水上機にロマンを感じてるVRゲームパイロット2
水上機のお話第2弾!
納得するかは知りません。
自己満なので
北大西洋海中にある小さい部屋に二人は居た。
「…なんで寒いとこに出稼ぎなんだよ?」
「機体落とされておいて何言っているんです?」
ひそひそ話のように話す二人の横には「沈黙第1!出来ない奴は捨てる」と書いてある紙が張ってある。
「分かってるよ。でもさ、対潜哨戒で編隊が来たらやるしかなかっだろ?」
「逃げるが勝ちでしょうに」
「いやそれ脱走扱いされるから」
彼らは伊号潜水艦の中に居た。航空機を登載出来る潜水艦。とあるプレーヤーが買ったのだが、搭乗員が足りなかった。そこで晴嵐を持つパイロットを呼び掛けるがマニアックな奴はいても動かせないので全滅。次に有名な水上機持ちには片っ端に要請をだしたが大抵個人でそこそこに動いているのでたどり着くツテがなく、梨の礫。
そこでも彼は諦めず、晴嵐も揃えつつ掲示板をあさり、噂をかき集めて突き止めた。
「…にしてもああ脅されるとはな」
「ホント、あんなの脅し同然ですよ」
突き止めた彼は潜水艦で隠れ家に直行。珍しくビーチで寛いでいた3人に14センチ砲を向けながら交渉。
3人揃って拉致られる結果になった。
「整備士は?」
「今、艦長と調整してます」
「目標がいなけりゃ穴蔵生活か…飛びたい」
がっくりしながら割り当てられたベットに潜り込みふて寝に入る。
「そうですね。寝て待ちますか」
機上員も上のベットで横になり、時を待つことにした。
「目標が出た」
数日(リアル時間10分)経って無線連絡から情報をキャッチ。やっとこ動ける状況になった。
「どんな?」
「10隻くらいの小規模だな」
「全部で?」
「ああ、全部で。不満か?」
海図を前に拉致った艦長と拉致られた3人が話している。大型潜水艦とは言え狭く、顔が近い状態だ。
「たったの一機で何をしろと?」
「再利用不可なら80番か25番4つ。回収なら50番ってとこですよね」
「ふっ、補給も考えて25番限定だよ。2つ抱くけどね」
晴嵐の武装を言ってどうするかを聞いて返答もすぐ来た。
「ついでに言うと回収は最優先だよ。あれはけっこう高いんだから。あと、目標の船団に護衛空母がいるらしいんだ」
「Uボートが見たと?」
「数隻殺られた。無線で航空機も伝えている」
「どうするんだ?護衛空母と言えども戦闘機はいる。たったの一機じゃ失敗するぞ?」
「そこでだ。対空レーダーをチャフで誤魔化して急降下爆撃なんてのはどうだ?」
どうやらこの艦長、よっぽど奇襲をかけたいらしい
「博打ですか」
「博打だが2機でれば大きいだろ?」
「博打はいいがそもそも2機目は誰が乗るんだ?」
「もちろん俺とペアの機上員だよ。探してスカウトしたんだ」
胸を張る艦長に呆れと悔しさが滲んだ目を向けるパイロット
「このブルジョワめが…」
「いや、あんたも俺らをスカウトしたじゃねぇか」
整備士から冷静な突っ込みがやって来た。
ごもっともである。
「いいか!奴ら船団はコンドルを警戒しているから航空機目標は必ず迎撃して来るから注意しろよ!」
「分かってるよ。そもそもなんで知ってるんだい?」
波風に負けないように怒鳴る彼らの後ろでは整備士が潜水艦付きの整備員に指示を出して晴嵐が組み立てられていく。
「大西洋の船団護衛では有名な話さ!」
「早く聞きたかったね!」
「1機出来たぞ!早く乗れ!」
整備士が怒鳴ることで会話を止めて出来たての機体に乗り込むとカタパルトに移動。もう1機も組み立てが開始され、それを見ているとカタパルトが射出。よたよたと空に飛び立っていく。
「なんか恐いな」
「25番を2つも抱いて飛びますからね」
2機目も15分後に完成。1機目は燃料が勿体無いので先に飛んでいった。進路は違うので出合うのは目標の所かこの母艦になる。
「反復攻撃は可能か?」
「本来なら不可能だったがご丁寧に航空燃料タンクもあるし爆弾も25番限定でラック付きの収納付だ」
「…出来るのか」
「イヤかそんなに」
乗り込む際に交わした会話を最後に彼らも空へ飛んでいった。
「急降下と言っていたが低空からのスキッピングで殺る」
「殺るの前提ですか」
燃費無視して低空のままコースを飛ぶ。
「当たり前だ。殺り損なえば母艦が沈む」
「それもそうですね」
二人は無言で飛び続け、無言の時間がモールス信号で破られた。
「ヒ信号、来ました」
「分かった。まもなくお迎えが来るぞ」
フルスロットルにして海面から10数メートルを飛ばす。燃料計がガンガン下がるが無視して操縦に集中する。
「左方向に目標!」
伝声管の声にフイットバーを踏んで進路変更。見え始める船影に機首が向いた。
「よく見つけたな!」
「対空砲火が見えたんです!」
「あとで奢る‼」
時間との勝負に高度そのままで船団に近づく。二人して空母はどこだと探していく。
「見えたか?」
「平甲板が多くて分かりません!」
タンカー系が多いからか空母が判別出来ない。
「高度を上げる!見つけたら教えろ!」
船団の縁にたどり着いて急上昇。航空機は見えないが何が来るか分からない。高度がぐんぐん上がるのが終わり、ジリジリに変わる。
「いました!右方向!戦闘機が発艦してる‼」
そのまま宙返りして左を見れば分かった。航空機を抱えた護衛空母が居た。
「急降下!」
「ガッテン!」
たかが1000メートルで急降下を開始。遅かった速力が回復。海面がぐんぐん迫り、小さな飛行甲板と戦闘機が大きくなる。
「投下!」
高度400で爆弾を投下して離脱行動に移る。発艦した戦闘機がこちらに向かって来る。
「命中!」
それに応える暇なく操縦棒を操る。すぐに後部機銃が発砲。ラダーを軽く踏みながら母艦へ逃げる。
「あの野郎どこ行った!」
バックミラーには怒り狂う戦闘機の姿。後部機銃がさかんに発砲するが効果が見えない。
「間もなく軸線…乗った!」
稼いだ高度を捨てての回避運動。機銃の曳航弾が見える。
「旧式でもキツいぞこれ!」
「フロート棄てますか?」
追いかけてくる戦闘機はF4F。速度は290kt。かたや晴嵐は240ktと50ktの差は大きすぎる。フロートを棄てれば400ktは出るが機体が回収不可能になる。すなわちー
「14センチで吹っ飛びたいならいいぞ!」
「それもイヤですが、落とされる方が先だと思います!」
水面すれすれの飛行で敵機の動きに注目させる。
「零観なら格闘に入れたんだがな!」
「機銃が無いんじゃ駄目ですね!」
晴嵐には前に向けての機銃は無いので狙われたら逃げるしかない。
「つーかあっちはどうなんだよ!」
「知りませんよ!見てないですし!」
機銃弾を右に回避。このままじゃ燃料もマズイ状態に成りかねる。
「あ、相手が去って行きます!」
「まじで?」
「迷子になるからじゃ?」
振り向けば忌々しそうな機動で船団に帰る姿。その姿に「もう2度と来るな!」と心の中で叫んで高度を上げる。
「悪いが母艦への進路を計算してくれ。極力早めにだ」
「リョーカイ」
命拾いした彼らはなんとか母艦にたどり着いた。
「あ、帰って来た。フロート付きだからふっとばざなくて良かった~」
ガチで撃つ気だった14センチ砲を見ながらクレーンで釣り上がる晴嵐を見た。
「あんたの機体は?」
「一応機銃で殴りあいした」
「あ?てめぇだけなんで機銃があんだよ?」
格納庫を見ると蜂の巣の晴嵐があった。最初に行った分大歓迎らしい。
「わー本当だー。モーターカノンが付いてますね」
「30mmだ。当たれば吹き飛ばせるぞ」
「…DB603を積んだか。それともjumoか?」
見ただけで見当を付けるとジロリと睨む。
「ご名答。jumoだよ。Max500は出る。戦闘機と喧嘩も対応さ!」
「それが蜂の巣か。宛になら無いな」
護衛戦闘機はF4Fかハリケーン。270Ktも出せるなら290Ktの連中は対応可能だ。
その結果が蜂の巣では話にならないパイロットの腕だが。
ともかく強く握った拳を振り上げて目の敵にぶちこんだ。
反撃を許さないように手際よく速やかに…
「爆撃か戦闘か。悩むよな水上機はな」
「あれ?艦長は?」
痛む拳を擦りながらハッチに向かうと航海長が訪ねてきた。
「知らねぇよ。海水浴がしたいという艦長わな」
「か、艦長ー!」
手空きが艦長を回収作業を行う。それを見て鼻で笑った。
「怒ってます?」
「俺にあの機体を乗せていれば楽だったよ。少なくとも反復も出来たはずだ」
機体回収も整備も彼らに任せて艦に潜り込んで休憩に入った。
次の攻撃は数時間後と明らかだからだ。
数日間の空と水中の攻撃によって船団は壊滅した。それがロシア方面への補給が無くなり、大きな影響を及ぼした事を誰も分からない。
それをした彼らすらも…
「今回はありがとうな!次回もよろしく頼む!」
「ぜってぇ拒否するわ!」
とある島の砂浜でそんな会話があったとかなかったとか
だ、誰か彼らの名前と簡略な名称を…!