第2章30話「100」
店員「お、オーナー!どうしてこちらへ?」
店員がヘラヘラしながら笑っていた。
オーナー「人と会う為に仕事を急いで終わらせて、戻ってきてのよ。それより、何揉めてるの?」
店員「それがですね、この貧乏人共が予約もせず無理やり入ってきて、何も注文しないで居座って困ってまして(笑)」
るな「何言ってるのよ!この店員が予約したのに予約が無いって言ってきて、しかも注文して2時間以上も待ってるのに、お店を閉めて追い出そうとしてるのよ!しかもゴミをぶちまけてきて…」
店員「あぁ?貧乏人のお前達と上級民の俺をどっちを信じる何て目に目えてるぞ?貧乏人は貧乏人らしく残飯を食べてとっとと帰んなww」
ヘラヘラしている店員。るなは睨み続けているが、なお達は何故か涼しい顔をしている。
なお「…って意見だけど?」
オーナー「そうね。私のお店に相応しくない人はお帰り頂いて出禁にしてもらうわ」
店員「だってよwwわかったか?もう2度と来るな(笑)」
るな「サイッてー…。良い店と思ったのに…。言われなくても2度と来ないわ!」
怒りながら自分の荷物を持った。
るな「帰るわよ!」
スタスタと歩こうとした時に!オーナーはるなの腕を掴んだ。
オーナー「あら?どこ行くの?」
るな「どこって、アタシ達はこのお店に相応しくないから帰れって言ってきた…」
言いかけた時にオーナーは指で口を塞いだ。
オーナー「何勘違いをしてるのかしら?私が言ったのはこの男の事を言ってるのよ」
るな「え?」
なお達姉妹4人を除いた一同がその言葉で一瞬思考を停止した。
店員「な、何を言ってるんですか?出ていくのはこの貧乏人で…」
オーナー「あら?私が何も知らないと思ってるの?バリアフリーは全然機能してないし、ここ最近のこのお店の評判が良くない。その上に彼女達の今の状況を見て、『はいあなたを信じます』っと思ったのかしら?」
店員「な、何を根拠に…。自分は当然のこ…」
オーナー「今私が話してるのよ」
静かに黙らせる。
オーナー「何か変と思ったから、ある人に調査を頼んでこのお店に招待してその人に渡した小型カメラで一部始終を見せて貰ったわ」
スマフォの画面を見せると、目の前にいる横顔の店員が映っていた。
青ざめながらなおの方を向くと、腕を組みながら服の襟を向けて指を指していた。
襟の影にレンズのようなものが光っていた。
オーナー「さっき『人と会う』って言ってたけど、その人は、この人達の事よ。わざわざ私が彼女達の名前で予約して」
ドン引きしながら後ろへ下がる店員。
店員「ご、ご冗談を…。こんな、払いも出来ない底辺の貧乏人がお知り合いだなんて…」
なお「だったら、これを見てくれる?」
なおは懐から黒いカードを取り出した。
それはクレジットカードで、しかも極限られた人しか持ってないブラックカードだ。
店員「た、他人名義のカードを使うのは犯罪だぞ!」
なお「勿論自分のよ。ここに『MIDORISORA NAO』って」
しゃる「それに僕達だって」
姉妹は4人は黒いクレジットカードを取り出した。
空気を読んだのか、夢麻達もクレジットカードを取り出した。葵以外のは1つ下のプラチナカードだ。
店員「お、お前達、貧乏人のハズじゃ…?」
なお「るなは言いかけたけど、誰一人も貧乏人だなんて言ってないわ。せっかくNEWLANDとP3の収入が沢山入って贅沢しようと彼女の頼み事のついでに招待されたのに。せっかくのディナーが台無しになったわ」
店員は冷や汗をかきながら逃げ出した。
が。
コックの服を着た大男につかみ挙げられた。
店員「な、何をする!?」
???「それはこっちのセリフだ。ケジメもつけねぇでトンズラは卑怯だぞ」
こちらに振り返った男の顔に見覚えがあった。
ユウリ「あ、アンタはロダン!?」
ロダン「よお。コイツの懺悔は俺に任しときな。その代わりに尻拭いの詫びとして一番高いコースをご馳走してやるよ。勿論コイツの支払いでな」
店員「ひひぃ〜〜」
夢麻「い、良いのですか!?」
ロダン「構わねぇよ。コイツとはお前らと同じよしみだからな」
葵「同じ?」
ロダンとオーナーは自分の腕を見せた。
同じデザインの腕輪をしていた。
夢麻「も、もしかして、オーナーさんはロダンさんの…」
オーナー「マイパートナーよ。貴女達の中で一番最初の」
この女性がロダンのマイパートナーだったとは。通りで辻褄が合うはずだ。
ロダン「それじゃあな。食材の在庫は案の定切れてたから、その時の為に10分後に追加の食材が届くように手配しているから存分に楽しむんだな」
そんなやり取りしてると、コソコソと他の従業員が逃げていた。
ロダン「何処へ行く?お前達も同罪だ。逃げられると思うな」
慌てて逃げ出す従業員達を追いかけるロダン。店員を脇に抱えたまま。
ため息つくオーナー。
オーナー「全く。しばらくお店をお休みにしないと。店内の改装とちゃんとした従業員の入れ替え、その他諸込みだらけね」
オーナーはなお達に向いた。
オーナー「嫌な思いをした事は謝るわ。こうでもしないとシッポを掴めなかったから」
なお「いいって。慣れてるから」
るな「姉貴、まさか知ってたの?ロダンのマイパートナーがこの女と?」
のん「知ってたも何も、大分前になおお姉ちゃんからその事言ってたじゃない」
るな「初耳何だけど!」
オーナー「もう良いじゃない。もう細かいことは忘れてこのお店の味を楽しんでいきなさい」
夢麻「けど、こんな格好じゃ…」
オーナーはメガネの縁を指でトントンとすると、全員の服装が何事も無かったかのようにキレイになった。
葵「ふ、服が!?」
オーナー「私達の力は時間を操る事よ。ゴミまみれになる前に巻き戻したから」
優香「あ、ありがとうございます」
優香はぺこりとした。
オーナー「さて、久しぶりに腕を振ろうかしら。記念すべき日だから」
記念すべき日?
オーナー「今日は記念すべき日100回の日だから」
100って何の事だろう?
葵「そういえば名前は?同じマイパートナーだから一応聞かないと」
オーナー「そういえばそうね。『セレッサ』。それが私の名前よ」
るな「セレッサ?セレッサって柄じゃないわ」
セレッサ「よく言われるわ」
りお「人それぞれですわ」
るな「そういえば、何で葵だけブラックなの?違法賭博時になりかけて、家族と縁を切った時に無一文になったと思ってたけど」
葵「賭博は娯楽用の貯金を使ってただけでそれ以外の貯金は手を出てないわ。縁自体は切っても、自分の貯金だけは持って来てるから。たんまりと」
亜子「りゅーじろー涙目だな」
次の日 某時刻 魔界のとある場所
ロダンが紐で動けなくした店員を達を乗せたまま、恐ろしい化け物達の住処のど真ん中で車を爆走していたと。
店員「た、助けてくれ~!!!」
ロダン「まだ懺悔のツアーは始まったばかりだ。10日間の旅だ。これが終わったら借金の返済の為に高級人喰いシャケの漁で強制的に働かせるからな。家に帰れるのは10年後だからな」
そう言うとロダンは速度をあげて崖から飛び出したのであった…。
10年後に行方不明になってた店員達が精神病院に入院したのだが、それはまた別の話にて…。
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魔王姫の最新話は来月中に投稿予定