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簡易レポート

【レポート・監獄実験】

 これは先日行われた実験の結果をまとめたレポートである.実験は当初1ケ月続ける予定であったが一週間で実験を中止した.これは,当初の想定以上に被験者たちが暴走をしたためやむを得ないことであった.実験内容の詳細は前回のレポートに記載したため,詳細は省く.ここでは大まかな内容の説明にとどめるものとする.


【大まかな実験内容】

 被験者の人数は10人とする.その10人の中から,5人を監守,5人を囚人というように役割を割り振る.そして,監獄を模倣した閉鎖空間で共同生活をしてもらう.このとき,禁止事項などをいくつか設けた.


【実験結果】

 初日の経過は良好であった.しかし,翌日から囚人の一人が暴れ出した.それに対し監守側は,態度のよい囚人と態度の悪い囚人とで待遇を大きく変えた.すなわち,態度のよい囚人には好待遇に,態度の悪い囚人には相応の待遇にしたのである.さらに数日後には,監守側は囚人に体罰を課すようになったのである.このとき,あらかじめ決めていた禁止事項には触れていなかったため実験を継続することにした.さらに翌日,体罰はさらに厳しいものになっていた.さらに驚くことがあった.それは,定期カウンセリングの時であった.囚人役の人々に話を聞くと,設定していた罪状をまるで自分が本当に犯したような発言をしていたのである.さらに翌日にはとうとう禁止事項に振れるような体罰が行われた.これ以上の実験は危険と判断し,実験は中止した.


【一般的な考察】

 本実験から人間は閉鎖空間で役割を与えられると,それに応じた行動を行うことが証明された.このことから,閉鎖空間では人間が人間たらしめている「理性」による歯止めがききにくくなると考えられる.

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