7GAMECLEAR!
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