第17話「最悪の結果へのカウントダウン」
夢麻「スマシスで自殺しようなんて…。一体どういうことですか!?」
りお「そうですわね…。順を追って説明しますわ」
そう言ってりおはパッドを取り出してある画面を出した。
夢麻「あ。それは投稿イラストサイトのピカシブ!」
ピカシブとは、日本で有名なSNSイラストサイトで、ファンイラストから公式用のイラストまで、数多くのイラストが投稿されている。
りお「問題なのは、ピカシブ百科事典の事です」
目的のページを検索する。
ピカシブ百科事典は、ピカシブユーザー達が様々な情報を百科事典方式で記事を作るサイトであり、イラストサイトに掲載されているイラストも貼られるのである。
次に見せたのは「大決闘スマッシュシスターズアルティメット」の記事だった。
別に変ったことはないが。
りお「編集履歴をご覧ください」
編集履歴を押すと、そこにはこの世とは思えない光景が映りだされた。
「キチガイユーカ消えろ」
「お前はピカシブとスマシスをやる資格はない」
「ニート!引きこもり!」
「ユーカバー――カWWWWW」
「4ねユーカ」
と、編集内容に数えきれない数の中傷のコメントがかかれていた。
のん「何なのこれ!?」
りお「酷い物ですよね。けど、あくまで氷山の一角で、中傷記事を書いてきたり、そのユーザーさんが投稿したイラストにも酷い中傷コメントやタグを付けられてるそうで、中にはなりすましもしてくる人もいます」
夢麻「何でこんな酷い事を!通報とかできないんですか!?」
りお「このサイトは通報機能があるけど、飾り当然で、ほとんど取り合ってくれないですわ」
りおはパッドを操作した。
りお「中傷が始まったのは6月。丁度スマシスの発表された時期と一致します」
りおが集めた資料を一同に見せた。
のん「ユーザーネームは違うけど、文章の書き方が似ているからフリーのアドレスか何かを使って、複数アカウント使っているみたい」
るな「全く、人間ってのは、くだらない事で頭の回転が早いんだから…」
夢麻「何で他の人達は助けに入らないのですか?こんなに酷い事をされているのに!」
なお「面倒な事は関わりたくない。心理的にそう思うのはよくあるのよね。人間ってのは」
りお「人間は弱い生き物なのに多くは助け合わない。本当に不幸な世の中になりましたわ」
しゃる「りおお姉ちゃん。何とかならないの?」
りお「その為に皆を集まっていただきましたわ。私の力なら特定の人物の居所を特定するのは簡単ですわ。けど、数が数なので皆に手伝ってもらいますわ」
なお「しょうがない。手伝ってあげるわ。人が作ってゲームを中傷のネタに使うのはむかついていたし」
りお「私は明日、被害者のユーカと言う方に会いに行こうとしますわ。その方が自殺をほのめかすような文章を書いてあったので、最悪の結果になる前に止めないと…」
夢麻「あ、あの!」
夢麻が立ち上がった。
夢麻「私も行っていいですか?スマシスを使って自殺に追い込まれるのは可愛そうで!」
その目に、熱心の炎が灯っていた。
半年前、夢麻が自分のゲームのシナリオを盗作されて自殺をしようとした。
なお達が居なかったら、おそらく今の自分は居なかっただろう。
私も、自分と同じ立場の人を救いたい!
そう思った夢麻。
りお「…わかりましたわ。…けど、もしもの時は、必ず私達を頼ってください」
夢麻「はいっ!」
夢麻は笑顔になった。