第23話「水無月葵」
夢麻と優香は、とりあえず、急に現れた女性と歩きながら話をした。
夢麻「失礼ですが、貴女は?」
葵「水無月葵。大学生よ。この前までは…」
夢麻「この前までは?」
葵「…ある女を会いに大学を辞めたのよ」
葵は目を閉じた「去年の春の終わり頃だったわ。私は、ある違法賭博をやってて、何度も大金を手に入れたわ。けど、それは裏影と言う男の策略で、私の財産を全て根こそぎ取ろうとしていたわ。けど、その人物が突然現れた。薄紫色のサイドテールの女…」
薄紫色のサイドテール…もしかしてのんさん?
葵「その女が裏影にゲームをしたら、その裏影がおかしくなって…。あの女の目と言葉…未だに忘れてない…」
信号の所で3人共止まった。あんなに優しいのんさんが怖いなんて…。よっぽど悪い人だったんだ。
葵「半年ぐらい経った2か月前の11月。何気なくあるゲーム会場に行ったら、その女がまた現れた。しかも、アンタ達と一緒に」
夢麻「え?それって、スマシスの大会?あの大会に来てたのですか?」
葵「優香とゲームしていたあの男が裏影のように突然おかしくなって私は確信した。あの女は人間じゃないと…。私は大学を辞めてあの女のしっぽを掴むために探しまくったわ。そしてアンタ達に近づいた」
信号を渡った。
葵「何でアンタら二人が一緒にいるかは知らないけど、あの女と知り合いなのは分かってるのよ!ねぇ!アイツは何者なの!?」
夢麻「ち、ちょっと待ってください!こんな街中で!そんなに問い詰めなくても本人に会わせますから!」
葵「何ですって?」
10分後。
3人は、線路下のボロ小屋の前に立っていた。
葵「あの女がここに住んでいるの?」
夢麻「えっと…、半分は当たってます…」
葵「まぁいいわ。やっと化けの皮を剥すときが来たのだから」
そう言って扉を開けた。
その中には、まるで高級ホテルのフロントのような光景が広がっていた。
それを見た葵は、突然の事で、頭の処理が追いつかない。
何かの見が違いと思い、外に出てボロ小屋を確認し、再び中を見ると、中と外が全く違っていた。
葵「な、何これ…?私、夢でも見ているの?」
夢麻「夢じゃないです。ここはゲーム会社『天魔堂』です」
夢麻と優香は中に入った。
すると、脇の通路から赤髪のツインテールの女性が現れた。
夢麻「あけましておめでとうございます。るなさん」
るな「あぁ、おめでとう…。ってか、何度言えばわかるの!『ルーナ』って呼びなさい!」
夢麻「わ、わかってますよ」
苦笑いで答える。
るなは、二人の後ろにいる葵に気づいた。
るな「ん?アンタ、どこかで?」
葵は疑問をした。
この女、会ったことないのにどこかで自分と会ったことあるような事を言っている。
すると、奥のエレベーターの扉が開いた。
のん「るなお姉ちゃん。例のアレ、買って…あ、夢麻に優香。あけましておめでとう」
夢麻「おめでとうございますのんさん」
葵が夢麻の影から見てみると、あっけなくその人物が現れた。
葵「あ!アンタは!」
のん「?」
のんが葵を見ると、少しだけ驚いた。
のん「貴女は、いつの時かの」
るな「?知り合いなの?」
のん「ほら、去年の5月頃のあの事件の事!裏影を裁いた時にそばにいたあの!」
るな「去年の5月?あぁ。確か違法賭博でお金をだまし取られて自殺をした女子大生の事件だったわね。そう言えば、あんな抜け目のなさそうな女がいたわね」
夢麻「?よくわかりませんが、この人は葵さんと言いまして、のんさんに会いたがってました」
のん「ちょっと…、見知らずの人にアタシ達天魔に会いたいと言われて連れてくるなんて。少し疑ってよ」
夢麻「ご、ごめんなさい…」
すると、葵が夢麻をどかして、のんの前に立った。
葵「やっと会えたわ。アンタ。あの時、裏影とカードゲームした時に、その裏影がおかしくなって、しかも2か月前にゲーム大会である男が優香とゲームをやっていたら、同じくおかしくなった。しかもあの会場に居たそこに二人とアンタが今ここにいる。答えて!アンタは何者なの!?」
のんは深いため息をついた。
のん「仕方がないわね。ここじゃあれだし、場所を変えるわ。夢麻に優香。30分後に予定通りに出発するからそれまでに準備して」
夢麻「わ、わかりました」
のん「葵って言ったわね。…こっちよ」
のんは葵を連れてエレベーターに乗った。
その際に、姉のなおにメールを送った。
『フランスの取材旅行に、荷物が増えるかも』と




