第2章33話「潜入1」
8月19日午後1時28分 天魔堂 開発室
昨日の一件で連中まだが探しているかもしれないので、夢麻達は残業の口実で天魔堂に泊まっていた。
特に夢麻はNEWLANDクロニクルや今年の最初の一件がある為、顔が割れてるため出るに出られない。
かと言ってなお達も迂闊に出るわけには行けないので、調査はアンジュに頼んである。
今は報告待ちだが、流石にただ待つのはあれなので、サイガーのゲームの会議をした。
昨日なおの言った通り、ゲームではオリジナルのキャラやコーデに必殺技が登場し、どのような演出の内容にするか提案を出し合ってた。
なお「それでこの技だけど、これでこうすればいいんじゃない?」
葵「なるほど。これにはこうか…」
しばらくすると、なおのスマフォが鳴った。アンジュからだ。
なお「アンジュ?首尾はどう?」
アンジュ『あぁ。今は会社に清掃員として潜入している』
なお「流石は仕事は早い」
アンジュ『まだ調査中で大した情報は少ないけど、要件を手短に言っとくわ。アンタの読み通り、昨日渡された写真の女は「アレルギーは偏食の言い訳」と思ってるみたいで、アレルギー持ちの社員をパワハラ紛いをしているみたい』
なお「やっぱり雰囲気からして社長だったみたいね」
アンジュ『まだ未確認だけど、その女は何やら訳ありらしく、他の社員はそれに恐れて訴えるに訴えられないらしい。怪しい連中も居たからこの一件は一筋縄ではいかないみたい』
電話の向こうからあの女性の声がしてきた。
女社長『あの無能社員の連絡がまだつかないの!?』
社員『す、すみません!何度もかけてるんですが、電源切っているのか、全く繋がりません』
女社長『あの偏食女のせいで全ての作業が止まってしまってるじゃない!!』
どうやらまだ捜索しているようだ。
アンジュ『聞こえた?そんな事をしている暇があるなら自分達でやればいいじゃない…』
なお「全くね」
アンジュ『このまま調査を続けるけど、その女は今どうしてる?』
なお「今はアタシの部屋で眠ってるけど、まだ目覚めそうにない。後で様子を見るから」
10分後 とある会社 社長室の階
社長室に入っていった女社長を見届けて、アンジュは、ポケットから蟻サイズの小型メカとそれを動かすリモコンを取り出し、メカを操作して社長室の様子を確認した。
画面を見ると、社長室は、悪趣味な金ピカだらけの部屋で目がチカチカする。
アンジュ(さて、あの社長は…)
メカを動かすと、女社長社長はどこかへ電話していた。
女社長「これはこれは先生。いつも社の商品をごひいきに。…えぇ。少し問題が発生してますが、すぐに済みます。えぇ、先生なら将来の日本のトップになる事は間違いなしですから…」
相手は先生とやららしい。少なくとも学校の先生では無いことは確かだ。
女社長「…え?昨日送られてきた写真の若い女?も、勿論そちらも捜索しています!世間で騒がれていますからすぐに見つかるかと…」
写真の若い女?何の事だろうか?
女社長「えぇ。近々いい知らせが出来ると思います!…では」