第2章47話「中止になってしまった決勝戦」
なおが順調に勝ち上がる中、会場の裏でシャドウ達は何やら話をしていた。
シャドウ「…さて、そろそろ頃合いだな…。恐怖と絶望の地獄絵図が目に浮かぶな…」
決勝までに上がったなお達4人。その中にアロマも含まれていた。
なお「本戦始まってからここまで特に変わった様子は無い…。逆にかえって不気味ね…」
コントローラーを握りしめて呟く。嵐前の静けさってこの事だろうか。
なお「…考えても仕方ないか。決勝戦だし、より気を引き締めないと…」
観客席にいたキザクラはユズに話しかけた。
キザクラ「もうすぐ決勝ね…。結局加納夢麻を見つける事は出来なかったわね…。完全に無駄足だったわね…。ユズ?聞いてるの?」
先程からユズは俯いたまま黙っている。
なりやらブツブツ呟いていた。
キザクラ「ユズ。何ふざけて…」
いきなり振り払い、大きく飛んだ。
なおとアロマはその気配に気づき、破壊されるテレビから離れて避けた。
なお「何?」
会場がざわめく中、そこには黒いオーラに包まれ目が赤く光るユズの姿であった。
なお「あれは…。やっぱり魁天魔何かしたのね」
ユズが雄叫びを上げると、取り抑えようとした警備員達に音速で近づき吹き飛びした。
選手やスタッフに観客達は悲鳴を上げて逃げ出していく。
キザクラ「ユズ!どうしたのよ!」
姉の声は届かず、スタッフ達を襲い続ける。
なおのスマフォが鳴った。
なお「もしもし?」
のん『お姉ちゃん!ユズって人が!』
なお「えぇ分かっている。夢麻を呼んで何とかするから、のん達はキザクラって言う女刑事を!」
電話を切り、夢麻にかけようとすると夢麻本人が来た。
なお「ナイスタイミング!」
キザクラは夢麻が現れた事にすぐ気付いた。
キザクラ「加納夢麻⁉やはり現れたのね!この状況に関して色々と…」
言葉を続ける前に、後ろから首の後ろをドンと付かれて気絶した。
りお「悪いですけど、ここから先の領域には入らせませんわ」
手刀の構えをしていたりおは、キザクラを抱えて会場の外に出た。
なお「夢麻、多くが避難しているとはいえここじゃ目立つからどこか別の場所に引き付けるわ」
夢麻「わかりました。けどどうやって?」
アロマ「なら我らが引き受けよう!」
アロマとミカが前に出た。
夢麻「アロマさんにミカさん!そういえば参加者名簿に名前がありましたね」
ミカ「私達が2人の移動した場所まで誘っちゃうから、安心して戦える所に行って!」
なお「安心して戦える場所…。そうだ!昨日のあのビル!…わかったわ。そっちは頼んだ」
なおは夢麻を連れて昨日の建設が中止になったビルに向かった。
遠くにいる誰か「……お節介だが…助太刀に行くか…」
同日某時刻 某ビル
なおと夢麻は、昨日のビルにたどり着き、腕輪を掲げ、剣を出した。
なお「この辺りなら被害が最小限のハズ…」
振り向くと、アロマとミカがユズを引き付けていた。
なお「後はアタシ達に任せて!」
剣を構えると、ユズのオーラが更に高まり…。