第13話「イケメン天魔しゃる」
なお「全く、女性と分かった途端に気絶するなんて」
スタッフ用医務室に運ばれた夢麻に水を渡すなお。
のん「仕方ないわよ。5人集まる時に夢麻は居なかったし、中性的な顔をしているから」
るな「けど、現実で女と分かって気絶するほどショックを受けたのアタシは見たことないわ」
夢麻「す、すみません…」
しゃる「いいよ。自分の事を『僕』って言ったから…」
夢麻は口を大きく開けて水を一気飲みをした。
夢麻「…落ち着きました…」
しゃる「ホントにゴメンね。今度お詫びをするから…」
しゃるは頭を下げた。
夢麻「いいですよ。頭上げてください!」
頭を上げたしゃるは、なおを見た。
しゃる「そう言えば、りおお姉ちゃんは?」
なお「りおだったら、今南極にいるわ。ペンギンを見に。帰ってくるのは来週だって」
るな「ペンギンを見に!?手を離せない用事ってそれなの?!」
なお「りおは姉妹の中で冷たい物が大好きだから言ったら止められないわよ」
のんとるなは飽きれていた。
しゃる「それはそうと、なおお姉ちゃん。あれは手に入れた?」
なお「もちろん手に入れといたわよ。子供達、喜ぶといいわね」
夢麻「子供達って?」
のん「しゃるお姉ちゃんは、月に2回、沖縄にある孤児院に行ってるの。運が悪い事にP3に被って」
夢麻「あ、手が離せない用事ってのはそれなんですね」
しゃる「すぐに用意できる?すぐに戻らないといけないから」
なお「わかったわ。アタシのロッカーにあるからすぐに取りに行くから」
そう言って医務室を出た。
夢麻「そう言えば、あれってなんですか?」
しゃる「アメリカしか手に入らないお菓子とおもちゃだよ。そう長く離れなれないから頼んだんだよ」
夢麻「しゃるさん。子供たちに優しいんですね」
しゃる「僕、子供と可愛い物が大好きだから!…あ」
15分後 天魔堂
なおからおもちゃとお菓子を受け取り、会社に戻った。
しゃる「さて、約束の物を受け取ったし、すぐに戻らないと」
そう言って、出入り口のダイヤルを合わせて扉を開けた。
そこは、海が見える大きな砂浜だった。
しゃるは丘の上にある孤児院に向かった。