表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム&エンビル!  作者: ユーマ
第2章第6ステージ「アレルギーは偏食の言い訳」
105/123

第2章35話「アレルギーは甘えではない」

8月26日午前11時38分 某ホテル会場舞台裏


女社長はこの日に自身の会社の新作発表会に出席し、この後、直々新商品の紹介をするのである。


世間は女社長の裏の顔を全く知らず、数十年前に若くして会社を大きくし、近々世界に進出するとの話題になっていた。


彼女の裏の顔を知っている社員達は何故告発をしないのか。


彼女には大きなバックがいるウワサがあるのもあるのだが、彼女はとある極悪なマフィアの愛人であり、彼女を逆らったり告発しようとすると、そのマフィアによってこの世から消されるのである。


だから社員達は恐怖で逃げ出したり告発したくても出来ないのである。


先日なお達を追いかけた連中達もその一員であった。


そのマフィアは警察も手を焼いており、未だに壊滅には至っていない。


女社長は派手なドレスに髪型と花の簪で数分後の挨拶を控えていた。


取引先の社員1「社長。今日はよろしくお願いします」


女社長「ありがとう。この発表会が成功すれば、我社は日本一、いや、世界一間違いなしよ」


取引先の社員2「えぇ。マスコミも期待が高まっているので失敗は出来ません」


取引先の社員3「あの…前祝いにこれをどうぞ」


社員の1人は女社長にバラの花が沢山まとまっているブーケを差し出した。


女社長「ありがとう。また後で」


取引先の社員達は舞台の前の方に行き、女社長だけが残った。


女社長(さて、このくだらないコンペを終わらせてさっさとあのメスガキとメスガキを連れ去ったアマ女をさっさと探しに戻らないと…)


確認のメールだけしようとスマフォを取り出そうとした時だった。


???「メールする必要ないわ。アタシが直に来てやったんだから」


女社長が振り返ると、さっきまで居なかった緑髪の女が腕を組んで立っていた。


女社長「わざわざ保身の為にあの小娘を引渡しに来るなんてね。どうやって今まで逃げ切ったかは知らないけど、居場所を教えるなら免じて許しを…」


なお「悪いけど、アタシはアンタを罰しに来たのよ。アンタはアレルギー持ちの人達に無理やりアレルギー物質を与え、殺そうとしている。アンタは社長である前に人としてなってないわ」



女社長「何を言うと思えば…。アレルギーなんてただの偏食の言い訳じゃない。下手な演技せずに食べれば治るものよ」


なお「アレルギーは好き嫌いじゃないわ。好き嫌いは匂いや味や食感が嫌なだけでアレルギーは食べれば何らかの症状が起きて最悪死ぬ可能性があるわ」


女社長「そんな話聞いたことないわ。デタラメ言うんじゃないわ」


なお「デタラメじゃないわ。アレルギーによる死亡例は近年増加しているわ。昔悪ふざけによるアレルギー物質を無理やり与えて死亡した事件だってあるわ。アレルギーだと知っててアレルギー物質を与えれば傷害罪。死んでしまえば殺人罪に値するわ」


女社長「好き嫌いで大袈裟な。好き嫌いで死ぬのなら今頃人類は滅んでるじゃない」


なおは呆れてため息ついた。


なお「反省の色が無いならアンタはアタシとゲームをしようじゃない」


女社長「ゲームですって?」


なお「しかもこれはただのゲームじゃないわ。これは天使と悪魔が見守る天魔のゲーム。アンタが負ければ闇の世界の堕ちてしまうわ」


女社長「面白いじゃない。何をさせようとするのかしら?」


なお「ルールは簡単よ。アンタが持っている()から1〜3本ずつ順番に抜き取り、最後の1本を抜いたものは負けになるわ」


女社長「天使だが悪魔だか知らないけど、勝つのは私よ。ほらお先にどうぞ」


ブーケをなおに差し出し、なおは2本抜いた。


続けて女社長も数本抜き取り、交互にバラを抜き続けた。


あっという間にブーケの花の残りが5本になっている。


女社長「あらあらこのままじゃ貴女の負けじゃない。貴女が3本抜けば私は1本。逆に1本抜けば私は3本、2本抜けば2本抜く。私の勝ちは確定ね」


なお「それはどうかな?」


そのまま1本抜く。


女社長は笑いながら3本抜いた。


女社長「やっぱり残り1本になったね。さぁ残り1本抜いてとっととあの女の居場所を吐いてちょうだい」


バラを差し出し、なおは手を伸ばした。


バラを

















………………ではなく頭のバラの簪を取った。


女社長「…え?」


なお「アタシは『アンタの持っている”()”』と言ったのよ。『”ブーケ”だけ』何て一言も言ってないわ」


女社長「そんな…」


直後にバラの花びらが舞ちり、なおの背中から天使と悪魔の翼が生えてきた。


なお「アタシの名前は『ナオ・グリーンスカイ』!アンタみたいな人間性の無い悪人を裁く者よ。アレルギーを軽視しているアンタにはお似合いの罰を与えるわ」


いつの間にか同じように天使と悪魔の翼が生えた女4人がいる。


5人「「運命の罰ゲーム!『絶望の吸収(デスペアドレイン)&(アンド)欲望の毒(デザイアポイズン)』!!!」」


女社長の持っているバラが突然枯れ始め、急激に空腹感がしてきた。


女社長「な、何なの!?急にお腹がすいて…。な、何か食べないと…!」


すると、目の前にゆで卵が浮いている。


女社長「しめた!これで空腹が抑えられる」


一気に卵を頬張り、飲み込んだ。


すると、体に異変が。


身体中蕁麻疹が沢山出てきて、息苦しくなってきた。


立っていられず、倒れてしまった。


女社長「…た、助け…」


なお「アンタも彼女達に同じことをしていたじゃない。アレルギーが分からないならアレルギーの事を勉強するのね」

















会場の来場者や記者達は、時間になっても現れずざわついていた。


記者1「何だ?出てこないぞ」


記者2「トラブルでもあったんじゃ…?」


すると、真剣な顔をした女社長が現れ、マイクの前に立った。


記者3「お、やっと来た」


女社長「会場にお集まりいただき、まことにありがとうございます。皆様に、お伝えしたいことがあります」


女社長は前に出た。


女社長「私は、今まで我が従業員達をアレルギー物質を与えてきました」


その言葉で、会場がざわめき始めた。


司会「あ、あの社長?」


女社長「私は、アレルギーを知らないことをいい事に、アレルギー体質の従業員達に好き嫌いと思い込み、無理やり食べさせました。つい先日も、新卒の従業員にも偏食の言い訳と言って無理やり食べさせました」


司会「あ、あの…これは何かのドッキリですか?聞いてないんですけど?」


女社長「それだけではありません。私は、社長の身でありながら、反社会組織の愛人になっていたのです。従業員の方達は何も悪くありません!全て、全て私がマフィアに魂を売ってしまったのが悪いのです!ごめんなさい!申し訳ありませんでした!」


女社長は土下座し、会場は大混乱に陥った。


係委員「おい!すぐに連れてかせろ!マスコミもすぐに追い出せ!」







♡GAMEOVER♡


















8月27日午前9時52分 天魔堂本社前


アンジュはなおと共に今朝のネットニュースを見ていた。


『新商品発表会で女社長突然の謝罪!』


『〇〇社社長 アレルギー体質者にアレルギーを与えた事を自白』


『犯罪組織との繋がりを告白した女社長の心境の変わりとは!?』


『近日警察の会社への家宅捜索が行われる模様』


なお「これで連中に追い回されることは無いね」


アンジュ「今回の件結構キツかったから、ギャラは弾んでよね?」


なお「わかってるって。これで心置き無くゲーム作りに集中できるわね」


2人はそう言いながら社内へ入っていく。


なお「…けど、気になるのは、アイツが言っていた『先生』と言う人物…」


アンジュ「誰かを探しているのは確かだけど、その若い女って誰のことかしら?」


なお「さあね。犯罪組織と繋がっていたからカタギの可能性は低いわね。けど、警察に拘束されている女社長に聞くのは無理そうね」


エレベーターに乗り、開発室に向かう。


アンジュ「ナオ。実は一昨日、ある事が…」


言葉を続けようとした時に扉が開き、その向こうから声を遮るような大声がした。


???「おはようございます!社長!」


その大声でアンジュは驚いて尻もちついた。


アンジュ「痛たた…。ん?アンタは?」


???「あ、貴女が皆さんが言っていたアンジュさんですね?初めまして!私、社長達に命を助けてもらった『花寺詩織(はなでらしおり)』と言います!」


アンジュ「あぁ…。確かナオの言っていたアレルギーの…ん?()()?」


なお「彼女来月の半ばに天魔堂(ウチ)に転職する事になったのよ。両親が早く無くして唯一の家族である弟と妹を養うために学生の頃からバイトを掛け持ちしていたみたいで仕事に関する知識は豊富だって」


アンジュ「転職って…。こんな変わり種が多い所に何故転職するのよ」


なお「勿論彼女の保護と倒産寸前とはいえあの会社に居させたくないのもあるけど、きょうだいの為に自分の身を削ってまで頑張る努力に感心してね。同じ姉として見過ごせないから」


アンジュ「昔から妹思い何だからね。アンタは」


なお「…さて。手続きとかはこっちで何とかするから、それまでに安静してよね?後遺症が残ってないとはいえ、まだアレルギー反応で万全の状態じゃないから。妹さんと弟さんが心配するでしょ?」


詩織「申し訳ありません!中々お礼が言えなかったので…」


なお「今日の所は他の社員の挨拶がてらゆっくりしてって。アンジュの言う通り、個性な社員達が沢山いるから」


詩織「はい!」


笑顔で返事をする詩織。また天魔堂が賑やかになりそうだ。




















同日同時刻某所


???「…以上が事の顛末です」


ミオ「期待しなかったとはいえ、予想以上に使いない女だったな。アタシの思った通り、期待していると見せかけてトカゲのシッポ如く見限る事を伝えといて正解だったな」


???「…ミオ様の()()()()()()()にですか?」


ミオ「あんな3流…いや、100流ごときにトップを保つとは到底思わないから助言しただけだ。最も、負のマイナスエネルギーパワーを採取しただけでも良しとしよう」


???「それで、マイパートナーが探いている女とは…」


ミオ「余計な静索しない」


静かに威圧する。


???「も、申し訳ありません!」


ミオ「まぁいい。ヤツの手駒何ていくらでもいる。ゆっくり探せばいい。それで、願いの石の行方は?」


???「1つ手がかりと思われる情報があります…」


















同日同時刻 シンガポール某所


黒服「…以上が、日本からの調査報告です」


???「天魔堂とらやに務めているのか。2年前のあの騒ぎがあったから心配してたけど、必要なかったみたいだね」


黒服「いかが致しましょう?」


???「来月末辺りに予定があるから、そのついでに会いに行こうか。丁度()()()()()()もいるし」


黒服「かしこまりました坊ちゃん」









ここまでの物語をセーブしますか?




はい⇦

いいえ

この章の新キャラ「花寺詩織」の参入は新章当初予定ありませんでした

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ